「あの、何かの冗談ですよね?水瀬一花が西園寺グループのって……」「そうです。柏木さん、西園寺一花さんは確かに西園寺グループの重要なポジションにいる人です。そういえば、以前、あなたとはとても深い縁があったんですよね?」茉白が隙を見て、陸斗に代わって親切そうに綾芽の疑惑を肯定した。茉白はクズ人間が恥をかくのを見るのが本当に面白くて好物だった。「……」すると綾芽はまるで苦虫を嚙み潰したような顔つきをしていた。綾芽は言葉が出ず、動揺するように瞳を揺らし、自分の体なのに言うことがきかないかのようになっていた。茉白は腕を胸の前に組んだ。「そういえば、彼女がまだ西園寺グループに来る前、柏木さんにかなりいじめられていたとか?噂では……あなたは男女の仲を引き裂くのが趣味のようで?どうしてギャロップのような大企業が、こんな下品な人を寄越して、うちと提携を結ぼうとできるのかしら?こんなことをすれば、西園寺グループはギャロップが本気でうちと提携しようとは思っていないって思っちゃいますよ。それに、ギャロップの社員がこんなに恥知らずだなんて、その影響は……かなり悪くなるんじゃないでしょうか」茉白の最後の一言は、完全にさっき綾芽が彼女に侮辱した言葉をそのまま反撃として返した。そして周りも茉白の言葉で白熱した議論となっていた。茉白がこんなふうに言って、彼女を徹底的に追い詰めようとしているのは明らかだったが、彼女にはそれから逃げる術がないのだ。一花が西園寺グループの管理職であるという情報だけでも、綾芽の思考を停止させてしまうほど、衝撃的なことだった。綾芽はこの時、茉白に腹を立てる力すらなかった。「二階堂さん、ここで発言をしていいと言ったおぼえはないけど。あまり調子に乗らないでもらえるかな」陸斗は歯ぎしりしながら、冷ややかに茉白を注意した。しかし、茉白は全く気になどしなかった。どうせ、今ここには侑李がいるのだから、彼女は陸斗など怖くなかった。侑李も彼女が話すのを制止することはなかったので、彼女は陸斗に白目をむくだけだった。周りに野次馬が増えていくのを見て、自家の醜態を外部に晒すわけにはいかず、陸斗と侑李はほぼ同時に部下に合図を送り、見物に来た社員たちを仕事に戻らせた。陸斗と侑李は意見が一致したらしく、綾芽たちを連れてすぐに
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