なんだかんだと小田切の話術で話題は尽きず、飲み会はそのまま続いていた。やがて小田切が時計を見て言う。「やべ! 三島君、終電なくなるから帰った方がいいよ」彼は慌てる様子もなく時計を確認すると、「あ……もう無理ですね」そう言って落ち着いた様子で残りのビールを飲み干した。小田切は申し訳なさそうな顔をする。「新婚なのに……朝帰りさせてごめんな」彼は席を立ち、「ちょっと電話してきます」そう言い残して外へ出た。「もう!終電逃すほど付き合わせるとか……」呆れて私が呟くと、「いや、三島君ってこういうの付き合わなそうなイメージだったからさ。つい楽しくて」小田切が笑う。そして頬杖をつきながら私を見る。「で、お前はどうなんだよ」「どうって?」「夫婦生活。うちはセックスレスで離婚だったけど、お前の所は大丈夫なのか?」私は呆れてため息をつく。「……あんた、相変わらず普通の人が聞きづらいこと平気で聞くよね」そう言うと、小田切は微笑んだ。「気になるからさ、彩花のこと」その言葉に、私はじっと目を据える。「小田切に心配されるなんて、私も落ちぶれたわね……」そう言ってレモンサワーに手を伸ばした瞬間だった。「お前、本気で俺に興味ないの?」私は思わず目を見開いた。「俺だったら、ちゃんとお前に子供くらい産ませてやれた」苦笑いを浮かべながら答える。「私が子供を産めない身体だったかもしれないでしょう?」すると小田切は言った。「それでも、何もしないで諦めることはなかったんじゃないのか?」私は静かにため息をつく。「小田切。もし、あんたが私に恋愛関係を望んでるなら……それは無理だよ」
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