死にかけの爺さんが『18歳よ、もう一度』

死にかけの爺さんが『18歳よ、もう一度』

last updateLast Updated : 2025-07-02
By:  satomiUpdated just now
Language: Japanese
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死んだと思ったのに、男子大学生として生きることとなったじいさん。しっかしまぁ、難しい世の中だと嘆きつつ、それなりに生活をしていくのです。果たしてじいさんはうまいこと大学生になじめるのか?

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Chapter 1

1 じいさん、若返る

「じーちゃん!目ぇ開けろよ!!」

 ん?孫よそんなに私を乞うのは幼稚園児くらい以来か?

 あぁ、川の向こうから死んだばーさんが手を振っている。若い時は美人だったなぁ。そんなことを直接言うのは恥ずかしいが。

 その時、声が響いた。

「佐藤悟朗さん。109才。ご臨じゅ……」

 私の体が変化したのを感じた。死を感じるはずだったのに。

「佐藤悟朗さん?!あの……佐藤悟朗さんですよね?」

 何を言ってるのか?死にかけてたのに。

「えー、色々検査をしますが、かいつまんで言いますと……」

 何だ?

「見た目は若返っています。内臓なども検査をしたいのでこのまま入院……」

 それはいいが、冷静だな。ん?はぁ?私の体が若返った?

 そういえばまわりの人間が動揺のためか固まってるな。

「あー!!じーちゃんが俺みたいになってる」

「静かにお願いします。非常にレアなケースなので、表に出さずに処理したいと思っています」

 虎太朗……愛を注いだが、私が虎太朗みたいなのは不満なのか。似ているのは嫌なのか……。私ショック。

「内密にというのならば、父をどこかの大学に入れて下さい。ニートが家にいるのは不審でしょう?」

 息子よ……。大学云々はいいが、私をニートとな。ニートって何だ?

「わかりました。では、そのように手配します。悟朗さんはしばらく検査入院となります」

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1 じいさん、若返る
「じーちゃん!目ぇ開けろよ!!」 ん?孫よそんなに私を乞うのは幼稚園児くらい以来か? あぁ、川の向こうから死んだばーさんが手を振っている。若い時は美人だったなぁ。そんなことを直接言うのは恥ずかしいが。  その時、声が響いた。「佐藤悟朗さん。109才。ご臨じゅ……」 私の体が変化したのを感じた。死を感じるはずだったのに。「佐藤悟朗さん?!あの……佐藤悟朗さんですよね?」 何を言ってるのか?死にかけてたのに。「えー、色々検査をしますが、かいつまんで言いますと……」 何だ?「見た目は若返っています。内臓なども検査をしたいのでこのまま入院……」 それはいいが、冷静だな。ん?はぁ?私の体が若返った? そういえばまわりの人間が動揺のためか固まってるな。「あー!!じーちゃんが俺みたいになってる」「静かにお願いします。非常にレアなケースなので、表に出さずに処理したいと思っています」 虎太朗……愛を注いだが、私が虎太朗みたいなのは不満なのか。似ているのは嫌なのか……。私ショック。「内密にというのならば、父をどこかの大学に入れて下さい。ニートが家にいるのは不審でしょう?」 息子よ……。大学云々はいいが、私をニートとな。ニートって何だ?「わかりました。では、そのように手配します。悟朗さんはしばらく検査入院となります」
last updateLast Updated : 2025-06-29
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2 じいさん、大学デビューする。
 私が大学生……かつては帝国大学しかなかったが、私大と言われるようだ。 孫の虎太朗は国公立大学の大学院の院生らしい。 なんだか新しい情報ばかりだなぁ。 これは、もしや大学でびゅー?私もなかなかハイカラだな。よーし私も頑張っちゃおう。 そして入学式。スマホで写メを取ったりインスタと大忙しの若者の中……。 何だ?敵国のスパイか?SPのシークレット(S)の秘密が意味するどころかそこかしこにいる。いや、木を隠すなら森というやつか。なかなかやるな。「YO!超イケメンじゃねー?写メしてインスタにあげていい?」 なんだ?この軽いノリの男は。謎の言葉ばかりを言う。「礼儀を知れ!まず名前を名乗るのが先ではないのか?」「あはは、おもしれー。俺は柊ダイ。ダイって呼んで♡」 柊……先祖はよい者だと思うが。「私は佐藤悟朗という。まだまだ若輩者だ」「戦国武将かよっ!」 うちは違う。「メアド交換しよーぜ!あとLIMEのアカウントとかー」「すまほなど持っていないが?」 家の電話でいいであろう?「まじ?イマドキめずらしー。ちんじゅー的」 まぁ、ちんじゅー(?)かな?「家の電話なら知らせてもよい」 となり、私はダイのスマホの番号を教えてもらい、ダイに私の家の電話番号を教えた。「個人情報故、管理はしっかりとな。他言無用だ」「おもしろいな、ごろーっち!」 ごろーっち?私の事か?にっくねぇむというやつか?初対面でありうることなのか。まこと大学生というのは不可解也。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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3 じいさん、大学について考える。
 うーむ、大学とは恐ろしい場所だ。 気づけば何者かに写真を撮られている気がする。 きちんとシラバスなるものを読み、単位を取得せねば留年の恐れがある。 このような悩みは多いがここはやはり大学生のセンパイである虎太朗に相談しよう。 さて、虎太朗に連絡。息子の家へ電話を。「あら、お義父さん?声が若いからすぎわかりませんでしたわ」 いや、そんなことはどうでもいい。虎太朗について聞いた。「あの子?研究室にいりびたりだから、スマホの番号を伝えますね」 ほぅ、このような場合すまほは有効だな。「番号は……0×0××××××××です。たまには帰るようにも伝えて下さいな」 番号長い!!私は海外に電話するのか?まぁ、仕方ない電話しよう。「もしもし。もしもし?あー、じーちゃん?」 『じーちゃんってあだ名なんだよ』という声が電話から聞こえた。じーちゃんショック。 会って大学生活の悩みについて話したい。又、生き方も相談したい。と話した。 いつどこで会うのか虎太朗と話して予定を決めた。「あー、じーちゃん。ごめん。実験の途中なんだ。電話NG。じゃ、また。次会うときね」 はぁ、虎太朗……なんだか遠くに行ってしまった感じだなぁ。大学院生か……。 うーん、大学というのは本当に恐ろしいな。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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4 じいさん、孫にスマホについて教わる
 あ、虎太朗だ!相変わらず可愛いなぁ。小遣いをあげたくなる。「じーちゃん、悩みって何?」「虎太朗は元気だったか?ケガはないか?病気してないか?」「いや、そういうのいいから……。悩みって何?」「ああ、私の悩みか。すまほがわからない。必要なのか?若者必需品みたいでなぁ」「確かに。でも電話としてはあんまり使わないかも」「けいたいでんわだろ??、携帯しないのか?でも電話するためのものだろう??」 私は疑問でならない。身を乗り出してしまった。「じーちゃん、落ち着いて。えーと、写真とったり」「写真を撮るのはカメラだろう?それはじーちゃんでもわかるぞ!年寄りをからかうでない」「気軽に写真撮れるの!」 孫に怒られた……。「あと、アプリをダウンロードして自分の好きなようにカスタマイズ」「虎太朗、じーちゃんはな日本語しかわからない。あぷり?」「……一緒にスマホの契約しに行こうか。じーちゃん、身分証明できないんじゃ」 私は大人げなくちょっと怒ってしまった。「大学の学生証がある!」「それ、使えるといいね。他に悩みは?」「気づくと写真を撮られている気がする」 虎太朗には思い当たる事があるようだ。「じーちゃん、俺もなんだけどさぁ。いわゆるイケメンというやつなんだよ。それで、写真に勝手に撮られるの!俺も昔はあった。イケメンあるあるだね」 いけめん?「虎太朗、いけめんってなんだ?」「あ、じーちゃんにわかりやすく言うと、二枚目というやつ。今はイケメンっていうの」 難しい世になったもんだ。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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5 じいさん、初登校する。
 大学初登校。周囲は孫のようだ。 1講目から受講は基本。授業料をムダにするような行動はいかん。私の場合は授業料を支払っているのは、この大学付属の病院だが……。 なんだ?初日、1講目の教室。確かに選択科目だが……しかし……教室に人が少なすぎるだろ? 見た目で人を判断してはいけない。しかし、でも……女子大生の化粧は濃いし、格好もはしたない!嘆かわしい!!親御さんが悲しむぞ。 格好についてダイは歓迎していたが、私は大和撫子を求める。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花のようなそんなオナゴはやはり婆さんだけなのか。「ごろーっち、学食行こーぜ!」 元気だなぁ。授業中寝てたのか?「学食?ああ、学生食堂か。良心的なんだよな、料金が」 学食がザワついた。もちろん悟朗の登場によって。「ダイ、その皿の横の方によけている野菜はなんだ?」「えー?何ってピーマンだけど~?」「世の中には食べ物に困っている人もたくさんいるのだから、我々は食べられることに感謝し、食べ物を摂取しなければならない。わかったら、そのピーマンを残さず食べろ」「へいへい」 返事がてきとうだなぁ。でも残さず食べたから結果おーらいか。 学食、量が多いな。残さず食べるのは結構大変だな。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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6 じいさん、ダイという男に懐かれる。
「おーっす!ごろーっち!学食行こーぜ」 むしろダイは昼から登校か?学費は親御さんが払っているようだが。親御さんに申し訳ないぞ。「お前は学費を親御さんに出してもらっておいて重役出勤のように午後から大学に来るのか?」「えー?だーって午前中の講義で楽しいのないし。ごろーっちは朝から来てるの?」 それが普通ではないのか?「ごろーっち、超マジメなイケメンー!抱いてー!!」「何を言うか!私は男は嫌だ。そして昼からはしたない発言はよせ」「全くお堅いなぁ、ごろーっちは。そうそう、今週末の合コンに参加しない?人数合わせってやつ。大学生と言えば合コンだよなぁ。あ、お持ち帰り可のメンバー集めたって。相手は有名企業の受付嬢って言ってたぜ」 大学生と言えば合コン……。虎太朗、合コンで持ち帰られたりしたのだろうか?誘拐じゃないのか?通報したのか?聞いてないぞ。「私は合コンは好かない。故、参加しない」「もったいないなー。イケメンとキャラのギャップ萌えの可能性あったのに」 謎の言葉が多いな……。合こん・ぎゃっぷ萌え・お持ち帰り…… 虎太朗と一緒に買ったすまほで虎太朗に質問しよう。「あ、ごろーっち、スマホじゃん。でも……何でじーさんが持つみたいな“よゆーでホン”なの」「私にすまほをあやつる余裕がないからだ」「はぁ、なるほどっちゃあなるほどなんだけどなぁ……。な、番号とか教えて」 またか……。「個人情報だからな。管理は頼むぞ。ところで、このすまほの番号わかるか?」「ごろーっち、マジで?超基本から。本当に余裕ないんだな」 ダイは余裕で私のすまほの番号を引き出す。 恐ろしい。すまほを忘れ物にするだけで個人情報が……。「ごろーっち!LIMEのアプリをダウンロードしていい?IDとかアカウントどうする?」 ダイには私のLIMEの事がまるわかりという事か。「よくわかんないから、ダイが決めて、後で教えてください」 アナログなメモが必要だな。「スマホに関することになると俺にも敬語になるのな(笑)」 ダイがなんだか嬉しそうだ。 えーっと虎太朗には、合こん・お持ち帰り・ぎゃっぷ萌え・あぷり・だうんろーどと質問しよう。 でも、まぁこんな形でも孫と交流できるからいいかな? ただ毎回小遣いをあげたくなる。礼もかねて。でも息子の嫁に「やめて下さい!」って言われてるしなぁ
last updateLast Updated : 2025-06-29
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7 じいさん、めーるを送る。
 めーるというものを使ってみた。虎太朗から返事がない。何故だ? そういえば、虎太朗のすまほの番号を知らない……。じーちゃんは悲しい!LIMEとかやってるのかなぁ? 午後やっぱり現れた。「ごろーっち!おはよー!!」 おはようってもう昼だ。「こないだ知り合いにめーる送ったんだ」「おお!ごろーっち進化!」 そんなに感激されても。進化って……進歩だろう?「返事が来ないのだが、やはり電話すべきだったか……」「えー、誰だれ?イケメンごろーっちがヘコむほど返事をほしがるんでしょ?気になるー」「知り合いの男」 迂闊だった。私と虎太朗はどのような関係という事にすればよいのだろうか?あらかじめ決めておくべきだった。まぁ、親戚が妥当だろうな。実際そうだし。「ごろーっち、俺は男同士の関係でもいいと思うぜ」「ダイ、最初に言ったはずだが、私の恋愛対象は女性だ」「つまんないの」 いや、私で楽しまないでほしい。 ダイは当てにならないな。息子のところに電話して虎太朗のすまほの番号を聞くとしよう。それが一番自然なのだろう。 勝手にすまほの番号を聞いたりして虎太朗は怒ったりしないだろうか?やはり本人の了承が必要なのでは? しかし、めーるの返事が来なかったことについて知りたい。いったいどうすればいいのか、ほんとうに難しい世の中だ。全くわからない。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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8 じいさん、孫にスマホの機能を教わる
「で、じーちゃんはわざわざ実家に電話したと」 ちょっと虎太朗が怒ってるー。「虎太朗しかじーちゃんには頼れる人がいないんだよ!めーるの返事がなくて不安だったんだよ!」 ああ、虎太朗がため息ついてる。「まぁ、じーちゃんがその体になったの知ってるのは一部の人間だけだし、それで大学生って俺だけだし、仕方ないけど」 わかってくれたかな?「メールはいつ返事がくるかわからない。他のLIMEとかもそうだけどLIMEは既読マークがつくから、読んだら返事よこせよってなる。それを無視するのが“既読スルー”ってやつだね」 確かにダイからくだらない文がLIMEで届いたら無視するなー。「で、今回じーちゃんが俺に聞きたいのって何?」 私はきちんとメモ帳にメモをしてきた。「合こん・お持ち帰り・ぎゃっぷ萌え・あぷり・だうんろーどって言葉の意味が分かりません!」 虎太朗は少し考えた。「じーちゃん、スマホをもう少し使えるようになろう。辞書がスマホの機能にあるの」 この1キロにも満たないだろう機械に?「ちょっと貸してねー」と虎太朗は言うと、手際よく辞書のアプリを悟朗のスマホにダウンロードした。「このアイコン……このマークのところ触って」「おお……」「で、ここに知りたいことを書き込む。あ、鉛筆とかじゃない!例えば“アリ”」 虎太朗の言葉の選択がわからないな。“アリ”を書き込むと……アリについて色々出てきた。「ほら、虫のアリもあるし、人物名のアリもあるじゃん。で、選んで……ってのを繰り返したら出てくるから」「はー、便利なもんだ」「これでよほどの事がないと俺は呼び出されないでしょ」 あ、そうだ私と虎太朗の関係。「虎太朗、私と虎太朗の関係は周りにどう言おう?」「親戚じゃない?年が近いから昔から親しかった。とか」 まぁ、そうだよな。なんだかちょっとじーちゃんガッカリ。「そういえば、私にも虎太朗のすまほの番号などを教えてください」「電話には出ない場合もあるからね!しつこいと着信拒否するから」 着信拒否……早速辞書で調べた。 何と!?これは絶縁宣言のような……。じーちゃんはあまりの衝撃で死んでしまうやも。
last updateLast Updated : 2025-06-29
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9 じいさん、最近の大学生について想いを馳せる
 週明け、合コンに行ったダイが絡んでくるだろうなぁと憂鬱な気分だった。私は午前の授業を受けた。なんだか午前からの女子受講生が増えた気がする。様々な香水(化粧品か?)の匂いが混ざったような変な匂いが教室に充満しているが、いいのか教授よ。「ごろーっち、おはよー!」とダイは来た。もう昼だから“こんにちは”だろう。「今日も一緒に学食行こー?」 うーん、謙虚に明るいな。まあいいだろう。「残さず食べろよ」と言うと、ダイはラーメン(大盛り)を選択した。ラーメンスープは飲まない方が体にいいんだが……。「いやぁ、合コンサイコー!」 とダイが言うから「何だいきなり。気持ち悪い」と私は一刀両断した。 ダイは私の言葉を遮るように続けた。「合コンに俺の好みドストライクの娘がいて、いやぁさすがに受付嬢だよね。レベル高いわー」 私はそんなの興味ない。「その娘、お持ち帰りしちゃった」私は憤慨した。「こらダイ!男女交際は清くなければ。結婚でも見据えてるのか?それならばよいが、軽い気持ちで体を合わせるなど言語同断!」「ごろーっち。イマドキそんなじーさんばーさん世代の思想の人間いねーよ?それに体の相性だって重要じゃん?」 とダイに言われた。 イマドキ……虎太朗よ。可愛いままでいて欲しい。「ん?ごろーっち、なんか遠い目してたけど、アヤシイナァ」 まさか孫の貞操を気にしていたとも言えずにいたら、ダイに質問攻めにあって面倒だった。「ごろーっち……」とダイが珍しく神妙な顔をして話を切り出した。「ごろーっちだから話すけど……。俺大学デビューで週末にお持ち帰りしてDT卒業したんだ」と高校時代の写真までみせてくれた。確かに、今のダイとは違うな。陰の気を放っている感じがする。 私は反応に困った。私も大学でびゅーは同じだが、証拠が……うーんDTではないだろう。この体だけど息子も可愛い虎太朗もいるわけだし。 説明するわけにいかないし、しかし嘘はダメだ。「私はもうDTではない。愛した女性がいたが、その女はもう亡くなってしまった」 と説明。嘘はまるで言っていない。「ごろーっち、苦労してるんだな。悪い!俺ばかり浮かれて」 ダイが浮かれているのはいつものことだから正直慣れた。「なぁ、ごろーっち?その女はどんな女だった?」 はぁ、ばーさんについて赤の他人に言うのか。若い頃のばーさ
last updateLast Updated : 2025-06-30
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10 じいさん、墓参りをする。
 今日は家族総出で墓参りだ。 なぜだ。虎太朗がいない!大学で“論文発表”らしい。 理系なのか?比べたくないが、ダイとは月とスッポンだな。 ばーさん、私はなぜか若返って(体が)元気してるから心配無用だ。この間、大学でばーさんとのこと聞かれて答えた。ダメだったか?嫌だったか?私はちょっと誇らしかった。恥ずかしくもあったんだがな。 大学で私はイケメンという二枚目らしいが、ずっとばーさん一筋だ。心配せずにいつか私がそっちに行くのを待っててほしい。 などと久しぶりの語らいをした。私は満足。 ふと、隣の墓石を見た『柊家代々之墓』とある。嫌な予感……。「ごろーっち!いやだ、きぐぅ」 嫌なら話しかけるな。面倒だから。「親戚の墓参りは当然だろう?そんなお前も家の墓参りだろう?」「あらあら男前ね。うちのダイがお世話になっています」 本当にな……。「こちらこそ。初めまして友人の佐藤悟朗と申します。本日は親戚の墓参りで来ています」「ダイ、ずいぶんしっかりした友人いるのね。お母さん安心したわ」 まぁ、大学でびゅーならなぁ……。 せっかく久々にばーさんとの語らいを楽しんだというのに、ダイとの会ったことでなんだかなぁ。 ばーさん、大学というところにはダイという男のような輩もいるのだ。 昔は帝国大学といって難関大学・エリートという代名詞のようなものだったのに、随分変わったものだよなぁ。
last updateLast Updated : 2025-07-01
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