Home / 恋愛 / 花火 / Kabanata 11 - Kabanata 20

Lahat ng Kabanata ng 花火: Kabanata 11 - Kabanata 20

22 Kabanata

アイツの想い

なんだかんだと小田切の話術で話題は尽きず、飲み会はそのまま続いていた。やがて小田切が時計を見て言う。「やべ! 三島君、終電なくなるから帰った方がいいよ」彼は慌てる様子もなく時計を確認すると、「あ……もう無理ですね」そう言って落ち着いた様子で残りのビールを飲み干した。小田切は申し訳なさそうな顔をする。「新婚なのに……朝帰りさせてごめんな」彼は席を立ち、「ちょっと電話してきます」そう言い残して外へ出た。「もう!終電逃すほど付き合わせるとか……」呆れて私が呟くと、「いや、三島君ってこういうの付き合わなそうなイメージだったからさ。つい楽しくて」小田切が笑う。そして頬杖をつきながら私を見る。「で、お前はどうなんだよ」「どうって?」「夫婦生活。うちはセックスレスで離婚だったけど、お前の所は大丈夫なのか?」私は呆れてため息をつく。「……あんた、相変わらず普通の人が聞きづらいこと平気で聞くよね」そう言うと、小田切は微笑んだ。「気になるからさ、彩花のこと」その言葉に、私はじっと目を据える。「小田切に心配されるなんて、私も落ちぶれたわね……」そう言ってレモンサワーに手を伸ばした瞬間だった。「お前、本気で俺に興味ないの?」私は思わず目を見開いた。「俺だったら、ちゃんとお前に子供くらい産ませてやれた」苦笑いを浮かべながら答える。「私が子供を産めない身体だったかもしれないでしょう?」すると小田切は言った。「それでも、何もしないで諦めることはなかったんじゃないのか?」私は静かにため息をつく。「小田切。もし、あんたが私に恋愛関係を望んでるなら……それは無理だよ」
Magbasa pa

遅過ぎた出会い

私は──(このまま一緒にいたらダメだ!)と咄嗟に感じた。「もう! 三島君も酔っ払い?私、ここで大丈夫だから。三島君はホテルに行きなさい。私はタクシーで帰るから」そう言って三島に背を向け、タクシーを止めて乗り込んだ。「蓮田さん!」私を旧姓で呼ぶ三島の声を置き去りにして、その場から逃げ出した。怖かった。もし、あのまま強引に誘われたら──拒める自信がなかった。まだ結婚する前、総務人事の仕事をしていた私を見て入社してくれたと言ってくれたことは、素直に嬉しかった。あの頃、人事部の上司たちからは「面接に来る新卒一人ひとりに気持ちを掛けすぎるな」と注意されていたから……。面接に来てスーツの襟が立っていたら、そっと直してあげる。髪が乱れている女の子には、小さく声をかけて整えさせてあげる。上司たちは、そんなことまで見極めるのが面接だと言っていた。でも、この就職戦線で、本人の実力以外のことで振り落とされるのを見るのが、どうしても耐えられなかった。もちろん、普段からだらしない人なら手は出さない。でも、道に迷って必死にたどり着いた学生に、そんなことで評価を下げるのはあまりにも酷い気がした。けれど結局、それが「甘い」と批判の材料になり、私は人材派遣部門へ飛ばされた。仕方がないと諦めていた。でも――それを見ていてくれた人がいた。それが、嬉しかった。あの頃、何をやっても悪く受け取られて落ち込んでいた自分を、掬い上げてもらえたような気がした。……でも。出会うのが遅すぎた。もし、お互いフリーの時に出会っていたら違ったのだろうか。そう考えて、私は小さく首を振った。もう、終わったこと。タクシーの中で、私は自分にそう言い聞かせる。窓に映る自分の顔を見
Magbasa pa

アイツがいない職場

次の週の月曜日。 いつもなら改札でばったり会うはずの彼の姿が見えない。 どうしたんだろう――そう思いながら、私はオフィスへ向かって歩いていた。 すると、 「鮫島さん、おはようございます」 情シスの課長、小田川さんに声を掛けられた。 「あ、おはようございます」 小田川さんは私と同い年で、実は同期でもある。 「金曜日、三島大丈夫だった?」 突然彼の名前を出されて、思わず胸が跳ねた。 「え?」 驚いて小田川さんの顔を見ると、 「あいつさ、基本的に社内の飲み会とか参加しないんだよ。金曜日、一緒に飲んだんでしょう? 仕事は出来るんだけど、無愛想だしズケズケ言うからさ。ちょっと心配で」 そう言って笑っている。 「あ、大丈夫でしたよ。むしろ最後まで付き合わせてしまって……ビジネスホテルに泊まらせてしまったので、申し訳ないことをしちゃいました」 私が苦笑いを浮かべると、 「え、本当に? 大丈夫だったのかな?」小田川さんが少し心配そうな顔をした。不思議に思って視線を向けると、 「いやさ……三島の奥さん、めちゃくちゃうるさいって聞いてるから」そう言ってから、 「まぁ、でも今日から一週間、新婚旅行だからな。奥さんの機嫌も直るかな?」 と笑った。 「うちの仕事が忙しくてさ、結婚式のあとすぐ新婚旅行に行かせてやれなかったんだよ」 何も知らない小田川さんは、楽しそうに話している。私は――知っていたはずなのに。胸の奥が、ちくりと痛んだ。遅かったのかもしれない。もっと早く、彼から離れなくちゃいけなかったのかもしれない。痛む胸を押さえながら、私は必死に笑顔を作り、オフィスのビルへと足を進めた。
Magbasa pa

色褪せた景色

アイツがいない職場は、どこか色褪せているように感じた。「鮫島さん、今週は遅くても18時にはサーバー室落としますよ」「えぇ!」「たまには鮫島さんも早く帰って、旦那さん孝行した方がいいですよ」「大きなお世話!」情シスの子とそんな会話をしながら、彼が私のせいで残業していたことが、今さら身に染みる。鬼の形相で仕事を終わらせ、ノートパソコンを閉じて大きく溜息をついた。いつもなら――「鮫島サン、まだっすか?」あの無愛想な顔が、様子を見に来る。「あと10分!」画面を睨む私に、彼は呆れた顔で溜息を吐く。そんなやり取りが、いつの間にか当たり前の光景になっていた。(今頃、新婚旅行かぁ……)ふと、そんなことを考える。――あれ?朝帰りした日って、新婚旅行の前の日じゃなかった?そう気づいた瞬間、私は真っ青になった。自分の結婚式の日まで、旦那が忙しくて夫婦喧嘩ばかりしていたことを思い出す。「悪いこと……しちゃったな」誰もいないオフィスで、一人ぽつりと呟いた。きっと彼にそう言ったら、あの無表情で「別に……鮫島サンには関係ないですから」そう言うんだろうな。そんなことを考えて、さっきから彼のことばかり考えている自分に苦笑いする。職場を出て、駅への道を歩き出す。彼のいない日々は――まるで魂が半分欠けたみたいだった。
Magbasa pa

アイツの奥さん

アイツが新婚旅行に行ってから1週間後。いつもの日常が戻って来た。アイツは相変わらずの無愛想さで、駅の階段を登っていた。私はそっとエスカレーターに乗り換えて、わざとタイミングをズラす。よし!今日は改札で合わなかった!ガッツポーズをしてエレベーターに乗り込んだ時「おはようございます」と、聞き覚えのある声が背後から聞こえた。驚いて振り向いて見上げると、アイツが相変わらずの無表情で立っている。「おはよう……ございます」ぽつりと呟いた私に、アイツはその後無言のまま自分達のオフィスがある階で降りた。月曜日の朝、独特の気怠さが漂うオフィスを歩いていると「鮫島さん」と、アイツが声を掛けて来た。驚いて見上げた私に、アイツはポケットから小さな包みを取り出して私の手の上に置いた。「え?」驚いてアイツを見ている私に「お土産です」って、ぶっきらぼうに呟く。私はハッとして「新婚旅行だったんだよね。楽しかった?」おちゃらけたようにそう言って笑いかけると、アイツはやっぱり何を考えているのか分からない瞳で私を見下ろすと、何も答えずに「俺、サーバー室に行くんで」とだけ言い残して去ってしまった。席に戻って手渡された包みを開けると、綺麗なガラス細工のペンダントヘッドだった。真っ青な、青空のように青い綺麗な硝子細工に思わず笑みが溢れる。誰かに見られたら面倒だと、私がそっと鞄に包みを入れた時だった。アイツの奥さんであろう、総務の女の子がお土産のお菓子を配りに来ていた。「新婚旅行どうだった?」と聞かれて、アイツの奥さんは苦笑いを浮かべて「初日に喧嘩しちゃって……」と言うと「だって、前日に朝帰りするから……」って、明らかに私への当てつけをして来た。するとアイツが現れて「お前、何してんの?こっちの部署、お前は関係ないんだから、お菓子配りにとか来るなよ」と、冷たく言い放った。すると彼女と話していた他の人達が「そんな言い方酷くない?」
Magbasa pa

奥さんの涙と秘密の関係の終わり

あの日以来、アイツとの秘密の関係が始まった。それは、お互いに時間の合った日だけの関係だった。いつ、どこで会うといった決め事はない。互いに偶然残業が重なると、それが合図になる。会社の鍵を閉め、アイツが「友達と飯を食って帰る」と嘘の帰るコールを入れる。その声を少し離れた場所で聞きながら、私は駅へ向かう。アイツが乗り換える駅で、私達は落ち合う。いわゆる「休憩時間」の間だけの恋人。それでも、今まで感じたことのない幸せな時間に、私は年甲斐もなく溺れていった。それが誰かの悲しみの上に成り立っている関係だということを、忘れていたのだ。……いや。忘れたフリをしていただけなのだ。それは、コーヒーを入れに給湯室へ向かっていた時だった。給湯室には数名の女子社員がたむろしていた。(仕方ない。コーヒーは後にするか……)そう思って踵を返そうとした、その時だった。「もう、ずっと何も無くて……。キスさえしてくれなくなったの……」アイツの奥さんの声だった。「私、早く赤ちゃん欲しいのに……。もう、飽きられちゃったのかな?」ぐすぐすと鼻をすする音。それを慰める、他の女子社員の声。その言葉が、胸にずしりとのしかかった。私は思わず、自分のお腹に触れる。何度身体を重ねても、決して命が宿ることのない身体。現に、アイツとは一度も避妊していないのに、私の身体に命が宿ることはなかった。毎月訪れる月のモノに、秘密の関係だということを忘れて、ガッカリしていた。何度触れ合っても、私の身体に命が宿ることはない。それは、変えられない事実だ。まだ若い彼には、きちんと彼の遺伝子を残せる若い人が相応しい。老いらくの恋に、付き合わせてはいけない。そう思った瞬間、私はようやく目が覚めた。足音も立てず、私は静かにその場を後にした。
Magbasa pa

別離

その日から、私は残業をしないよう、仕事を定時きっかりに切り上げるようにした。アイツとも、偶然でも会わないように時間をずらす。何か察したのだろう。二週間が過ぎた頃だった。会議が終わり、会議室の片付けをしていると、突然ドアが閉まり、鍵の掛かる音がした。ハッとして振り向くと、アイツが立っていた。「何で避けるの? 俺、何かした?」そう聞かれて、私は震える手を悟られないよう、手にしていたトレイをテーブルに置いた。(ダメだ……。まだ、こんなにもアイツが好きだ……)胸を締め付ける痛みに、ゆっくりと深呼吸をする。「ねぇ! 黙っていたら分からないじゃないか!」アイツの手が、私の手首を掴み上げた。見上げたアイツの、切なそうな顔。一度は自分の気持ちにケリをつけたはずなのに……脆くも崩れ落ちそうになる。「もう……止めよう」ぽつりと呟いた私に、アイツは目を見開いた。「何で?」肩を掴まれて問われる。「お互い、家で待つ人が居るじゃない……」絞り出すように言うと、「離婚すれば良いの?」そう返され、私は首を横に振った。恋人関係とは違う。結婚したら、簡単に離婚なんて出来ない。お互いに、それは分かっている。分かっているからこそ、今の関係を選んだのに……。「奥さん、泣いてたよ」ぽつりと呟くと、「彩花は俺と別れて平気なの?」そう言われ、泣きそうになる。「そんな事、聞かないで……」涙が溢れ出した私を、アイツはゆっくりと抱き締めた。身体に馴染んだ体温。覚えてしまった体臭《におい》。それが、私の身体を熱くさせる。どれほどアイツを求めているのか。どれほど深く愛してしまったのか。
Magbasa pa

最初で最後の旅行

その日、私は部長に退職届を提出した。アイツと別れるには、離れるしかないと分かっていたからだ。あの日以来、アイツの奥さんが泣いている姿は見ていない。「きちんとするから……バレないようにするから……」縋るように言われ、結局、有耶無耶にされてしまった。それでも私は、アイツとの逢瀬だけは避け続けた。会社で会えば挨拶を交わす。まるで出会った頃に戻ったような関係。違うのは──書類を渡す時、指先が触れるだけで泣きたくなってしまう、この厄介な気持ちだった。そんなある日。緊急事態で残業していると、「鮫島サン、ラストですよ。サーバー切りたいんですけど」懐かしい言葉に、涙が込み上げてくる。必死に堪えて、「あ!今終わらせる。遅くまでお疲れ様」そう言って微笑むと、アイツは私の腕を掴み、スマホでどこかへ連絡を入れ始めた。「あ、俺。うん。今朝話した通り、夕飯外で食べて帰るから」そう言われ、慌てて見上げると、「じゃあ、帰りましょうか」そう言って歩き出した。駅に着いても、乗り換えても、アイツは手を離さない。「ホテルに行かなくて良いですから。飯くらいは付き合って下さいよ」そう言われ、私は小さく頷いた。「会社……なんで辞めるの?」ぽつりと呟かれ、ハッとして顔を上げる。泣きそうなアイツの顔に、胸が痛くなる。「俺のせい?俺が好きになったから?しつこく追い回すから?」歩きながら言われ、私は首を横に振り続けた。「私が……健人を好きになったから……」涙を堪えながら、必死に笑顔を作る。「だったら!」「私じゃ……私じゃ、あなたの遺伝子を残せない……」一粒の涙が、頬を伝って落ちた。「そんなの要らない!」強
Magbasa pa

偽りの夫婦

独身の頃から勤めていた職場の最終日は、あっけないほど静かに終わった。送別会の類はすべて断った私は、アイツとの待ち合わせ場所へ急いだ。元々その日は、奥さんが学生時代の友人のハワイ挙式に出席するため、前日から留守にしているらしい。アイツは前から、私と旅行に行こうとリゾートマンションの宿泊を手配していたのだという。「さよなら旅行になっちゃいましたね」そう言って、彼は悲しそうに笑った。電車を乗り継ぎ、ようやく宿泊先のリゾートマンションに到着する。マンションなので受付もフロントもなく、アイツは持っていた鍵で部屋のドアを開けた。そして振り返り、「彩花はちょっと待ってて」と言うと、先に中へ入っていく。「五分経ったら入って!」そう言い残して、ドアを閉めた。キッチンの灯りが漏れ、バタバタと走り回る影が見える。(何してるんだか……)苦笑いしているうちに五分が過ぎ、私は玄関のドアを開けた。すると――「彩花、おかえり」アイツが笑顔で迎えてくれた。「お風呂にする? ご飯にする?それとも俺にする?」努めて明るく、ふざけた調子で言うアイツ。その気持ちが胸に刺さり、涙がこみ上げる。「健人……」そう呟いた瞬間、涙が溢れた。「え? 何? どうした? 彩花?」突然泣き出した私に、アイツは慌てている。私は靴も脱ぎきらないまま、彼に抱きついた。「健人がいい!」思わず叫んでしまう。するとアイツは、くしゃくしゃの笑顔を浮かべて言った。「ネタだったのに……」そう呟きながら、私を抱きしめた。唇が重なり、ゆっくりと抱き合う。「今から明後日の昼まで、俺達は夫婦だよ」そう言って、彼の額が私の額にそっと触れる。
Magbasa pa

魔法が消えるまで……

久しぶりに重ねた肌は熱くて、このまま互いの熱で燃え尽き、灰になれたらいいのに……と思った。アイツの、私を求める熱が嬉しかった。もう、二度と誰かをこんなふうに愛せないだろう。抱かれる幸せも、女に生まれた喜びも……全部、アイツが教えてくれた。何度も肌を重ね、私は初めて、私を抱き締めて眠るアイツの寝顔を見た。長くて綺麗な睫毛に触れると、ぴくりと瞼が動く。触れ合うアイツの肌はどこも瑞々しくて、自分の老いた肌とは明らかに違っていた。こんな私を、どうしてこんなにも求めてくれるのか――分からなかった。もう少しだけ遅く生まれていたら。もう少しだけ早く出会えていたら。どうにもならない想いばかりが浮かんで、胸が痛くなる。タラレバを思ったところで、現実は何も変わらない。だったら、残された時間を大切に過ごそうと決めた。朝起きて近くの漁港へご飯を食べに行き、朝市で食材を買う。昼は二人でキッチンに並び、料理をした。すべてを忘れて、普通の恋人のような時間を過ごした。買い物をすると、すぐ荷物を持ってくれるところ。別々の物を買うと、人の買った物が気になって食べたがるところ。手を繋いで歩きたがるところ。初めて知るアイツの姿が愛しくて、私はその全部を胸に刻み続けた。「彩花」そう呼ぶ声が好きだと思った。差し出す大きな手も。風に揺れる漆黒の髪も。笑うと細くなる目も。全部、全部――大好きだった。そう思う時間が積み重なるほど、別れの時は近付いてくる。夜の帳が下り、夕飯を終えた私達は、ダブルベッドに腰掛けて窓の外を眺めていた。海辺に近いこのマンションからは、毎週土曜日に打ち上がる花火がよく見える。「綺麗……」ぽつりと呟く私を見つめて、アイツは「うん……」
Magbasa pa
PREV
123
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status