月明かりが静まり返った寝室を青白く照らす深夜二時、寝室のドアが開く音が聞こえた。寝たふりをしていた私の背中に、硬く熱い胸板が押し付けられる。「……起きてるんだろ」住吉グループの次期後継者であり、夫でもある住吉奏多は、私の耳元で小さく囁いて返事も待たず、大きな手で私の腰を引き寄せた。口元から漂うウイスキーの香りとガウン越しに伝わる体温の熱さに心臓が跳ねる。奏多の手は迷いなくガウンの隙間に滑り込み、指先は繊細な動きで私の身体の曲線をなぞっていく。後ろから首筋に落とされる熱くて深い吸い付くようなキス。その感触に身体が震えた。「あ、んっ……奏多……」その声に、奏多は私の髪を乱暴にかき分け、剥き出しになった胸に何度も指ではじいて弄ぶ。熱に浮かされたような声が漏れると、奏多は私の耳たぶを甘く噛み、吐息を吹きかけた。「もう感じたのか?いやらしい女だな」意地悪な言葉で罵られているというのに、奏多に触れられているという事実だけで、私の内側は愛おしさで疼いてしまう。奏多の指が私の身体の奥深くに侵入し、容赦なく快楽の渦へと引きずり込んでいく。奏多は、自分のガウンを床に脱ぎ捨てると私の中へと入ってきた。激しく求められるたび、私は奏多を拒絶することができず、むしろその腕の中にしがみついてしまう。汗ばんだ肌が密着し、吐息が重なり合う。この瞬間だけは、彼が私を見ているのだと感じることが出来た。(もっと、もっと私を見て――――――)愛を乞うように奏多の首に腕を回すと、奏多は鼻で笑い、動きをはやめて私の身体を支配していった。――――翌朝、着替えを終えて家を出ようとする奏多はリビングに立ち寄ると分厚い封筒を手渡してきた。「……これは、何ですか?」私が尋ねると、奏多は視線すら合わせずに冷たく言い放った。「昨日の『奉仕』への報酬だ。お前のような女には、言葉よりも金の方が分かりやすいだろ。岡田家への仕送りもしておいた」心臓をナイフで抉られたような衝撃が走る。彼にとって私は身体を売る女と同じ、あるいはそれ以下の存在なのだ。「報酬だなんて……私はあなたの妻として……」「妻? 笑わせるな」奏多が立ち上がって私に歩み寄る。彼の鋭い瞳が私を射抜いた。「二年前、あのホテルでお前が仕組んだスキャンダル。俺はそのせいで、麗華との未来を奪われた。お前がその薄汚い身体で俺の隣を勝ち取った
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