結婚式当日、本来なら私たちのウェディングフォトが流れているはずのスクリーンに、突然、渡辺湊(わたなべ みなと)と彼の女友達である中村美咲(なかむら みさき)のキス写真が映し出された。美咲は列席者の席から立ち上がり、口元を押さえながら、無邪気で罪のない顔で笑った。「みなさん、誤解しないでね。ただの悪ふざけだから。私と湊は小さいころから一緒に育ってきたの。私、いわば彼の第二の嫁みたいなものなの」湊は笑いながら、小声で私に言った。「こいつ、そういう性格なんだよ。思ったことをそのまま口にするだけだし、気にするな」私は静かに彼を見つめた。「私たちの結婚式で、あなたたちのキス写真を流して、自分はあなたの第二の嫁だなんて言う。それが悪ふざけだっていうの?」湊は私を見て、苛立たしげに眉をひそめた。「たかが何枚か写真を流しただけだろ?俺たち、五年も付き合ってきたんだぞ。こんな些細なことでそこまで執着して、いつまでも責め立てるつもりか?」私は手を上げて、彼の言葉を遮った。「そうよ、私は執着して、いつまでも責め立てるつもりよ……」こんなふうに強い態度を取る私を見たことがなかったのか、彼は一瞬、呆けたように固まった。私は振り返り、会場を埋めた列席者たちに向かって、はっきりと告げた。「この結婚式は、ここで終わりです」その言葉が落ちた瞬間、湊の顔色は見る間に沈んだ。彼は私の手首をつかんだ。「小林七海(こばやし ななみ)、いい加減にしろ」声を低く押し殺していたが、その口調には抑えきれない怒りがにじんでいた。「今日は何の日だと思ってるんだ。よりにもよって今、この場で駄々をこねるつもりか?」私は彼と言い争おうとはせず、ただ力を込めて彼の指を一本ずつ外し、この吐き気のする結婚式会場から出ていこうとした。けれど彼はまた手を伸ばし、今度は私の腕を乱暴につかんで、無理やり引き戻した。「たかが何枚かの写真に、たった一言の冗談だぞ。そこまで大ごとにする必要があるのか?」その声には、うんざりしたような響きが満ちていた。「もう少し場をわきまえることはできないのか?今日はこんなにたくさんの親戚や友人が来てるし、両家の親だっているんだぞ。結婚式でこんな騒ぎを起こして、周りに俺たちのことをどう思わせたいんだ?」私は勢いよく振り
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