Masukマッチングアプリで知り合った2人。お互いの過去の恋愛も知らないまま同棲し、半年で妻の妊娠が判明。そのまま籍を入れて夫婦になった。可愛い息子、蓮斗は、3歳になった。 そんな時、妻の美衣子が毎週末になると、夜な夜な出かけることに…。あまりにも頻繁なのと、最近の妻の変化に不信感を抱く夫、翔太。 真相を暴く為に、調査会社に勤める友人に調査を依頼した。 そこで明るみになった事実を受け止め切れない…。 夫、翔太が歩む人生とは…。
Lihat lebih banyak──翌朝、木曜日 「じゃあ行って来る」 「行ってらっしゃーい」と変わらず明るく言う美衣子に一瞬だけ目を合わせた。 いつもと変わらない笑顔だ。 ──俺に見せる笑顔はコレが最後になるかもしれないな そして、 「バイバイ」と手を振る蓮斗とハイタッチをして、 小さなスーツケース1つで玄関を出た。 1日分の着替えしか入っていない。 会社の最寄り駅まで行って、ダミーのスーツケースをロッカーに預け、いつも通り会社へと向かう。 高橋とは密に連絡を取っている。 〈今、家を出た〉 〈了解〉 〈後は頼んだ〉 〈任せろ〉 今日は、高橋に美衣子の調査に入ってもらう為だ。 俺は、いつも通り仕事を熟す。 仕事中には、考えたくない案件だから。 今日は、Rとの証拠が撮れるだろう。 そして、明後日が運命の日となるだろう! なんとも言えない感情だ。 俺は、夕方まで夢中で仕事を熟した。 I
そして、きっと風呂に入っている間に、男と連絡を取るはずだ。それは、恐らくRというパパ活男だろう。 高橋に借りた小型カメラは、すぐには設置出来ない。 しかし、俺は風呂に入る前、咄嗟にリビングの隅に置いた鞄の中で、自分のスマホの録音ボタンを押しておいた。 美衣子とRとのメッセージの記録を写真に撮った時、電話をかけた形跡を発見したからだ。 メッセージを送るより電話をかけて説明した方が早いからだろう。 そして、蓮斗と楽しいお風呂時間を過ごして、先に蓮斗を上がらせようと風呂のドアを開けた時、慌ててスマホをテーブルの上に置いた美衣子を確認した。 ──やっぱり…… それから、1人で風呂の中でボーっと想いにふけ、ゆっくり上がった。 蓮斗は、美衣子が髪を乾かし、着替えているのを見ているようだ。 もう3歳だから、随分自分で出来る事が増えて来た。 風呂から上がると、俺はようやく晩ご飯にあり付けた。忙しかったと言うだけあって、スーパーで買ったお惣菜だということは、一目瞭然だ。 それでも、今は、美衣子以外の人が作った物だからと、有り難く口に放り込む。 「パパ、おやすみ」 「おお、蓮斗おやすみ〜」 今まで当たり前に聞いていたパパと言う呼び名。今は、妙に突き刺さる。 そのまま美衣子が寝かしつけに行った。
そう聞かれて、もう美衣子とはやっていけない。 離婚の方向で考えるしかない! それに、もしも蓮斗がMという奴の子どもだとしたら、俺は、蓮斗と離れ離れになってしまう。 そもそも親権は、母親の方が取れる確率が高い。 ましてや、俺とは血が繋がっていないとなると、美衣子が働いて蓮斗を育てる事が可能だ。 放棄するなど、よっぽどのことがない限り、俺が育てられる可能性は、低いのだろう。 俺は、騙されたことと、蓮斗と離れなければならないこと、両方の悲しみで涙を堪え切れなかった。 悔しさから滅多に涙など流さない俺は、布団の中で1人、声を殺して男泣きをした。 ──どうして、気づかなかったのだろう どうして、見抜けなかったのだろう…… そして……ふと思った。 蓮斗は、3歳。 俺たちは同棲して、半年で妊娠が発覚し籍を入れた。 と言うことは、美衣子は、少なくともその頃からMという男と会っていた。 俺と同時期に会っていたのか? 俺は、それを知らずに、何の疑いもなく自分の子だと信じて籍を入れてしまったのか…… 疑う余地などなかった。 この父親と見られるMと美衣子は、以前も付き合っていたのか? なぜ結婚しなかったのだ? あれこれ、確認したいことが山積みだ。 その前に、俺はまずDNA鑑定をすることにした。 そして、土曜日は、蓮斗を実家に預け、高橋と共に現場を押さえに行くことを決意した。 もう終わりだ…… ──水曜日の朝 結局、一睡も出来なかった。 美衣子と顔を合わせることなく、俺は早めに家を出た。 後3日も、何も言えずに、美衣子と顔を合わせるのは辛い。 もちろん蓮斗には、会いたい! でも……もし俺の子じゃなかったら…… そう考えると、内臓を抉られるほど、堪らなく悲しくて辛い。 すぐに、蓮斗の歯ブラシと俺の歯ブラシをDNA鑑定に提出した。 急ぎで出したので、ちょうど週末には、結果が出るだろう。 仕事終わりに、とりあえず、高橋に会いに行くことにした。 「久しぶり! 大丈夫?……じゃないよなあ」 と言う高橋。 「すまないな、久しぶりに会うのに、こんな依頼」 「いや、大丈夫だ! コレが俺の仕事だからな」 高橋に会うのは、俺たちが入籍した後、数名でお祝いパー
さすがに急が3週間も続くと、おかしい! と思い始め、翌日、俺は調査会社に勤めている友人、高橋に相談したのだ。 その友人にも、俺たちが出会ったのは、マッチングアプリだとは伝えていなかったので、まずは、それから伝えると、高橋はとても驚き、 『申し訳ないが、なら、まだマッチングをやってる可能性は高いな』と言われた。 ──やっぱり、そうか…… そして、俺は、高橋に正式に調査依頼をし、スマホのメッセージを見る方法を教えてもらった。 美衣子がお風呂に入っている時に、美衣子のスマホを見てしまったのだ。 そこには、恐ろしい文言が並んでいた。 Mという人物とのやり取り…… 〈また、夜会えるか?〉 〈うん〉 〈旦那は、大丈夫なのか?〉 〈全然大丈夫! 子どもを預けてれば、何処へも行けないだろうし、それに、あの人がたまには友達と会ってきたら? って勧めてくれたんだし〉 〈お前、ひっで〜な! それは、女友達のことだろ?〉 〈そんなの私に居ないわよ 笑〉 〈ハハッ、なら仕方ないから俺が可愛いがってやるか〉 言い表せない絶望感と悲愴感が襲ってきた。 ──まさか、美衣子が不倫…… 高橋に言われた通り、落ち着いて、それを証拠として、自分のスマホに収めた。 そして、更にスクロールして遡って確認した。 そもそも、このMという男とは、何処で知り合ったのか? マッチングアプリなのか? すると…… 〈最近、益々マーくんに似て来たよね〉 ──え? 〈だよな、イケメンだな蓮斗!〉 …… ──!! どういうことだ? まさか蓮斗は、俺の子じゃなくて、コイツの子なのか?! そんな…… 頭を鈍器で殴られたような衝撃で、身体中の血の気がサーッと引いて行くような感覚に襲われた。一気に大きなストレスがかかったのだろう。 手が震え出した。 驚きと同時に、怒りを通り越して、強い憤怒しかない! そして……その後に、信じられないぐらいの悲しみが襲いかかった。 ──蓮斗が、俺の息子じゃない……? 嘘だろう? 3年もの間、我が子として育てて来たのに…… それは、とても重要な証拠だった。 怒りと悲しみに襲われながらも、今俺がしっかりしなくては……と、 また、写真を撮ってスマホに