All Chapters of 転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。: Chapter 11 - Chapter 13

13 Chapters

11話 アリアの願いと新たな拠点獲得

「そうなんだぁ。わぁ〜じゃあ、わたしも参加できるね〜ギルドの依頼の時も参加するつもりだけど……」(ん? 珍しく積極的というか……気を使ってる感じじゃないな。)「参加は良いけど……いつものアリアじゃないね? 魔物や魔獣の討伐に参加してくれるのは助かるけどさ」 ユウヤが問いかけると、アリアは少し照れたように頬を染めた。視線をわずかに逸らし、指先で服の裾をいじる。「だって……せっかくユウくんと同じパーティになったのに、別々に討伐とか薬草を採集って寂しいもんっ」 その言葉に、ユウヤは納得した。アリアの想いを知り、心が温かくなる。「うん。一緒に討伐に行っても問題ないでしょ……冒険者になる前に低級の魔物をたくさん討伐して攻撃も受けなかったし、魔力切れにもならなかったしなあ」 ミーシャも自信満々に、ユウヤの言葉に同意した。「うん。ありがと♪」 アリアは嬉しそうに微笑んだ。その笑顔は、花が咲いたように明るい。 ユウヤは、心配そうに見つめる長老たちの方を向き直し、依頼として受けると話した。「俺たちは冒険者で、魔物と魔獣の討伐依頼として引き受けようと思います」 ユウヤがそう告げると、長老の顔色が悪くなり、後ろについてきていた者もオロオロとして、二人で顔を見合わせて困った表情になっていた。その様子に、ユウヤは少し呆れる。(まあ……元々は勝手に二人で魔物討伐をして帰るつもりだったので、報酬は元々無かったわけだし。でも魔獣討伐を無報酬で頼むつもりだったんだ?) ユウヤは、彼らの困惑を察し、口を開いた。「まあ、そうですね。でも……その感じは、支払いが難しいみたいですね」「すみません。小さな村でして、擬態スキルを持っている者が人間に擬態して野菜や金物を近くの人間の村まで売りに行って人間のお金を得て、調味料や雑貨、薬を買って、余ったお金を僅かに貯めてあるだけでして」 長老は申し訳なさそうに説明した。その声には、村の窮状がにじみ出ていた。「そうですか。まあ……報酬は必要ないので、ちょこちょことここに遊びに来て薬
last updateLast Updated : 2025-07-09
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12話 森の少女の悲劇・ユウヤの困惑と獣人村の現実

 獣人だからと見下していたかもしれない……。依頼を受けた村から貰えた家は、雨風を防げるだけの休める場所ではなくて、ブロック造りの、十分に暮らしていける立派な家だった。しかも村から少し離れた場所で、広い庭付きだった。「村の中心部から離れていますが、空いていて立派な家がこの家しか無いのです。村の中心部にも空き家はありますが……小さな家で少し、いや大分傷んでいまして」 長老は、恐縮したように説明した。「ここが良いです。あの、庭に倉庫を立てても問題ないですか?」 ユウヤは、その家の良さに満足し、すぐに庭の活用方法を考えた。その瞳は、すでに未来の計画で輝いている。「ええ。この土地は、お譲りした土地なのでご自由にお使いください」(お。土地も貰えるんだ? 倉庫と薬草を育てられるかな?森に近い場所に植えてみようかな。その他は野菜かな?) ユウヤは、新しい生活への期待に胸を膨らませた。「ありがとうございます」「ありがと〜♪」 アリアも満面の笑みで、感謝を伝えた。その声は弾んでいて、本当に嬉しいのが伝わってくる。 こんなに、すんなりと村に入れちゃって良いのか? 結界で寄せ付けないようにしていた人間なのに? ユウヤは、少しばかり疑問を感じ長老に尋ねた。「あの〜俺たちは人間なんですけど? すんなりと信じちゃって良いんですか?」 長老は、ユウヤの疑問に穏やかに答えた。その表情は、一切の疑念を抱いていないようだった。「儂には、害意のある者。ない者。が分かるスキルがありますので問題ないです。同じスキルを持っている者も同じ意見でした」(やっぱりそうか……じゃなきゃ、得体の知れない危険な者がいるかもしれない場所に、子供を連れて来るわけがないか。) ユウヤは納得し、次の話題に移った。「討伐は、明日からでも良いですか?」「ええ。問題ないです。この森は広大で殲滅は不可能なので、定期的に討伐を行ってくだされば助かります」
last updateLast Updated : 2025-07-10
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13話 獣人村での新生活と拠点の獲得

 ユウヤは、子供たちと少しだけ遊び、遊びが終わると子供たちは満足して帰っていった。家に入ると、アリアが楽しそうに掃除をしていた。鼻歌を歌うような軽やかな動きで、隅々まで綺麗にしている。「あ、悪い……。外で子供たちと遊んでた」 ユウヤが申し訳なさそうに言うと、アリアは笑顔で首を振った。その瞳は、新しい家への愛着でいっぱいだ。「ううん。大丈夫だよ。村の人と仲良くしなきゃだし。この家ね、色々と家具も揃ってるんだよ〜♪」 アリアは、新しい拠点にすっかり心を奪われているようだった。♢新居の夜と隠れた才能「ん?いやぁ……住めって言ってるのか?それで魔獣の討伐を依頼というかお願いする気なのか?良いんだけどさ……」 ユウヤは、長老のあまりにも気前の良い申し出に、思わず目を丸くした。 半信半疑といった表情でアリアの方へ視線を向けると――彼女はすでに目を輝かせ、嬉しそうにしていた。 俺と目が合うや否や、満面の笑みで何度も力強く頷いている。 ……なにをそんなに嬉しそうにしてるんだ?「どうしたの? 嬉しそうだけど??」 ユウヤが問いかけると、アリアは飛び跳ねそうな勢いで答えた。 その声には、隠しきれない喜びがはじけていた。「わたしたちの拠点だよぉっ♪ きょ・て・んっ♪」(あっ……それ、なんかカッコいい……!) その瞬間、ユウヤは思わず納得した。 冒険者には、いくつかのタイプがいる。 たとえば――旅をしながらダンジョンを巡り、宝を探す冒険者たちは、定住せずに宿や野営で夜を明かす。 一方で、村や町の討伐依頼を請け負ったり、護衛・警備の仕事を請け負ったりするタイプの冒険者は、 生活の拠点として家や本部を構えることが多い。 それでアリアは、あんなに目を輝かせていたのか。 “ふたりの拠点”――その響きが、特別に感じられたんだろうな。 納得だよ、うん。「それは
last updateLast Updated : 2025-07-11
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