東京に戻り仕事が終わると、私は健診のために久しぶりに一人で外に出た。電車で二駅乗って、南口から歩いてすぐクリニックに到着した。 いつものように診察券を出すと【112】と印刷された番号札を貰ってから先に検査室へ行き採血と尿検査をして空いていた椅子に座った。すると、すぐに番号が出たので移動して中待合室のソファに座る。 現在妊娠五ヶ月、十六週目だ。お腹が膨らんできて見た目でも赤ちゃんがいるのだとわかるくらいになって、クリニックで待っていても違和感がないのではないかと思っている。今までは悪阻で待合室にいるのがつらかったのだけど、悪阻が落ち着いたからかこんな穏やかに待合室で待っているのは初めてだ。 四十分ほど待つと、モニターに番号とアナウンスで呼ばれて診察室に入る。「こんにちわ、望月さん。どうぞ座って」 私が座れば先生は「まずは検査結果からね」と言い、検査結果の紙を印刷した。「安定してますね、どうですか安定期に入りましたが悪阻の方は」「はい。体調は何とか大丈夫です、仕事は一時間に一度休ませてもらっています。それに同僚に助けてもらいながら無理のない業務にしてもらっているので仕事も何とかできています」「そう。それは良かったわ、理解のある職場で良かったわ……じゃあ、エコーを見てみましょうか。ベッドに横になろうね」 先生がそう言うと看護師さんがタオルケットをベッドに新しく引いた上に仰向けになる。すると、ゼリーを腹部に塗られる。それがとても冷たくてビクッとするがすぐに超音波を発信する機械を滑らすように当てられた。 今回は赤ちゃんの育ち具合を見るために頭の左右幅やお腹周りの長さ、太腿の骨の長さなどを測っていて先生が赤ちゃんの頭とかを探すのが早くて画面をじっくり見る。「赤ちゃん正常だから大丈夫よ。望月さんも今回は体重が戻ってきてるね、良かった」「はい。悪阻が治ったら急に食欲が出てきて、食べ過ぎには気をつけているんですけど」「良かった。もう性別わかるんだけど、知りたいですか?」「性別は、今のところは生まれてからの楽しみにしたいです」 先生は「わかったわ。またの検診の時にでも」と言ってエコー写真を渡してくれた。「じゃあ、今日は終わりです。次の検診の日はどうしようか。希望はある?」「えっと、日にちは今回と同じで大丈夫です」「わかった。じゃあ会計の時に予約票
Last Updated : 2025-08-13 Read more