「まだ司が見つからないのか!こんなに人がいて何やってんだ!突っ立ってないで川に入れよ!」静真は救助隊員に怒鳴り散らし、川の中のバスを指差した。「あのバスの運転手はどうなってんだ!対向車を弾き飛ばすなんて正気かよ!どこだ!飲酒運転じゃないだろうな!故意にやったんじゃないのか!」早坂秘書が慌てて静真を止めた。「運転手は心筋梗塞を起こしたんです。もう亡くなっています」静真は言葉を失った。「じゃあ司は完全にとばっちりかよ……ていうか、なんでお前は一緒じゃなかったんだ?」早坂秘書は清華を一瞥してから小声で言った。「社長は急いで雲上市に戻りたかったので、私に残務処理を任せて先に車で出たんです」静真は眉をひそめた。「結婚式の準備で急いでたのか」「はい」「じゃあ清華、あいつはお前のために……」静真が言い終わる前に、清華は救助隊長の元へ歩き出した。静真は唇を噛み、小声で呟いた。「あいつ、全然悲しんでないな。せいぜいビジネスパートナーとして残念がってるくらいだ」清華は隊長に、自身が雇った複数の民間救助隊と、近隣の村人に協力を要請したことを伝えた。今は一人でも多くの人手が必要だ。隊長は最新の状況を説明したが、決して楽観できるものではなかった。話している最中、遺体が引き上げられた。「30代男性、溺死です」清華の心臓が激しく跳ねた。隊長の後を追って確認しに行った。遠目に見えるスーツ姿、体格、髪型がよく似ていた……清華は足を速めたが、顔を確認した瞬間、力が抜けてその場に座り込んだ。違う。彼じゃない。だが、荒れ狂う川と大破した二台の車両を見て、悪い予感が頭をもたげた。体が震え、呼吸が荒くなる。その時、源蔵から電話がかかってきた。一度目は出る勇気がなかった。だがすぐにまたかかってきた……「お義父さん、今外にいます。何が用ですか?」清華の声を聞いて、源蔵は安堵のため息をついた。「午前中ずっと胸騒ぎがしてな。どうしたんだろうと思って」「お義父さん、お薬は飲み忘れずに召し上がりましたか?」「飲んだよ、飲んだ。もう忘れたりせんよ。またお前さんに叱られるのはご免だからな」数日前、源蔵が突然胸の痛みを訴えたため、慌てて病院へ連れて行ったところ、心臓病であることが判明した。しかも、彼は頻繁に薬を飲
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