「――今日は、ありがとうございました」カフェを出てすぐに、僕は理沙さんに礼を言った。彼女に話したことで、心が軽くなった気がする。「どういたしまして。もし、また何かあったら言ってください。相談に乗りますので」と、彼女はにこやかに言った。僕は笑顔でうなずいた。友人はある程度いるけれど、この手の話はできないから、本当にありがたい。彼女と別れ、僕は真っ直ぐ帰宅した。日時が決まったら連絡するという彼女の言葉に、胸が躍る。「……そんなに会いたいなら、会いに行けっての」自嘲しながら、そんな事をつぶやく。でも、篝火には行けない。『行きたくない』ではなく、『行けない』のだ。相沢さんに会ってしまったら、胸の中に溜まるどす黒い感情をぶつけてしまうだろう。彼の仕事中であれ、関係なくだ。それが、僕は嫌だった。彼の仕事中の姿が好きだからこそ、邪魔はしたくない。「拗らせてるな……」ため息とともにつぶやく。会いたくない、触れたい、触れてほしい。でも、会いたくない。そんな想いが、堂々巡りのように脳内を駆け巡る。「相沢さん……」虚空に消える声音は、どこか甘えるような切ない響きに聞こえた。こんなに誰かに恋焦がれたのは、何年ぶりだろう。それも、追い縋る恋だなんて、もしかしたら初めてかもしれない。「――っ!」彼の事を考えていると、腹の奥がズクンと疼き始めてしまった。どうしてと思うより早く、僕は自身に直接触れる。「ふっ……あっ!」知らず知らずのうちに、彼の指使いを再現していたのだろう。思わず声が漏れてしまった。こうなってしまうと、欲望を抑えることができなくて。僕は、本能のまま自身をしごき、後ろの窄まりに指を入れる。(相沢、さん……相沢さん、相沢さん、相沢さん……!)彼の
Last Updated : 2026-04-22 Read more