それから六ヶ月が経った。 麗奈は、GSC日本代表としての最初の年を、目覚ましい成功で締めくくろうとしていた。新規クライアントは三十社を超え、チームは二倍の規模に拡大した。業界誌は彼女を「日本コンサルティング業界の新時代を切り開く女性リーダー」と評した。 しかし、麗奈にとって最も大きな変化は、仕事ではなく、心の中にあった。 高瀬亮介との関係は、静かに、しかし確実に深まっていった。週末のディナー、時折の旅行、そして何より、互いの仕事を尊重し合いながら過ごす穏やかな時間。 麗奈は、初めて「愛」というものを、恐れずに受け入れられるようになっていた。 五月のある週末、高瀬が麗奈を箱根に誘った。「少し、ゆっくり話したいことがあるんです」 彼の言葉には、いつもと違う真剣さがあった。 二人は、芦ノ湖を見下ろす高台のホテルに宿泊した。 夕暮れ時、高瀬が麗奈をテラスに誘った。 眼下には、夕陽に照らされた芦ノ湖が広がっていた。湖面は、オレンジとピンクの光を反射して、まるで溶けた宝石のように輝いていた。遠くには富士山のシルエットが、空に浮かび上がっていた。「きれいですね」 麗奈は、湖を見つめながら呟いた。「ええ、本当に」 高瀬は答えたが、彼の視線は麗奈に注がれていた。 しばらくの沈黙の後、高瀬が口を開いた。「藤崎さん……いえ、麗奈さん」 彼が名前で呼ぶのは珍しかった。麗奈は、高瀬を見た。「私は、あなたに初めて会った時から、特別な何かを感じていました」 高瀬の声は、穏やかだが、確固たる意志を秘めていた。「それが何なのか、最初は分かりませんでした。尊敬なのか、憧れなのか、それとも……」 彼は、麗奈の手を取った。「でも、時間が経つにつれて、はっきりと分かりました。これは、愛だと」 麗奈の心臓が、激しく鳴り始めた。「あなたは、私が出会った中で最も強く、最も美
Última actualización : 2025-12-11 Leer más