ここから数か月間、私は一つの街に七日間だけ滞在して、すぐに次の街へと移動する暮らしを続けた。 クラウドの連絡はいつも一歩遅く、いつも私と行き違いになる。 けれどセオドだけは、毎回正確に私の次の行き先を突き止めてしまう。 そんな彼の存在にも、私はだんだん慣れていった。 そのうち、私の方から次に行きたい街のことをセオドに話すようになり、一緒に計画まで立てるようになった。 その間もクラウドは執拗に番号を変えて電話をかけてきて、私はうんざりしていた。ある日、仕方なく一本だけ出てみた。 電話越しのクラウドは心底驚いた様子だった。 「やっと電話出てくれた!話を……」 私は冷たく遮った。 「もう話すことなんてないわ。裁判所からの呼び出し状、もう届いてるはず。できるだけ早く離婚の手続きを済ませましょう」 クラウドの声は震えていた。 「離婚だけはやめよう、全部俺のせいだ」 「だから?私の二人の子供を生き返らせられる?マペルと寝た事実をなかったことにできる? 離婚以外、もう私に関わらないで。汚らわしい」 そう言って私は電話を切った。 顔を上げると、セオドがすぐそばに立っていた。 彼は何も聞いてないふりをしながら、手に取った一粒の手作りチョコを差し出す。 「ここのチョコ、有名なんだ。食べてみる?」 私はため息をついて、この話題を避けるのはやめた。 「セオド……私とクラウドのこと、もうネットで大騒ぎになってる。あなたも知ってるんでしょ。 私はもう若くないし、結婚歴もある。あなたは独身で、他にもっとたくさんの選択肢がある。私より若くてきれいな人なんて、いくらでも」 セオドは私の口に無理やりチョコを押し込み、そのほろ苦く濃厚な味が舌先へ広がった。 「でも、その中に君はいない。昔のことは全部もう過去だ。俺が結婚しなかったのは、好きな人が既に結婚していたからだよ。 でも素晴らしいことに、その好きな人が離婚したから、俺にはまた彼女を追うチャンスができたんだ」 胸の一番柔らかな場所に触れられ、鼻の奥がツンとした。 「アンジェリーナ……俺にチャンスをくれないか?」 私は揺れる気持ちを抱えつつ、どうしても先に確かめたいことがあった。 「その前に答えて。どうして私の次の行き先が分かるの?」
Baca selengkapnya