好野家には僧侶の妻コミュニティが発達している。 スマホのlineでもグループチャットが発達している。 誰の妻が妊娠しただの、誰の子供がどうしただのとけっこうな盛り上がりをみせる。 その頂点にいるのがもちろん、飛鳥だ。 年齢的なこともあるが、みんなのお義母さんにあたる。『今度グループに入るアヤメちゃんよ。コウタの奥さん。よろしくね』『好野アヤメと申します。皆様に迷惑をかけないように参加させていただきたいと思います。よろしくお願いします!』『やだ、カワイイ!私は長男のマサルさんの妻よ。よろしくね!』『アヤメちゃんは実物も可愛いのよ、実家に来れば会えるわよ?』『あら残念。なかなかマサルさんが離してくれないのよ。独占欲ってやつかしら?』『それはそれで、嬉しいものでしょう?』『そうなんですけど(*ノωノ)』『私は次男のカケルさんの妻。現在妊娠中で~す!』『え~!初めて知ったわよ?』『お義母さんにも行ってなくてごめんなさい。確定してなくて…。さっき病院から帰ってきて確定したばかりなんです』『アラ、ほやほやのニュースなのね?』「飛鳥~、社交ダンスに行く時間だぞ!」 俺が声をかけると慌ててスマホを操作する。『ごめんなさいm(__)m。主人から呼ばれちゃった。中座するわね。後はみんなで楽しんで頂戴!』 怪しい。 俺が声をかけていきなり慌ててスマホを操作……。「なぁ、スマホで何をしてたんだ?」「他愛もない世間話よ。あ、そうそう。カケルのところ、また妊娠したみたいよ?」「あいつは何人子供を作る気なんだ?」「孫は可愛いじゃない?」「そうだけど、ものには限度というものがあるだろう?家族計画なしだな。6人目くらいか?」「正解!」「孫の名前覚えられないじゃないか!こっちは檀家さんの名前も覚えなきゃなんないってのに」「カケルは自分の子供の名前は覚えてるでしょうね」 社交ダンスで踊りながら、妖艶な飛鳥を見ながら半ば脅しのように飛鳥に聞いた。「スマホで一体何をしているんだ?答え次第では、今夜また子供を作るぞ?」「はぁ。どういう脅しなのよ!」 言われながら、俺は飛鳥にその社交ダンス用のピンヒールで足を踏まれた。超痛い。「あれはねえ。‘好野家の妻’ってlineのグループチャットをしてたのよ。今日はアヤメちゃんが初lineに参加だったの。
Last Updated : 2025-10-18 Read more