気持ちが最も高まったその瞬間、ふと、何かが違うと感じた。私・根元詩織(ねもと しおり)は身を起こし、明かりをつけた。ゴミ箱の中に、この家では一度も買ったことのないストロベリーフレーバーのパッケージが見えた。私は彼氏に、どこから来たのかと問いただした。彼は一瞬固まり、それから私を抱きしめた。「先週、飲みすぎてさ。あのクソどもが無理やり押しつけてきたんだよ。あいつらのこと、お前も知ってるだろ。普段からろくなことしない連中だ。嫌なら捨てればいい」彼のキスが、また強引に降ってきた。たしかに商売の場では、下品な冗談が飛び交うことも多い。ここでさらに問い詰めれば、むしろ空気の読めない女として雰囲気を壊すだけだ。終わったあと、彼はシャワーを浴びに行った。私は寝つき用の音楽を流そうと、Bluetoothイヤホンを手に取った。そのとき、不意に若い女の子の甘えた声が聞こえてきた。「だから言ったじゃないですか、彼女、いちごアレルギーだからってそんな騒ぐことはないって。ほら、同じように気持ちよさそうに声出してるじゃないですか?わざわざ二人のために時間を計ってあげたんですよ。2時間23分だって。白野社長って、ほんと体力ありますね……」私ははっと我に返った。シャワーから出てきたばかりの彼を一瞥し、こう返した。「私たちのために散財して盛り上げ役までしてくれるなんて、申し訳ないわね。いっそ直接来て、味わってもらえば?」電話がプツンと切れた。私がじっと見つめているのを見ると、白野和也(しらの かずや)はバスタオルをはだけた。「まだ欲しいのか?」「あなたのあの若い彼女、嫉妬しないの?」私はイヤホンを指さして、彼に笑ってみせた。「自動でそっちにつながってたよ」彼ははっと何かに気づき、素早くスマホに目をやった。そしてその場で固まり、喉仏が上下した。私は彼が心の中で抱いた疑問に答えた。「聞こえてたよ。ストロベリーフレーバーをわざと入れたのは彼女でしょ。それに、あなたのこと褒めてたよ、持ち時間が長いって」和也の顔つきがみるみる険しくなった。「女の子にゴムを買わせるなんて、最低。次からは自分でお金出しなよ」出て行こうとした瞬間、手首を彼につかまれた。「会社のアシスタントの子だよ。いつも冗談
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