「もう警察には通報したから!早く私たちを出して!」火をつけたのは、なんと豪だった。豪は自分が追及されるのを恐れ、健太さえも焼き殺そうとしたのだ。室内の煙はどんどん濃くなり、鉄のコンテナは熱で灼熱地獄と化している。炎が健太と穂花を縛るロープを焼き切ると、もはや敵味方関係なく、皆が互いに助かる方法を考えた。「まずは鉄格子を外そう。窓から逃げるしかない」しかし、道具はなかったので、正人と慎吾は素手で鉄格子のバーを引き抜き始めた。そこに、健太も加わる。1本、2本、3本。ついに、人が一人通れるほどの隙間ができた。正人が明里を押し上げようとしたが、明里よりも先に穂花が飛び出そうとした。「明里さんは怪我をしているから登るのは無理でしょ?だから、私が先に行って、外から扉を開けてあげる」慎吾は穂花を全く信用しておらず、吐き捨てた。「そんなこと、誰が信じるかよ?」穂花は叫ぶように答えた。「あなたのことなんか助けたくないけど、中には正人さんがいるんだから、絶対に開けるわ!」火の勢いが増す中、明里は決断する。「人の命がかかってる。私は、信じるよ」「俺は認めないぞ!」正人は珍しく強い口調で反対した。「明里を先に行かせろ!」穂花は瞬時に目を真っ赤にさせ、唇を震わせて叫んだ。「正人さん、誰に対しても優しかったのに、なぜ私にだけそんなに残酷なの?私はあなたを愛している。結婚なんて贅沢も言わない。それなのにどうして信じてくれないの?10年も一緒にいた仲だよね?」「俺は……」正人は目を閉じ、穂花から顔を背けて言った。「ごめん。でも、俺はただ、明里を何が何でも生かしておきたいんだ」「完全には私のことを信じてないってわけね」穂花は言葉を噛み締め、恨みが心の中で渦巻くも、最終的には折れた。「分かった。じゃあ、明里さんを先に出そう」穂花は腰を折ると、自ら足場となった。そして、男たちも肩を組み土台を作った瞬間、穂花はすかさず駆け上がり、明里を突き飛ばして自分だけ窓の外へ躍り出た。鋭い鉄板で手足を切って血が噴き出しているのにも、気づかないほどの速さだった。穂花は、ただただ窮地を脱した高揚感に包まれている。「最高!どうやら私の勝ちみたいね」穂花は鉄格子越しに高笑いした。「正人さん、私の勝ちだよ。それに、この女
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