「はぁ、社長……このプロジェクトが、我が社にとって最後の起死回生のチャンスなんです。それでも、本当に手放されるおつもりですか」秘書は山積みにされた書類を抱えたまま、パソコンの画面に映し出された望月グループの株価チャートを虚ろな目で見つめた。急落を示す無機質なグラフが、痛いほど目に突き刺さる。秘書は深く、ひどく重い息を吐き出した。将吾は答えなかった。ただ疲れ果てて床にへたり込み、度の強いウォッカの瓶を機械的に口へと運び続けていた。味などわかっているのかいないのか、ひと口、またひと口と強いアルコールを喉の奥へ流し込むたびに、こぼれた酒がシャツの胸元をだらしなく濡らしていく。かつては常に清潔感を保ち、完璧な身だしなみに誇りを持っていた男の姿は、今や見る影もなかった。無精ひげがだらしなく伸び、手入れされていない前髪がうっとうしく目元まで垂れ下がっている。最高級のオーダーメイドだったはずのスーツは、一度もアイロンをかけられた様子もなく、くたくたに皺が寄ったまま着ていた。重要な商談の場に引きずり出されても、幾度となく上の空になって話の流れを見失い、相手先の重役たちをひどく苛立たせた。かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだった望月グループの名前は、今や複数の大手取引先のブラックリストに名を連ねている。名家のスキャンダルを血眼になって追うゴシップ記者たちは、将吾が泥酔して街で暴れる醜態を何度もカメラに収めていた。毎晩のようにバーやクラブを渡り歩き、自暴自棄に酒に溺れ続けるその姿には、かつて界隈の羨望を集めた洗練された面影は微塵も残っていなかった。一方、あの幼馴染の歌穂は、国外での大規模な詐欺事件と違法賭博への関与が発覚し、最終的に国際刑事警察機構を通じて逮捕された。身柄を拘束された時には、全身に暴力の痕が残り、精神的にも完全に崩壊した状態だったという。「星山様が亡くなられて、もう3年です。いつまでも過去の幻影に縛られて、自分を欺き続けるのはやめてください。社長、今のように生ける屍のように過ごしていて、一体何の意味があるというんですか!」足元の床には、空になった酒瓶と潰れたタバコの箱が足の踏み場もないほど散乱していた。かつて茉知が心を込めて整え、磨き上げていたこの家は、今や完全に荒れ果てている。ほこりが積もり、あの頃彼女が飾ってくれた愛らしい小物た
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