「ごめん、今週の土曜日、急に飲み会が入ったから、蓮斗のこと見ててもらってもいい?」 月曜日の夜、妻である美衣子が俺に言った。 「え? また? いつも急だな」 ──それに最近多く続いている 蓮斗は、俺たちの愛息子。 まだ3歳になったばかり、母親が恋しい時期なのに、美衣子は、夜な夜な出かけることが増えた。 「皆んな忙しいから、直前にしか日にちを決められないのよ」 学生時代の友達との約束のことを言っているようだ。 「にしても……」 「何? 貴方が、『たまには友達と会って来たら?』って言ってくれたんでしょ?」 たまにはとは言った。 いつも家事も育児も頑張ってくれているから、 息抜きも必要だと思ったし、『友達と会う時間も取れない!』と愚痴を溢していたから、そういう時間も大切だと思ったから……。 だけど、先週も行っていたし、なんなら先々週もだ。この3週間、毎週土曜日になると出掛けている。 「毎週じゃない?」 「だって、私には必要な時間なんだもの……」と、視線を落とし、俯きながら言われると全否定は出来ない。 美衣子は、俺(翔太)と結婚してすぐに妊娠した為、仕事も辞めて今は専業主婦だ。 毎日、家事と育児に奮闘し、ずっと家に居ると、社会から遮断されたような気持ちになると言う。 今までは、出掛けると言っても近所のスーパーへ息子の蓮斗と買い物に行く程度だったのだろう。 だから俺の休みの日には、家族で出かけるようにはしているが、美衣子はそれでも物足りないようなのだ。 万一、育児ノイローゼや鬱になられても困ると思ったので、そういう提案をしたのだ。 なのに、最近では、それがどんどんエスカレートしているように思える。 ──本当に、女友達なのか? そう疑う気持ちも出て来てしまった。 なぜなら、今までは、外に出掛けない日は、 化粧もしないですっぴんのまま、朝起きた時と同じスウェット姿のままで一日中過ごしていたようで、夜に俺が帰っても同じ格好の事が多かった。 育児疲れかと思って、大目に見ていたが、日に日に酷くなっていた。 ──こんな女だっけ? と、微塵も女の色気を感じなくなっていた。 なのに、最近では華やかな洋服に着替え、毎日綺麗に化粧もして
آخر تحديث : 2026-01-08 اقرأ المزيد