LOGIN避難場所だった隣家。 和服姿で原稿を書く先生の背中は、紗那の唯一の居場所だった。 けれど高校卒業の冬、彼の膝上にいた女性を見て、子どもの立場を思い知らされる。 大人だと嘘をつき、猛暑の夏に結ばれた夜――翌日、先生は紗那を拒絶し姿を消した。五年後、シングルマザーとなった紗那の前に、性格に難ありの大物作家として再び現れたのは、あの人だった。
View More蝉が鳴いていた。
耳の奥まで染み込んでくるような、途切れることのない蝉時雨が、平屋の一軒家を丸ごと包んでいた。開け放たれた窓という窓から熱気が流れ込み、風鈴の短冊だけがときおり気まぐれに揺れている。風はほとんどなく、庭の草木もぐったりと葉を垂らしたまま動かなかった。
八月の午後二時。一日のうちで最も日差しが凶暴になる時間帯に、私は先生の背中に寄りかかって、膝の上に載せたノートパソコンのキーボードを叩いていた。先生の背中は広くて、背もたれとしてはこの上なく具合がいい。和服の生地越しに伝わる体温が暑苦しいことを除けば、何時間でもこうしていられるくらい居心地が良かった。
先生はいつものように座卓に向かい、万年筆を走らせている。ペン先が原稿用紙の上を滑るたびに、カリカリと小さな音が鳴った。規則正しく、途切れず、流れるように連なっていくその音は、蝉の声に紛れてしまいそうなほど微かなのに、背中を通じて振動のように伝わってくるから不思議だった。
汗が首筋を伝い、キャミソールの肩紐に吸い込まれていく。額にも汗が滲んでいて、前髪が肌に張り付いていた。画面に視線を落とすと、打ちかけのレポートの文字が中途半端な状態で止まっている。
「お前――まじで暑いから離れろ」
先生の声が頭の上から降ってきた。万年筆を動かす手は止まっていない。背中越しに感じる振動も途切れないまま、言葉だけが苛立ちを帯びて落ちてくる。
「エアコンつけてよ」
パソコンの画面から目を上げずに返すと、先生が即座に「嫌いなんだよ」と突き返した。
「じゃあ、我慢するしかないね」
私がそう答えると、万年筆の音が一瞬だけ止まった。先生が首を回す気配がして、和服の襟元が擦れる音が耳のすぐ近くで鳴る。
「こっちは修羅場ってんの。背中にへばりつかれると、集中が削がれんだよ」
「こっちも課題がやばいんだけど」
「お前はだらけて、やってなかっただけだろ」
先生の声に呆れたような響きが混じった。背中の向こう側で万年筆が再び動き始めて、さらさらという音が戻ってくる。
都会から少し離れた田舎だから風さえ吹けばかろうじて過ごせるのに、今日に限っては空気が微動だにしなかった。庭に面した縁側から入ってくるのは蝉の声と熱気だけで、畳の上に寝転がっている座布団まで、じっとりと湿気を含んでいるのがわかった。
「それ、先生もじゃん」
キーボードを打つ手を止めないまま言い返すと、先生が鼻を鳴らした。
「俺は毎日やってた」
「それでも進んでなかったんでしょう?」
意地悪く突っ込むと、ペン先が原稿用紙の上で硬い音を立てた。万年筆を持ったまま、先生がわずかに肩を竦めるのが背中の動きでわかる。
「大人にはそういうときもあんの」
「子どもにもそういうときがあるんで〜」
語尾を間延びさせて返事をしながら、私は先生の背中にもう少しだけ体重を預けた。先生の和服の背中が汗で湿っていて、薄い生地を通して体温が肌に直接触れるような感覚がある。
――暑い。
わかっている。わかっているけれど、先生と離れたくなかった。
「それに先生の背中にくっついてると課題が進むんだよね。エネルギーをもらえるっていうのかなあ」
自分でも馬鹿なことを言っている自覚はあった。先生の背中に触れていると指が動くとか、万年筆の音を聞いていると集中できるとか。ただ一緒にいたいだけの言い訳にすぎない。
先生の家の、畳の匂いと煙草の残り香が混じった空気の中で、万年筆がカリカリと原稿を埋めていく音を聞きながら、自分のやるべきことに向き合っている時間が、ただ好きだった。
「やる気パワーをバンパイアしてんじゃねえぞ、こらぁ」
先生が巻き舌気味に吐き捨てた。怒っているように見せかけているだけの声色だった。本気で嫌がるときの先生はもっと低く、もっと短い言葉を選ぶ。私はそれを六年間の付き合いで知っている。
「えー? 子どもだからわかんなーい」
わざとらしく甘えた声を出すと、先生の背中が大きく揺れた。身体ごとこちらに向きかけて、振り返るのをやめたような中途半端な動きだった。
「都合いいときに子どもぶってんじゃねえよ。大学生が」
万年筆を握り直す音がした。先生の手は大きくて、指が長くて、ペンだこのせいで中指の第二関節がぼこりと膨らんでいた。何千枚もの原稿を手書きで仕上げてきた手だ。私がまだ小学生だった頃から、ずっと同じ万年筆を使い続けていた。
「まだガキでいてくれって言うから、先生が」
口を衝いて出た言葉に、自分で少しだけ驚いた。軽口のつもりだった。いつもの、先生との掛け合いの延長線上にある、お茶らけた返答……。
でも先生の万年筆が止まった。
蝉の声だけが部屋を満たしていた。窓の外では入道雲が空の半分を覆い、陽射しが庭の緑を白く焼いている。汗が背中を伝い、先生の和服の生地に染みていくのがわかった。
「は? 俺が大人になれって言えば、お前は大人になんのかよ」
先生の声が、さっきまでとは違う温度を帯びていた。怒りでも呆れでもない、掴みどころのない低い声だった。万年筆を座卓に置く気配はなく、ペン先が原稿用紙に触れたまま宙に浮いているような、緊張を孕んだ静けさが背中の向こう側から伝わってくる。
私は唇を舐めた。汗の味がした。
何か気の利いた軽口で返して、いつもの距離に戻さなければいけない。近所のガキが避難所にしているだけ――その立ち位置を崩したら、先生はきっと「ここに来るな」と言うだろうと、ずっと前からわかっていた。
蝉の声が、一段と大きくなった気がした。
八月の終わり、先生から原稿が届いた。 連載の原稿ではなく、あの未発表作品の、完成稿だった。 茶封筒は分厚く、ずっしりと重かった。二百枚以上。先生が私をモデルに書いた長編小説の、書き直された完全版。五月に冒頭の五十枚を受け取ってから三ヶ月。先生は連載と並行して、この原稿を書き続けていたのだ。 その日の夜、律希を寝かしつけてから、アパートの小さなテーブルの上に原稿を広げた。麦茶を一杯だけ用意して、赤ペンをペン立てから一本取り出した。 最後のページを読み終えたとき、原稿の束のあとに一枚の紙があった。原稿用紙ではなく、便箋のような白い紙。先生の万年筆で一行だけ書かれていた。 ――この物語を、六年遅れの告白とともに。 赤ペンを握る手に力をいれる。 便箋の「この物語を、六年遅れの告白とともに」の横に、赤い文字を書いた。『却下。あとがきに私情を挟まないでください』 赤ペンを持った手が、止まった。 「却下」の文字の下に、余白があった。先生の一行と、私の一行の間に、白い空間が広がっている。 その余白に、小さく書き足した。赤ペンの先を紙に押し当てて、震える指で。 ――でも、受け取りました。 赤ペンのキャップを閉めた。便箋をじっと見つめた。先生の黒い万年筆の文字と、私の赤い文字が並んでいる。二つの筆跡が一枚の紙の上で向き合っていた。 十分ほどそうしていて、ようやく便箋を原稿の一番上に戻した。茶封筒に原稿を収めて、封を閉じた。 翌日、先生のマンションに原稿を届けた。玄関で茶封筒を差し出した。「全部読みました。最後の一枚にだけ、赤を入れてあります」 先生が茶封筒を受け取り、中を確認しようとする先生を置いて、私は踵を返した。「紗那」「感想は言いません。読んでください、私の赤字を」 振り返らずに玄関を出た。エレベーターの中で、壁に背中を預けた。 目を閉じた。心臓が早鐘を打っていた。赤ペンで書いた文字が、目の裏にちらついていた。 ◇◇◇ 一年後――。 書斎の障子を開けると、パソコンの画面を睨みつけている先生の背中が見えた。 和服ではなく、紺色のシャツ姿の背中だった。肩幅が広くて、背骨の線が布地の上からうっすらと浮き出ている。座卓の上に万年筆は置かれておらず、代わりにノートパソコンが一台、開いたまま鎮座していた。先生の指がキーボードの上で
六月になった。 先生のマンションに通う頻度が、少しずつ増えていた。月に二、三度だったのが、週に一度になり、律希が「おじちゃんの家に行く日?」と保育園の朝に聞いてくるようになった。 先生は律希に何かを強いることをしなかった。一緒に遊ぼうとも、こっちに来いとも言わない。先生はいつも通り仕事部屋のデスクに向かっていて、律希がその周りをうろうろするのを黙認しているだけだった。律希の方が勝手に先生のそばに寄っていく。万年筆に惹かれるように、先生のデスクの横にちょこんと座り込む。 ある日、律希が先生の仕事部屋で大人しくしていると思って覗きに行くと、先生のデスクの端に律希が座っていた。先生が万年筆で原稿を書いている横で、律希が鉛筆でノートに何かを書いている。「何してるの?」「字を書いてる」 律希のノートを覗き込んだ。ひらがなが並んでいた。「り」「つ」「き」。自分の名前だった。でも「り」の縦線が曲がっていて、「つ」は丸みが足りなくて、お世辞にも上手とは言えなかった。「おじちゃんが教えてくれた」 先生の方を見た。先生は原稿に目を落としたまま、何食わぬ顔で万年筆を動かしていた。でもデスクの端に、先生の筆跡で「りつき」と書かれた紙切れがあった。万年筆の、流麗なひらがな。先生の字は独特の癖があるが、ひらがなだけは教科書のように整っていた。律希がそれを手本にして練習していたのだ。「先生、ありがとうございます」「頼まれただけだ」 先生は原稿から目を上げなかった。律希が鉛筆を握り直して、もう一度「り」を書いた。さっきより少しだけ縦線がまっすぐになっている。「おじちゃんの『り』、かっこいいんだよ」 律希が先生の書いた紙切れを持ち上げて見せてきた。確かに先生の「り」は美しかった。万年筆のインクの濃淡が線に表情を与えて、たったひらがな一文字なのに品がある。「おじちゃんみたいに書きたい」「万年筆じゃないと、ああはならないよ」「じゃあ万年筆がほしい」「まだ早い。鉛筆で上手に書けるようになってから」 先生が初めて原稿から目を上げた。律希を見下ろして、短く言った。「姿勢が悪い。背中をまっすぐにしろ。肘をつくな」「はーい」 律希が背筋を伸ばした。五歳児なりの精一杯のまっすぐだった。先生が何も言わずに原稿に視線を戻した。二人が並んでいる。先生の大きな背中と、律希の小さ
あの夜から、三人で過ごす日が増えた。 毎週ではないが、月に二度か三度。金曜日に先生のマンションで夕飯を食べ、お風呂に入り、三人でソファに並ぶ。律希が先生の腕に寄りかかって眠ったら、寝室に運んで川の字で寝る。 先生の料理の腕はあっという間にあがっていった。二回目はシチュー。にんじんの大きさは相変わらず不揃いだったが、じゃがいもの大きさは学習していた。三回目は肉じゃが。出汁の取り方を私がメッセージで送ったら、「読んだ」とだけ返信が来た。読むようになっただけでも進歩だった。 律希は先生のことを「ペンだこのおじちゃん」と呼び続けていた。律希はすっかり先生に懐いていた。 先生の万年筆を覗き込み、先生の膝の上に乗って字を書きたがり、先生の背中に寄りかかってうとうとする。先生が何かを書いていると、邪魔をせずに隣に座って絵を描いている。その静かな並びかたが、かつての私と重なった。 先生と律希が並んでいる姿を見るたびに、微笑ましくて自然と笑顔になった。 ◇◇◇ 五月に入って少し蒸し暑くなり始めた頃。 律希を寝かしつけた後、リビングに戻ると先生がソファに座っていた。テーブルの上に珈琲が二つ。私の分も淹れてくれていた。 先生の隣に座った。「原稿の直し、順調ですか」「進んでる」「連載の方は?」「二話分、ストックがある」「すごいですね。スランプ前より速い」「紗那のせいだ」「私のせい?」「おかげだ」 先生が珈琲を一口飲んで、カップをテーブルに置いた。煙草を吸いたそうな仕草で胸ポケットに手を伸ばしかけて、途中で止めた。律希がいる夜は煙草を控えるようになっていた。律希が寝た後でも、匂いが残るからと吸わない。誰に言われたわけでもなく、先生が自分でそうし始めた。「紗那」「はい」「俺と結婚してくれ」 先生の声は静かだった。情事の熱に浮かされたときとは違う。穏やかな空気の中で、先生は真っ直ぐに私を見て言った。「律希の父親になりたい。紗那の隣にいたい。三人で暮らしたい」 先生の目に迷いはなかった。あの仕事部屋で原稿と向き合うときの、書くべき言葉が見えている目と同じだ。「先生」「律、だ。名前で呼んでくれたのは一度きりだ。もう一度聞きたい」「……先生」「律」「先生」 先生が眉間に皺を寄せた。私は珈琲のカップを持ち上げて、一口飲んだ。「結
保育園に着いたのは、いつもより十分早かった。 編集長が「さっさと帰りなさい」と追い出してくれたおかげだ。追い出された理由が「先生の機嫌を損ねるな」だったのは、もう深く考えないことにする。 教室に入ると、律希が絵本棚の前にしゃがみ込んでいた。いつもの光景だ。大判の絵本を膝に乗せて、真剣な顔でページをめくっている。「りっくん、ママ来たよ」 律希がぱっと顔を上げた。絵本を棚に戻して駆け寄ってくる。「ママ、はやい」「今日はね、お出かけするから早く来たよ」「ペンだこのおじちゃんのとこね!」「そう。おじちゃんが、りっくんのごはんを作ってくれたんだって」「おじちゃん、ごはん作れるの?」「……どうだろうね」 先生が料理をしている姿を、一度も見たことがない。あの平屋に通っていた六年間、先生の台所には料理をしているような形跡がなかった。冷蔵庫はいつも麦茶しか入ってなかった。あれはきっと私が飲むから用意してくれただけで、先生はいつもブラックコーヒーを飲んでいた。 ――先生って何を食べて生活してきたんだろう? 律希の手を引いて保育園を出ながら、最悪の場合はコンビニに走ればいいやと思う。 先生のマンションに向かう電車の中で、律希はずっとそわそわしていた。座席に座っても膝の上で足をぶらぶらさせて、窓の外を見たり私を見たりしている。「ママ、おじちゃんはなんのお仕事してるの?」「お話を書く人だよ」「絵本?」「絵本じゃなくて……大人が読む本。長いお話」「ふうん」 律希が窓の外に目を戻した。しばらく黙ってから、「おじちゃんのお話、面白い?」と聞いてきた。「面白いよ。たくさんの人が読んでる」「ママも読む?」「ママはね、おじちゃんのお話を読んで、間違ってるところを直すのがお仕事なの」「おじちゃん、間違えるの?」「たまにね」「ふうん」 律希がまた「ふうん」と言って、膝の上に視線を落とした。考え事をしているときの律希は口元がきゅっと結ばれて、先生と同じ顔になる。電車の窓に映った小さな横顔を見ながら、今夜この子が先生と並んだとき、どんな顔をするのだろうと思った。 ◇◇◇ マンションのエントランスで鍵を使った。先生にもらった鍵だ。手のひらの中ですっかり温まった小さな金属を差し込んで回すと、自動ドアが開いた。 部屋の前で律希の手を握ったまま、イ
午前中の校正作業がひと段落した頃、隣のデスクで萌木さんの携帯が鳴った。 萌木さんが「はい、萌木です」と出て、数秒後に表情が変わった。眉が下がり、口元が引き締まって、「わかりました。すぐ行きます」と短く答えて電話を切った。「さなちゃん、ごめん」 萌木さんが椅子を回してこちらを向いた。申し訳なさそうな顔をしている。「子どもが保育園で熱出しちゃって、お迎えに行かなくちゃいけなくなったの。それで……今日の午後、原稿を取りに行く予定が入ってたんだけど、代わりに行ってもらえないかな」「もちろんです。大丈夫ですよ」「ありがとう。住所は今メッセージで送るね。手書きの原稿だから、折り曲げないよう
◆先生Side 紗那が出ていった後、しばらくベッドの上で動けなかった。『連載中の原稿が書き終わったら、息子に会ってくれませんか?』 願ってもない紗那からの言葉に、身体が固まる。 身体を起こし、仕事部屋に戻る。床一面に原稿が散らばっている。 一枚拾い上げた。 俺の万年筆の黒い文字の横に、赤ペンの文字があった。紗那の字だった。「ここ、違います」 ヒロインが一人でベッドに横たわり、涙を流す場面。紗那の赤字がその横に並んでいた。「子育て中に思い出して泣いてる暇なんてないです。疲れてきって爆睡です」 別の一枚を拾った。ヒロインが主人公の小説を読んで、切なさに胸を押さえる場面。「申
翌日の朝、始業前に萌木さんに給湯室に呼び出された。「ちょっとだけ。編集長がいないうちに」 萌木さんが給湯室のドアを閉めて、声をひそめた。昨日のランチのときとは違う、真剣な顔だった。「思い出したの!」「――はい? 思い出したとは?」 萌木さんが私の手を握りしめると、キラキラした目で見つめてくる。「あのね、先生のスランプをどうやって乗り越えたか!」 私は目を大きく見開くと、萌木さんの手を強く握り返す。 ――打開策が見つけられるかも。「先生がスランプを抜けたのは、新しい作品を書いたのがきっかけ。それまでの連載とは別に、書き下ろしで一冊」「昨日、話してた復帰一作目の短編……です
スランプだと結構、早い段階で気づいた。 どのような作品であっても、プロットさえきちんとできていればある程度の物語は紡ぐことはできる。 自分が恋愛小説家に向いているかどうかはさて置いて。文字を書くのは得意だ。自分が味わったことのない未知なる世界を味わえる。 読書よりもよりも鮮明に、心が揺れ、世界の中に没頭できた。 そのせいか……現実の俺の人生はなんの変哲もないクソつまらないものだ。書けるから、書く。求められるから、世界を紡ぐ。 ――人を煽てるのが上手なあいつのせいでもある。 紗那の上司である熊谷編集長。あいつとは腐れ縁だ。熊谷が俺の文章が好きだと熱く語り、恋愛小説家の道に道連れに