Semua Bab 『ラブコメディ失調症』 ーマキナ医院・精神整形外科ー: Bab 21

21 Bab

『女神の完成を見たが故に』

 僕は目眩を起こす程に、激しく視界が点滅するのを感じて、脳内に強烈な一つの思考が張り付いた。 ……マイが“あの娘“の事を、知っている。 僕がマイの人格を、“あの娘“として塗り潰そうとしていた事を、全て知っている……。 その事実を認識してしまっただけで、僕の腹にぎゅうぎゅうと収めていた、黒くて汚い内臓は今にも飛び出しそうになっていた。 強烈な吐き気を抑えようと、両手で口を塞ぐ。 とにかく視点がズレて定まらないのは、動揺しているからという理由だけじゃ、ありえない。 僕の体の中の、その奥の奥に眠る、根本の芯の部分から、否が応でも震えて止まらないのだ。    マイは僕をじっとりと見ていた。  上から僕をしっかりと見下《みくだ》していた。 そのマイの視線が、容赦なく心に突き刺さる。 それが針や槍なんて幼稚な物で言うには、生ぬるくて仕方ないと感じるしかなかった。    それは、人を最果てまで追い詰める為に、鋭く斜めに刃を付け、研がれた、分厚い切先で。 触れただけで人の皮膚を簡単に引っ剥がす、極寒の霜に覆われた鉄骨のような厳しさだった。 そんなものを脳天から真っ直ぐに振り下ろされた後には、背骨の髄を撃ち抜いて、細く張り巡らせていた重要な神経の隅に至るまで、雷《いかずち》の如き高圧の電流を素早く流し、全ての感覚を死滅させた。 そうして、やっと知る。  ……僕は夢乃マイの事を誤解していたのだと。 薪無先生に言われた通り、僕は確かに驕っていた。 今までの僕は、マイの事を純粋無垢で何も考えていない存在として、”そういうもの”だと勝手に思い込んでいたのだろう。 もしくは、もっと酷い言い方をするのであれば、マイの事を、抽象的で概念的な“都合の良い人形“とでも、深層心理の中で不器用に積み上げていたとすら振り返り、感じる事ができた。 なので、僕は僕の意志でしかこの物事は進みようが無いのだと、いつからか錯覚し、誤解していたのだ。 たった今、その事実に気付かされたという絶大なショックが、体中を縦横無尽に飛び回りながら混沌として渦を巻いた。 ──だけれども。 そんな事は、僕が真っ向から咎められるべき責任よりも大幅にそれた、実に仕方がない出来事だとも、僕は脳内で冷徹に翻《ひるがえ》り、苛立ってもいた。 何故なら所詮、この話は、僕が主観
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-08
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