Tous les chapitres de : Chapitre 11 - Chapitre 12

12

第11話

高橋学長は、一年前に昇進したばかりで、この話を聞かされ、驚きを隠せない様子だった。浩介は当時、公務中の事故で亡くなったことになっており、大学はこれまでずっと、小林家の母娘に弔慰金を支給し続けていた。秘書がさらに言葉を継ぐ。「それだけではありません。小林教授は、学生たちの研究成果をたびたび自分のものとして発表していました。自身の名声を高めるために学生を取り込み、本来は他人の功績であるものまで、自分の手柄にしていたのです。それから、柏木恒一の海外留学の枠も、小林教授が取ったものではありません。用意したのは、うちの美咲様です。当時、高梨グループが海外の大学と共同で、その研究プロジェクトに出資していましたので」恒一は愕然とし、唇を震わせながら、足早に私のもとへ駆け寄ってきた。そして私の手をつかもうとする。「美咲……君は、どうして……どうしてもっと早く言ってくれなかったんだ?」私は冷たくその手を振り払い、一歩後ろへ下がった。「私が欲しかったのは、あなたの感謝なんかじゃない。誠意だったの。でも、それをあなたは自分の手で葬ってしまったのよ」その場にいた全員が、一瞬にして悟った。本来、恒一と恋人同士だったのは私のほうであり、優月こそが、人の関係に割り込んだ女だったのだと。最後に私は高橋学長へ告げた。高梨グループが出資する研究プロジェクトは、品行方正な教授に任せるべきだと。さらに秘書に命じ、彼が調べ上げた内容と、小林家の母娘が偽の診断書で結婚を迫った一件を、すべてネット上へ公表させた。小林家がこれまでどれほど卑劣なことをしてきたのか、世間にもきちんと見てもらうために。それを聞いた母娘は、その場でへなへなと床に崩れ落ちた。私はそのまま校舎を出た。見上げた空は青く澄みきっていて、今日の空気はひどく心地よく感じられた。「美咲!俺が悪かった、本当に悪かった!どうか許してくれ!」恒一がよろめきながら追いかけてくる。だが途中で足をもつらせ、その場に倒れ込んだ。私は一度も振り返らず、前方に立つ背の高い男のもとへ、まっすぐ歩いていった。「どうしてここに?」「少し見物に来たんです。まさか、もう終わっているとは思わなかったですけど」玲司は、意味ありげな眼差しで私を見つめた。私はいたずらっぽく微笑む。「そんなに見物好きだって知
Read More

第12話

玲司に付き添って彼の実家へ挨拶に行くと、そこには私の家族も揃っていた。どうやら結婚式の打ち合わせの最中らしい。つまり――私たちが入籍したことは、もうみんな知っているというわけだ。「玲司君、君もなかなかやるじゃないか。たった半月で、うちの美咲を射止めるとはな」祖父が笑いながらからかう。すると兄が横から玲司の腕を軽く小突いた。「いやいや、そこは俺の手柄も大きいよ。だってあの日、美咲がラヴィーナ島でどうしてるか、俺がこいつに知らせてやらなかったら。二人がこんなに早く進展するわけなかったでしょう」――え?やっぱり。全部、最初からみんなが仕組んでいたことだったのだ。私と玲司は、あの場所で偶然出会ったわけじゃなかった。ということは、あの夜に私たちの間に何があったのかも、みんな知っているということ?だからあの夜、護衛たちは私に連絡してこなかったのだ。顔を熱くしながら玲司を見ると、彼は口元に笑みを浮かべてこちらを見ていた。――この人、ずっと私をはめていたのね。でも、どうして?私たちはそれまで面識なんてなかったはずなのに。そのとき、祖父がまた口を開いた。「五年前、美咲と玲司君に見合いをさせようとしたことがあっただろう。ところがこの子はどうしても首を縦に振らなくてね。柏木なんて男に夢中になってしまって。高梨家を出ることまで厭わなかった。それなのに玲司君は、海外へ行ってからも、ずっとこの子を待っていたんだ。遠回りはしたが、結局こうしてまた巡り合えた。やはり二人には縁があったんだろうな」――何ですって?五年前、祖父が決めていたお見合い相手って、玲司だったの?それなのに私は、ろくでもない男を選んでしまい、彼のことなど一目も見ようとしなかった。しかも彼は、その後の五年間、私を想い続けてくれていた。今になっても、何も責めず、こうして私を受け入れてくれている。そう思った瞬間、胸が詰まって、たまらなくなった。「……ごめんなさい」目を潤ませたまま、私は彼に謝った。「そんなこと言わなくていいですよ。恋に、正しいも間違っているもないですから。これから先の人生、僕たちはもう二度と離れません」玲司は私の顎をそっと持ち上げると、両家の家族が見ている前で、そのまま優しく唇を重ねてきた。私と玲司が、ウェディングドレスを試着したり、指輪を
Read More
Dernier
12
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status