All Chapters of プライベートレッスン~大人の恋愛講座~: Chapter 11 - Chapter 12

12 Chapters

第11話 覚悟の再会

「――今日は、ありがとうございました」カフェを出てすぐに、僕は理沙さんに礼を言った。彼女に話したことで、心が軽くなった気がする。「どういたしまして。もし、また何かあったら言ってください。相談に乗りますので」と、彼女はにこやかに言った。僕は笑顔でうなずいた。友人はある程度いるけれど、この手の話はできないから、本当にありがたい。彼女と別れ、僕は真っ直ぐ帰宅した。日時が決まったら連絡するという彼女の言葉に、胸が躍る。「……そんなに会いたいなら、会いに行けっての」自嘲しながら、そんな事をつぶやく。でも、篝火には行けない。『行きたくない』ではなく、『行けない』のだ。相沢さんに会ってしまったら、胸の中に溜まるどす黒い感情をぶつけてしまうだろう。彼の仕事中であれ、関係なくだ。それが、僕は嫌だった。彼の仕事中の姿が好きだからこそ、邪魔はしたくない。「拗らせてるな……」ため息とともにつぶやく。会いたくない、触れたい、触れてほしい。でも、会いたくない。そんな想いが、堂々巡りのように脳内を駆け巡る。「相沢さん……」虚空に消える声音は、どこか甘えるような切ない響きに聞こえた。こんなに誰かに恋焦がれたのは、何年ぶりだろう。それも、追い縋る恋だなんて、もしかしたら初めてかもしれない。「――っ!」彼の事を考えていると、腹の奥がズクンと疼き始めてしまった。どうしてと思うより早く、僕は自身に直接触れる。「ふっ……あっ!」知らず知らずのうちに、彼の指使いを再現していたのだろう。思わず声が漏れてしまった。こうなってしまうと、欲望を抑えることができなくて。僕は、本能のまま自身をしごき、後ろの窄まりに指を入れる。(相沢、さん……相沢さん、相沢さん、相沢さん……!)彼の
last updateLast Updated : 2026-04-22
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第12話 それぞれの想い

「で? 何を始めるって?」怒りが収まったのか、相沢さんが理沙さんにたずねた。「本音の語らいですよ。やる事やってるのに、ちゃんと話し合ってないみたいじゃないですか。だから、今日この場で、腹割って話せばいいんじゃないかなって」と、理沙さんが告げる。彼女が話している途中から、相沢さんの表情は曇り、南波さんは恥ずかしそうにはにかんでいる。「……どうして、それを?」静かに問いかける相沢さんの視線は、理沙さんに向けられているはずなのに、どこか虚空を見つめているようにも見えた。理沙さんは、少し困ったように僕を見る。僕は小さくうなずくと、「僕が、彼女に相談したんです」と、相沢さんの質問に答えた。「佳晴さんが……?」と、相沢さんと南波さんの視線が僕に注がれる。「あの時の、相沢さんの言葉の真意がわからなくて。でも、貴方に聞いたら、それ以上の事も言ってしまいそうだったから。それに、あのピアスの事も――」僕がそう言うと、相沢さんは気まずそうに視線をはずした。「ピアスって……?」南波さんが、きょとんとしながらたずねる。「数日前、相沢さんの寝室でピアスを見つけたんですよ。それも、ベッドサイドに置かれてた片方だけのピアスをね」僕は、感情を抑えながら告げる。そうでもしないと、嫉妬が溢れてしまいそうだった。「片方だけ……? それって、もしかして猫の肉球の形してませんでした?」たずねる南波さんに、僕はそうだとうなずいた。「そうだったんすね! いやー、ありがとうございます! 片方、失くしたと思ってたんすよ。この前、竜希さんから受け取ったんすけど、相馬さんが見つけてくれたんすね!」言いながら、南波さんは僕の手を取ってぶんぶんと上下に振る。「あ、いや……どういたしまして」予想外の反応に、
last updateLast Updated : 2026-04-29
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