All Chapters of 二度も浮気した夫に我が子を渡す気はない!: Chapter 21 - Chapter 23

23 Chapters

第21話

「宗谷のやつは、一体何がしたいんだ?」このことを知った翼は、宗谷のところに乗り込んで問い詰めようと息巻いた。杏奈は翼をなだめたが、どうすればいいか分からなかった。宗谷が使用人に新しい家具の運び入れを指示していると、翼がやってきた。「お父さん!ようやく会いに来てくれたんですね」「その呼び方はやめろ。君と杏奈はもう離婚したんだ。俺は君のお父さんじゃないし、今後も絶対にそうはならない」翼は一旦言葉を止め、静かに言った。「聞こう。一体何が目的で、この家を買ったんだ?」「お父さん。自分が悪かったって分かったんです。だから、杏奈に許してもらうために、ここにきました」宗谷は眉を寄せ、卑屈な表情で続ける。「でも、どうしても許してもらえないようなら、ここに住み続けます。杏奈が許してくれるまで……」「なんて自分勝手な男だ!」翼は怒りが収まらず、激しく指を指した。「3年前の言葉を忘れたのか?君はあの時も同じことを言っていた。反省しているだの、その愛人とはもう会わないだの。だが実際はどうだ?縁を切るどころか、裏で3年も関係を続けていた。さらには、子供まで作って杏奈を散々な目に遭わせておきながら、今さら許してくれだと?君には羞恥心というものがないのか?」「どう罵倒されても構いません。ですが、今回は本気なんです!琴音とは完全に縁を切りました。あいつが産んだ子供も、俺の子ではなかったんです……」「そういうことか」翼はようやく事態を悟った。「君が逆に浮気されたというわけか?そんな目に遭うとは自業自得だな。杏奈に幸せになってほしいなら、今すぐここから出て行け!さもなければ、俺がすぐに杏奈を連れてここを去る!」そう言い捨てると、翼は振り返らずに去った。その背中を見送る宗谷の目には、ある種の決意が宿っていた。「杏奈がどこかへ行くなら、俺も必ずついて行きますから。杏奈に本気で反省しているとわかってもらうまで諦めません」その後も毎日、花束を抱えた宗谷が田中家の玄関に現れた。だから、杏奈は外出の際、いつも勝手口を使うようになった。こうして距離を置けば、平穏に過ごせると思っていた。だが、子供が生きていたことを、宗谷に知られてしまった。ある日の早朝、田中家の使用人が子供服を外に干していたのを、宗谷に見られたのだ。「莉子
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第22話

「杏奈、子供は生きているんだろ?俺たちの子供は生きているんじゃないのか?杏奈、出てきてくれ!俺たちの子供に会わせてくれ!どうして俺をだましたんだよ!何で死んだなんて言ったんだ?」宗谷は狂ったように門の柵を揺らした。その騒ぎを聞きつけ、近所の住人たちも何事かと外に飛び出してくる。家の中にいた杏奈は莉子を抱きながら、宗谷の声を聞くと鼻でふっと笑った。よくもまあ、そんなことが言えるものだ。あの時、宗谷のボディーガードたちが宗谷の命令に逆らってでも、自分を病院へ運んでくれたから。もしそうでなければ……子供だけじゃない。きっと自分の命さえなかったはずだ。莉子は自分が命がけで守った宝物で、宗谷とは何の関係もない。「なんてやつだ!一発殴ってやらなきゃ気が済まない!」そう言いながら、翼が勢いよく出ていこうとする。杏奈は門に集まる人だかりをひと目見て、宗谷と一度ちゃんと話をつけて決着をつけようと決めた。「お父さん、私が行ってくるよ。宗谷とちゃんと話し合わないと、これからも付き纏われてしまうから。もう疲れちゃったから、彼とは縁を切りたいの」「わかった。それなら、莉子ちゃんを私に……」夏美が手を差し伸べたが、杏奈は首を横に振った。「大丈夫、この子を連れて会いに行ってくる」杏奈が莉子を抱いて外に出ると、宗谷の表情がパッと明るくなった。「杏奈、抱いているその子は……俺たちの子供か?」宗谷は興奮で身を震わせ、声も掠れている。胸に抱かれた莉子は目をぱちくりとさせ、小さな手を可愛らしく振っていた。目元は宗谷で、口元は杏奈。宗谷は目頭を熱くし、涙を流し始めた。「杏奈……この子は俺たちの娘なんだな?間違いない、俺たちの娘だ!」鉄の門を隔てて、杏奈は冷ややかな目で宗谷を見つめる。「違う」その突き放すような返事に、宗谷は身体を激しく震わせた。「違う?そんなはずはない」と、彼は首を振る。「この子の月齢といい、この容姿といい、俺たちの子供に違いない!」「違うって言っているでしょ」杏奈の声は氷のように冷たい。「宗谷、私たちはもう離婚したし、私たちの子供はあの時、病院で亡くなったの。いま私が抱いているのは、私一人の娘だから」「何を言っているんだよ……」杏奈の冷めきった瞳を見て、宗谷は胸が張り裂けそうにな
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第23話

「杏奈……」宗谷は何か言いたかったが、上手く言葉が出てこなかった。自分のしたことを償う言葉なんて、この世にはないのだ。宗谷は杏奈の前で地面に跪くと、目を赤く腫らしながら言った。「俺が何を言っても言い訳に聞こえるのは分かってる。でも、こんなに小さな子から父親を奪うなんて残酷だと思わないか?」「誰がこの子に父親がいないって言った?」杏奈は冷ややかに言い返す。「これから先、私はもっと素敵な男性に出会うから、私の娘にはちゃんと父親ができるよ。もしできなくても、あなたのような最低な人間だけは、父親だとは認めないから!宗谷、まだ少しでも人の心があるなら今すぐ帰って、二度と私たちの前に姿を現さないで。じゃなきゃ、あなたが一生見つけられないような場所に、この子と引っ越すから!」「そんなに俺が嫌なのか?」宗谷は涙をこぼした。心臓が握り潰されるように痛い。「なんで3年前みたいに、チャンスをくれないんだよ?たった一度でいいんだ、やり直させてくれないか?」「もう二度とチャンスなんてないから」杏奈は首を振った。「3年前、一度チャンスをあげたでしょ?でもあなたがそれを大切にしなかった。妻を失い、我が子を失ったのは、全部あなたの自業自得。もし、娘に引っ越しばかりの生活をさせたくないんだったら、今すぐにここから去って!じゃなきゃ、明日にはこの子を連れてどこかへ行くから!」杏奈の言葉に、宗谷の中で抱いていた最後の淡い期待が打ち砕かれた。杏奈が自分を本気で憎んでいるという事実を、ようやく理解したのだ。そしてそれは、3年前よりも深い憎しみだった。杏奈が自分を許すことは、二度とないのだ。宗谷を見ることもせず、杏奈は莉子を抱き上げて家の中へ入っていった。杏奈が宗谷に背を向けたその瞬間、まるで母親の心境が伝わったかのように、抱かれていた莉子が突然泣き出した。「うぇーん!」杏奈は立ち止まり、抱きかかえた莉子の顔を覗き込む。「莉子、ママのしたことは間違ってるかな?パパを許すべきだった?」杏奈がそう問いかけ終わると、莉子は泣き止んで、杏奈に向かってにっこりと微笑んだ。その笑顔を見て、今度は杏奈の目頭が熱くなった。「いい子ね、莉子。こんなに小さいのに、ママを気遣ってくれるなんて。大丈夫よ。パパがいなくたって、ママが莉子を絶対に幸せ
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