――新大阪駅で山陽新幹線に乗り換えて一駅、わたしと貢は神戸市の高台に位置するJR新神戸駅に到着した。 時刻は夕方六時半過ぎ。夏至も近いので、この時間でもまだ日が高く、辺りは明るい。 わたしは改札を出ると、スーツケースを彼に任せて再び川元さんの番号をコールした。 「――もしもし、川元さん。たった今、新神戸駅に着きました」 『そうですか。お疲れさまでした。では、これからお迎えに上がります。あと十分ほどでそちらに着くかと』 「分かりました。お待ちしてます」 神戸支社は三宮の市街地にあり、そこから車でそれくらいかかるということだろう。 それなら、わたしたちの方が三宮まで下りていった方が早いのかもしれないけれど、彼の立場ではあくまでわたしたち夫婦はゲストで彼がホスト役。わざわざ出向いてもらうのは申し訳ないということなのかしら。 「――川元さん、これからこっちに向かうって。あと十分くらいで着くらしいよ」 「そうですか。……で、どうやって時間潰します?」 「十分くらいなら、その辺ブラブラしてたらあっという間に過ぎちゃうんじゃない? お店もたくさんあるみたいだし。それか、先にホテルにチェックインしちゃうか、かな。その方が楽だろうし」 「そうですね」 というわけで、わたしたちは川元さんが迎えに来る前に、予約してあった駅前のホテルにチェックインしてしまうことにした。 手続きを済ませ、先に荷物をスイートルームに運んでおいてもらうと、駅前に戻った頃にはすでに川元さんがタクシーで迎えに来てくれていた。タクシーにはそのままわたしたちも乗せるようで、ドライバーさんがドアを開けて待機してくれている。 「会長
Last Updated : 2026-04-26 Read more