それから四ヶ月が経った。 原稿の受け取りは月に一度。先生が指定した日時にマンションを訪問し、手書き原稿を受け取って帰る――はずだった。 四ヶ月で四回。同じことが繰り返された。 二回目は十月の半ばだった。本来の指定日より一週間早く、先生から連絡が来た。「原稿が上がった。取りに来い」。萌木さんの担当時代のスケジュール表を見れば、先生がこんなに早く書き上げることは一度もなかったとわかる。なのに、一週間も早い。 マンションに着くと、先生はリビングのソファに座って珈琲を飲んでいた。テーブルの上に茶封筒はない。原稿はどこだろう、と部屋を見回す私に、先生が珈琲カップを置いて立ち上がった。「先生、原稿」「ほしいならわかるだろ?」 先生は何もしなかった。ソファの傍に立ったまま、私を見下ろしている。前回は先生がボタンを外した。今回は違った。先生は自分からは触れてこない。わかるだろ、という言葉が意味するところを理解した瞬間、指先が冷たくなった。 自分で、ワイシャツのボタンに手をかけた。一つ、二つ。先生の目の前で、自分の指で服を脱いでいく。先生の視線が鎖骨に落ちて、ほくろの上で止まった。あとは前回と同じだった。先生の唇がほくろに触れ、胸に吸い付き、ソファの上で抱かれた。違うのは、服を脱いだのが私自身の手だということだけだった。 原稿がほしいから、自分の意思で服を脱いだ。そのことが、前回よりもずっと深く胸に刺さった。 三回目は十一月の頭。また指定日より一週間早い連絡だった。「原稿が上がった」。同じ文面。同じ呼び出し。マンションのドアを開けた先生は、いつもの黒シャツではなくラフなカットソー姿だった。「先生、原稿」「ほしいなら……わかるだろ」 もう迷わなかった。自分でボタンを外し始めると、先生が私の手首を掴んだ。リビングではなく、廊下の奥へと引かれていく。初めて通される部屋だった。先生の寝室だ。カーテンが半分閉められた薄暗い部屋に、大きなベッドが据えられている。シーツの匂いに先生の体臭が混じっていて、心臓が跳ねた。 ベッドの上に押し倒された。三回目の先生は、今までで一番激しかった。服を剥ぐように脱がされ、ベッドの上で何度も体勢を変えられ、深く、強く、執拗に求められた。先生の荒い息が首筋にかかり、名前を呼ばれるたびに身体の奥が蕩けていく。シーツを掴む指が震えて、先生の
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