転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

last update最終更新日 : 2025-12-09
作家:  みみっく完了
言語: Japanese
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概要

冒険

異世界ファンタジー

ラブコメ

若者

幼なじみ

年下

超能力

裏切り

転生

異世界に転生したユウヤは、ひそかに穏やかなスローライフを夢見ていました。しかし、その思惑とは裏腹に、彼に与えられたのは規格外のチート能力の数々。予期せぬ困難も、その圧倒的な力で瞬く間に解決していきます。これは、最強の力を持ちながらも、愛する者たちとささやかな幸せを追い求める、ちょっぴり騒がしくも心温まるスローライフ物語です。

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第1話

1話 転生先はスローライフ希望の世界

Lila's POV

I had gotten half way around tying my cloak when I heard the knock.

Not a polite knock. Not even a firm one.

It was a violent affair, the sound of fist hitting wood, and so loud that it shook the walls of the little house I occupied at the fringe of the pack grounds. My hands froze at my collar. My heart started racing at once.

No one ever came here.

I made myself complete tying the cloak, though I was shaky in my fingers. Today mattered. I had planned it carefully. I had quite a morning off chores, shared the work with another servant and picked the flowers myself. They were plain white, no more, though my mother had fancied them.

I made a step towards the door.

It exploded and I was not able to get it.

The door banged against the wall to the extent of the hinges screaming. Four royal guards broke inside, armed feet making tracks of dirt on my floor. Their weapons were already in their hands.

“What--“ I began, but hardly uttered it.

“You are going with us by order of Alpha Darren Ashwood,” one of them said.

I took a step back. "I haven't done anything."

They didn't answer.

Two of them grabbed my arms. They pulled me by the flesh and their fingers tore deep holes on my body. The flowers dropped out of my hands, and lay on the floor.

Wait, I said, with my voice beginning to get panicky. "Please, I just need a moment. I'm going to my parents' graves. Just let me--"

One of them kicked me to such an extent that I fell. "You don't get to make requests."

I turned, to struggle to release myself, but to no avail. I was forcibly taken out of my house and into the open air. The neighbors were watching them with their faces carefully blanked. No one stepped forward. No one spoke.

They never did.

The stroll to the palace seemed to be more than normal. My legs felt like they hardly touched the ground , as the guards eeeee dragging me half along the way. My thoughts raced. Was it that Darren no longer found me useful as a servant? Somebody had accused me of something? Did I speak out of the turn without knowing?

My chest was tight by the time we got to the gates of the palace.

They did not bring me to the servant halls or lower chambers. They brought me directly to the throne room.

That was when I realized that something had gone awry.

The guards pushed me and sent me away so abruptly that I almost fell. I was in time and only straightened myself facing the raised platform.

My brother was seated on the Alpha throne.

Darren Ashwood sat back, as though it was his possession--because it was. One of his arms was carelessly protruded on the armrest, and his face was bored, almost amused. He was not like the boy who used to follow our parents. Power had settled upon him like a second skin, and made his features sterner and his eyes harder.

"Leave us," he said.

The guards bowed and left without saying anything.

Silence filled the room.

I stood up with hands clasped together, and my heart racing. "Why am I here?"

Darren threw his head back and looked at me as though I was a nasty thing he had discovered under a foot. "No greeting for your Alpha?"

"You're my brother," I said. "And I asked you a question."

His lips twitched. "Still stubborn. Even after everything."

"What do you want?" I asked again.

He leaned forward this time. "I've made a deal."

I frowned. "A deal?"

"Yes." He got up, and took the steps gradually. "A necessary one. For the good of the pack.”

A coldness came to rest in my stomach. What the hell has that got to do with me?

He paused before me and was near enough for me to smell the wine in his breath.

I was not sure, momentarily. "What?"

"I took a loan," he said calmly. "From two kings. Powerful men. Rich men. Daniel and Marcus Blackmoor."

My breath caught. Everyone knew those names. The two Alpha kings whose territory was on three sides.

"No," I said immediately. "No. Whatever this is, I won't do it."

Darren's smile widened. “You do not even know the terms yet.”

"I don't need to," I snapped. "I know their reputation. I do not wish to get involved in whatever it is you are trying to do."

He crossed his arms. "You don't have a choice."

“You can never do this,” I said, and my voice was high. "I'm not property."

He laughed. "That's where you're wrong. You're exactly that."

My nails dug into my palms. "I won't do it. Find something else. Sell land. Raise taxes. Anything. But don’t take a loan and expect me to play along."

“You make the easiest solution,” he said, and that is all. “You will be taken to them, a breeder. Until I repay the loan you will supply them with healthy male pups. Five years."

I shook my head. "You're condemning me to death."

“You live,” he said, if you succeed. “If not, they'll kill you. And if I fail to repay them? They keep you."

“No,” I said, my voice was trembling. "I refuse."

His expression hardened. "Careful."

“I will not,” I said the second time, more loudly. “I will not go to monsters because you are unable to control yourself and you spent the pack’s money! I did not get a single dime. Why don’t you go to them and be a breeder, after all you act like a bitch.”

That was when he hit me.

The strike was so sudden that I barely noticed it. The pain burst through my face and I fell on the floor with my vision becoming blurred. I tasted blood.

“You will watch your mouth,” Darren coldly said.

I scrambled up on weakly-set legs. "I won't go."

A moment I thought he was going to strike me again. Rather he drew himself straight and turned away.

“Take her to the dungeon,” he said. “First thing tomorrow morning, the council would be summoned. We have a witch in our midst.”

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1話 転生先はスローライフ希望の世界
 俺は、前世の記憶を持ったまま転生した。前世――地球と呼ばれる世界で、20代になったばかりの頃、俺は会社で猛烈に働いていた。深夜まで残業をこなし、誰よりも早く出社しては翌日の準備や、後輩への仕事の割り振りに頭を使う。その努力が認められ、チームリーダーにも昇進し、仕事も面倒だった人間関係も順調だった――あの瞬間までは。 一瞬の油断。交通事故に巻き込まれ、俺の命はあっけなく終わった。  ……頑張って生きてきたご褒美だったのか、それとも、ただの巡り合わせか。理由は分からないが――俺は、新たな世界へ転生を果たしていた。 転生先は、魔法が存在し、魔物が闊歩する異世界。しかも俺には、珍しいスキルが備わっているらしかった。並外れた魔力量と、その扱いに天性の才能がある。魔法の覚えも異常に早く、大抵は見ればすぐにその本質を掴み、イメージするだけで使える。知らない魔法も前世の記憶から引き出し、この世界の理に則らずとも発動できるのだから、我ながら恐ろしいほどだ。 前世であれほど必死に働きながらも、死は理不尽で突然だった。だからこそ今度こそ、与えられたこの希少なスキルと魔法を思う存分活かして、最初から“スローライフでのんびりと人生を過ごしたい!”と、強く願った。  生まれた家は平民で、裕福ではないが貧しくもない、ごく普通の家庭だった。自由に遊んでいても文句を言われることのない程度の暮らし――それが、正直ありがたかった。 俺が望んでいるのは、豪勢な暮らしでも、莫大な富でもない。少しだけ働いて、趣味の時間を多めに取り、それなりに不自由のない生活ができれば――それで充分だ。 ♢幼馴染との日常 月日は流れ、この世界にもすっかり慣れてすくすくと育った俺は、毎日幼馴染の友人と仲良く遊び歩いていた。「ユウヤ、魔物の観察に行こうぜ〜!」「襲われるから危ないって!」「それは知ってるって!だからユウヤを誘ってるんだろー!」 毎回、こうして強引に誘われるんだ。危ないって言っているのに、全く聞いてくれない。一体何が楽しいんだろう?「毎回不思議に思ってたんだけど、なんで魔物とか魔獣の観察なんだ?何が楽しいんだ?」 シャルロットは小さく首を傾げて、驚いたような表情で俺の顔をじっと見つめてきた。……逆に、俺のほうがその反応に驚くんだけど。 シャルのその顔――たぶん、自分が「面白い!」と思っ
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2話 初めての危機
♢予想外のダンジョン落ち 色々な場所で遊び、時には魔物との戦闘も交えながら冒険を続けているうちに月日は流れ、俺もシャルも13歳になっていた。シャルは、ついに本物の剣を扱えるようになっていた。「ねぇ〜。最近、低級の魔物とか魔獣の討伐、余裕だよね?」「毎日、飽きずに森に通って討伐もしてるし、俺たちも少しは強くなったんじゃないかな」 シャルが本物の剣を扱うのに多少慣れてきたので、父親からも普段から帯剣して良いと許可が下りたらしい。それからは毎日、飽きずに森へ通って低級の魔物や魔獣を倒していた。「だよね、だよね〜。今日は、少し違う所に行ってみない?」 シャルは、目を輝かせながら新しい場所への探索をしたいらしい。「はぁ?ダメだって。まだ危ないって言ってるだろ」 ユウヤは、シャルの無謀な提案に釘を刺した。シャルが一度言い出すと、人の言うことを全く聞かないんだよな……本当に面倒だ。「大丈夫でしょ。危なくなったら、ユウヤの転移があるしさ」 シャルは、ユウヤのスキルを頼りに、強気に迫る。「はぁ〜?危なくなったら、すぐに帰るからな」 ユウヤは、仕方なく折れることにした。「分かってるってば!」 最近では低級の魔物や魔獣を倒せるようになっていたので、二人で調子に乗ってしまっていた。普段は近づかなかったダンジョンの近くまで来てしまっていたのだ。「この辺に現れる魔獣は楽勝だね!」「まあ〜低級っぽいしね。でも、この先はダンジョンがあるから中級の魔物や魔獣も現れるようになると思うよ」「中級か〜楽しみかも!」 ダンジョンの中は危険だとお互いに理解していたので、中には入らず、ダンジョンの近くをうろついていた。すると、突然シャルが視界から消えた。地底に落ちるようなシャルの叫び声が、地面の下から聞こえ、遠ざかっていく。慌ててシャルの気配に、無詠唱でバリアを張り、衝撃に備えた。「キャァーーー!!!」「シャルー!!」 ドカンッ!と、何かが着地したような音が鳴り響き、ライトの魔法で地底を照らすと、シャルの周りにウジャウジャと魔物や魔獣が大量にうごめいていた。低級の魔物たちがシャルを取り囲み、その中に中級や上級の個体も混じっている。バリアが耐えきれそうにない。「シャルー大丈夫かー!?」「キャァーーー!」 シャルは悲鳴を上げ、そのまま気絶したようで声が聞こえなくなり、
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3話 新パーティの結成
♢新しい出会いと予期せぬ仲間 翌日から、シャルが遊び、いや、冒険の誘いに来なくなった。 恥ずかしがってる……のか? それとも嫌われた……? いや、もしかして俺のレベルに気づいたとか――魔物の大量討伐がバレたとか……? はぁ……。 まあ、友達はシャルだけじゃないし、別にいいけどさ。 ……でも、シャルより仲のいい友達なんて、他にいないんだよな。 仕方なく村をぶらついていると、ふと視界の先に見覚えのある姿が入った。 家の前の道端に、一つ年下のアリアがぽつんと座り込んでいた。 手にした木の枝で、地面に何かを描いている。 小さく丸まった背中が、どこか寂しげで――まるで声をかけるのもためらわれるほどに。「アリア〜、暇そうだな?」 ユウヤが声をかけると、アリアは顔を輝かせた。「あぁ〜! ユウくんっ! わぁ〜いっ!」 駆け寄ってきて、抱きついてくるのが可愛い。アリアは魔法の覚えが良く、魔力量も多くて頭が良い。そのせいで、同じくらいの年の友達からは避けられていることが多く、一人でいることが多かったのだ。「ね〜ユウくん。一緒に遊ぼう?」「良いぞ〜」 シャルが誘いに来ない時は、アリアと遊ぶことが多く、すっかり懐かれている。いつも一緒に遊んでいると甘えてくるんだ。俺も、そんな甘えてくるアリアが可愛くて好きだ。それに、俺が魔法のレベルを合わせているのが、魔法の得意なアリアだ。大体の魔法の強さを参考に、俺の出力の基準を合わせている。 それにアリアは、魔法攻撃、防御、支援、回復と珍しく何でも使えて、低級から中級レベルの魔法を使いこなせる。周りの大人から一目置かれているせいか、友達から距離を置かれているんだ。優秀すぎるとこうなっちゃうんだな。「今日は、何をする?」「ん〜何でも良いよー。ユウくんに任せる〜」「アリアは魔法が得意だし、森に行って魔獣の討伐をしないか?」 ユウヤが提案すると、アリアは少し考えてから答えた。「……良いけど。森の奥までは行かないよ〜?」 うわぁ。なんだろう……。この安心できる感じ、新鮮で落ち着くな。いつもは、それが俺が言うセリフだし。「分かってるって。アリアとは初めて組むしな〜」 アリアとは、村の中にある広場か空き地で遊ぶのがほとんどで、討伐というか森に入るのは今回が初めてだ。だから、お互いの実力はまだ知らない。「うん」「お互いの
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4話 冒険者登録をした
♢無詠唱の力と新たな一歩 前衛は、詠唱時間を稼ぐための存在とも言われている。そのため、体力、防御力、そして敵を攻撃したり身動きを取れなくしたりするための押さえつける力が必要だ。前衛は最強のイメージがあるが、前衛だけのパーティは珍しく、中級レベルの魔物討伐がせいぜい一般的だ。前衛は支援魔法が無ければ、魔物や魔獣のランクが上がってくると、剣が通用しなくなってしまう。 魔術師の方は通常、低級の魔物討伐止まりだ。中級レベルの魔物相手に、逃げ回りながら詠唱ができるわけがない。魔術師が中級の魔物相手を押さえつけ、詠唱できるわけがないのだ。 だけど、俺たちは無詠唱なので、前衛は不要っぽいな。こっそりと転移をして人がいない場所で、上級魔法を無詠唱で放てるか実験したことがあって、成功しているし。 初パーティでの魔物討伐は、アリアの無詠唱を知ることができたし、何よりアリアとパーティを組めて嬉しかったので大成功だった。  ♢ギルド登録とシャルの再登場翌日……「ユウくん。さっきね〜魔物の討伐を友達に誘われちゃった。でも〜ユウくんとパーティを組むことにしたって言って、断っちゃった〜♪」 嬉しそうに笑顔で話してきて、褒めて欲しそうな感じでニコニコして見つめてくる。「アリアは、やっぱり人気があるんだな」 そんなアリアの頭を撫でて褒めてやり、パーティに入ってくれたことに感謝した。「そんなことないよ〜。多分ね、魔術師がいなくて仕方なくじゃないかな〜」 「他のパーティに行くなよ?」 「大丈夫だよ。えへへ……♪ わたしはユウくんと! って決めたしぃ」 アリアとパーティを組んでみて、何の不都合もなく楽しく魔獣や魔物の討伐練習ができた。だいぶ自信をつけたので、アリアの勧めもあって冒険者ギルドへ登録しに行くことにした。 ちょっと不安に思っていたけど……魔力測定やレベル測定を警戒していたが、そんなものはなかった。 この世界は、依頼を達成するとポイントが入る仕組みらしく、強さやレベルでランクが決まるのではなく、依頼達成の実績でランク
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5話 シャルの思い
♢変わってしまった関係 思い出したように怯えた表情で話してきたシャルは、話し終わる頃には表情を変え、顔を赤くさせていた。 まあ……あれは、怖かったと思うけど。シャルは俺たちをパーティだと思っていたのに、何の相談もなしなのか? 会いに来ないばかりか、他の男子と仲良く遊んでいて、今更「やり直そう」って言われても無理だろ。「冒険者になりたいなら、他の男子とパーティ組めば良いじゃん。仲良さそうだったろ。俺はアリアとパーティを組んでるし」 ユウヤが突き放すように言うと、シャルは泣きそうな顔で訴えた。「うん……知ってるよ。私も一緒に……。私は、前衛だしさ……力になれるよ。絶対!」 残念だけど、前衛は必要ないんだよな……むしろ、入られると動きにくくなると思う。 シャルが加わるとなると、支援魔法に回復魔法、それに援護魔法まで必要になるだろ? でも今のところ、アリアと一緒に魔物討伐してて、支援も回復も一度も使ったことがない。 それどころか、攻撃を受けたことさえ一度もない――そういう意味では、かなり優秀なパーティなんだ。 まあ、まだ低級の魔物ばかりだけどさ。「必要ないって。他で頑張ってよ……。一緒に遊んでた男子も、冒険者を目指してるんだろ?」 ユウヤは、シャルの目をまっすぐ見て言った。「え? そんなぁ……。別に、あの友達は暇つぶしで遊んでただけで……。ユウくんみたいに仲は良くないよ。一緒のパーティになろうとも思わないし……そこまで信頼はできないしさぁ」 シャルは、必死に弁解した。「いきなり何も言わずに消えたと思ったら、他の男子と仲良く遊んでるし。俺が上手くいきだしたら、やっぱり一緒にって無理だって。友達としては良いけどな。まあ……来年には、この村を出ていくけどね」 ユウヤがそう告げると、シャルは顔色を変えた。
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6話 初の常時依頼を行った
♢新たな冒険のはじまり「いつもの場所だと、シャルが探しに来るかもしれないし……せっかく冒険者になって初の仕事だし、邪魔されたくない」 そう心の中でつぶやきながら、俺は隣に立つアリアに、新しい目的地を提案した。「俺は何度かそこに行ってみたけど、人はいないから気にせずに魔法が使えるし。目当ての薬草も手つかずでいっぱいあったよ」 アリアは、少し迷ったような顔で「うぅ〜ん……ユウくんが、そう言うなら……行ってみようかなぁ……」と、小さな声で言った。視線はゆらゆらと揺れ、何かを考え込んでいるようだった。(あれ……俺、無茶なこと言ってるかも? 大丈夫だよな? 無茶じゃないよな?)アリアの困っているような表情を見て、俺は少し心配になった。でも、ちゃんと下見もして安全の確認、薬草の種類まで調べたしな。「危険だと思ったらすぐに帰ってこような。アリアも危険だと思ったら声をかけてな」俺が念を押すと、アリアはほっとしたように、小さく「うん。わかったぁ」と、こくりと頷いた。 普通は歩いて、徐々に行動範囲を広げつつ色々な情報を集めていくんだけど、そんなことをしていたら、自分たちの情報を隠しておけなくなるし、周囲に気を使って窮屈だ。だから俺たちは転移魔法で、目的地まで一気に移動した。 視界が開けた瞬間、アリアの瞳がきらきらと輝いた。「わぁ〜ホントだぁ〜! 薬草がいっぱいっ♪」目の前に広がる薬草の群生地に、アリアは興奮を隠しきれない様子で、思わず一歩踏み出した。「そうそう……これ使ってよ」 レベルの急上昇に伴って、俺はさまざまなスキルを次々と習得していった。 中でも特に便利だったのが、《異空間魔法》だ。 この魔法を応用し、魔石に空間属性の付与を施して、自作のバッグを制作してみた。 魔石は装飾品のようにバッグの表面にあしらい、見た目も華やか――異空間型の魔道具だ。 その内部は、討伐した猛獣すら楽に収められるほどの膨大な収納容量を持っている。
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7話 アリアの優しさと異空間バッグ
 そんなことを考えていると、アリアがバッグをそっと愛おしそうに胸元に抱きしめた。「……このバッグ、夜遅くまで作業してたんだね……だから寝坊してたんだ……」 そして、ほんの小さな声で、照れるようにぽつりとつぶやいた。「ふふ……ありがとぉ、ユウくん♪」 その頬はうっすら赤く染まり、どこか嬉しそうで―― ほんの少し、目の奥が潤んでいるようにも見えた。 ……まあ、夜に作っていたのは事実だけど。 実際の作業時間は、魔石のセットと魔法の付与だけで、たった15分くらいだった。 とはいえ、本来このタイプのバッグは―― 魔石を加工する職人、装飾を施す職人、魔法を付与する魔術師や付与師など、 数日がかりで複数の熟練者が関わる、かなり大掛かりな魔道具らしい。 だから、アリアがそう思うのも無理はない。「面倒かもしれないけど……売りに行くときは、元のバッグに詰め替えてくれる?」 俺がそう伝えると、アリアはこくりと頷いた。「うん。わかったぁ♪」「バッグに入り切らなくても、異空間バッグに入れてれば劣化はしないから、小分けにして売りに行けるよ」「すご〜い♪ 便利だね〜」アリアは、嬉しそうに目を輝かせ、早速バッグに摘んだ薬草を慎重に入れていた。♢討伐とアリアの優しさ「俺はアリアの後ろにいるから、薬草採集に集中してていいよ」ユウヤは、薬草採集に集中するよう促した。 アリアは、少し驚いたように首を傾げた。「え? ユウくんは、魔物とか魔獣の討伐をするんじゃないの?」その小さな瞳が、俺の顔を見上げた。「するけど……薬草を採集してる時に襲われることが多いらしいぞ」俺が答えると、アリアは自信ありげに胸を張り、「わたしも戦えるし、大丈夫だよぉ?」と可愛らしく言った。「良いから薬草を採りなよ」俺は、少し強引に言い聞かせた。 するとアリアは
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8話 無自覚な優しさと新たな出会い
♢無自覚な優しさと新たな出会い「アリアもすごいだろ。無詠唱だしさぁー」 そう言う俺に、アリアは少し困ったように返した。その瞳には、穏やかな光が宿っていた。「え? あぁ……うん? ユウくんも、同じのを使えるじゃない♪」 詳しく聞きたかったけれど、俺も隠し事をしているのでアリアが深く聞いてこないし、俺も聞くのをやめておいた。俺も色々と聞かれたくなかったからだ。「まあなあ〜。そろそろ……昼食の準備をするかぁ〜」「そうだねっ」アリアはにこっと笑い、軽やかに頷いた。 俺が倒した獣の肉の解体をしていると、二人でお金を出し合って買ってきた野菜を、アリアが手際よく下準備してくれた。アリアが調理してくれるので、俺は倒した獣の解体の続きをしていた。 猛獣は種類によって売れる部位が異なるが、たいていは牙、爪、毛皮が基本だ。ほかにも薬の材料になる内臓もあるらしいが……俺はそこまで詳しくない。もったいないとは思いつつも、内臓はすべて転移魔法で処分し、地中に埋めておいた。「次からは、この肉は売って野菜を買うお金と、自分たちが食べる分として取っておこうか?」 ユウヤがそう提案すると、アリアは少し心配そうな表情を浮かべて、俺の顔をそっと覗き込んできた。「……いいの? ユウくんが倒したんだし、それってユウくんのお小遣いになるはずじゃないの?」 別に、俺が欲しい物っていっても、たいていのものはスキルでどうにかなるし、 お金を出してまで手に入れたいものは、正直あまり思いつかない。 せいぜい――食材とか、甘いデザートくらいだろうか。 でもそれだって、パーティ資金として肉を売った分で十分まかなえる。 それに、魔石を売って得た報酬もかなりの額がある。 ……正直、お小遣いはもう充分すぎるほど持っている。「お小遣いには困ってないし、俺は大丈夫かな。……アリアが倒した猛獣は、アリアのお小遣いでいいぞ?」「えぇ
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9話 周りを取り囲まれていた!
 あとは……付与だな。とりあえず、【強度上昇】【切れ味上昇】【耐久性上昇】【防汚効果】【洗浄効果】……このあたりを加えてみるか。 そうして付与スキルを使うと、完成したナイフは淡く輝く異様なオーラを放ち始めた。普段なら、刃こぼれや汚れが気になって実演なんか絶対にしないが――試しに一本、枝を拾って切ってみる。その枝に軽く刃を当てた瞬間、まるで豆腐をなぞったかのように、何の抵抗もなく「スッ……」と切れた。 ……これ、下手すると元のナイフとは別物になったかもしれない。 な、なんだこれ……! すごっ! 太い枝も豆腐みたいだなっ! ……あ! でも……これは、やり過ぎだよな……? まな板まで軽く切れちゃう。切れ味を調整して出来上がりかな。「アリア、アリア〜! えへへ……これ使ってみて?」 ユウヤが嬉しそうに手渡したナイフを、アリアもまた笑顔で受け取った。受け取るやいなや、手元にあった余った野菜をさっそく試し切りする。「わ、わわわっ!? なにこれ……!? なにも切っている感じがしない……おもしろ〜いっ! これ、売ったら――……ううん、なんでもないや。すごいね〜♪」 アリアは興奮したようにナイフをくるくる回し、ちらっと俺の顔を見たあと、少しだけ頬を染めて笑った。やっぱり……アリアは、いろいろと考えて気を使ってくれてるんだな。「アリアのナイフと、交換する?」 ユウヤが提案すると、アリアは戸惑った様子を見せた。その小さな眉が、困ったように下がっていた。「え? ……えっと、わたしのナイフ……刃がボロボロなんだけど……本当に、交換していいの?」 俺に交換と言われて、気まずそ
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10話 獣人族との遭遇と意外な依頼
♢獣人族との接触と意外な依頼「なあ……どうしよう? 話してみる?」 俺がアリアに、小声で尋ねた。目の前には、警戒しながらも様子を窺う獣人族の集団。その中には、小さな子供の姿も見える。 アリアは少し考えて、慎重な口調で答えた。その視線は、群れの奥にいる子供たちへと向けられている。「え? うぅ~ん……ちっちゃな子もいるし、戦闘って感じじゃなさそうだし……話してみても良いよ?」 その言葉に、俺は軽く頷いた。「敵意を感じたら、すぐに転移をするからな」「はぁーいっ」 ミーシャは、俺を信じているのか、にこっと笑って明るく返事をする。 ぱたぱたと駆け寄ってくると、俺の袖をきゅっと掴んできた。 ――緊張感が少しだけ和らぐ。 それでも気を引き締めながら、自分たちにバリアを展開し、周囲に張っていた結界を慎重に解除していく。 そして、ゆっくりと茂みを抜け、目の前にいる獣人たちへと歩みを進めた。「そう言えばさ、今更なんだけど……獣人と話し通じるのかな……?」 歩きながら、俺はふと疑問に思ったことを口にした。アリアがどんな反応をするか、そっと横目で窺う。「え? わたしも分からないよ〜どうしよ??」 アリアでも知らないか……。言葉が通じなかったらジェスチャーか?俺たちが歩いて向かうと、獣人たちの中から代表者らしき、獣人の長老のような村長を先頭に、3人を従え近づいてきた。そして、長老が先に話しかけてきた。「これは、驚いた。人間の方ですか……?」(おっ!言葉が分かるぞ。それに敵対心もなさそうだな……良かった。) 俺は内心で安堵し、尋ねた。「どうしたのですか?大勢で集まっているみたいですが……」「ええ。それが我々の住む森に結界を張ってあったのですが
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