その姿を見た瞬間、直哉の耳がわずかに赤く染まった。それでも、動揺を悟られまいと平静を装いながら問いかけた。「怜奈、どうした?」花音はそっと彼の手を取り、甘えるように軽く揺らした。「もう遅いよ。そろそろ休もう?それとも、まだ仕事が残ってるの?」その声に、直哉は柔らかく微笑む。「いや、もう終わったよ。一緒に寝よう」そう言って彼女の肩を抱き寄せると、そのまま部屋へと連れて行った。温かなベッドの上で二人は身を寄せ合い、互いを抱きしめたまま目を閉じる。けれどその夜、二人とも一睡もできなかった。花音は直哉の腕の中で静かに目を閉じながら、胸の内であずさに語りかける。――あずささん、やっぱりあなたの言う通りだった。この人は、あなたの存在を気にするどころか、一言も触れなかった。このような人は生涯のパートナーに相応しくないし、誰かに愛される資格もない。もしあなたが忠告してくれなかったら、私はきっと、この人の優しさを本物だと勘違いしていた。そして、知らないうちに溺れていたと思う。一方の直哉もまた、ようやく取り戻した宝物を抱きしめているはずなのに、思っていたほどの幸せを感じられなかった。眠ろうとしても、瞼の裏にあずさの顔ばかりが浮かぶ。翌日。直哉は高級ブランド各社に連絡を入れ、怜奈の体型に合わせた衣服やアクセサリーを大量に取り寄せた。次々と運び込まれるのは、一般人では手が出せないようなドレスや宝飾品ばかり。以前の花音なら戸惑い、どう扱えばいいのか分からなかっただろう。だが、あずさのもとで学んだ日々のおかげで、今ではそうした光景にも驚かなくなっていた。花音は並べられた品々を眺めたあと、その中から怜奈の趣味や好みに合いそうなものだけを選び取る。「直哉、これだけで十分だよ。私、お洋服とかいっぱい持ってるし、無駄遣いはよくないよ」すると直哉は笑いながら彼女の髪を撫でた。「気にしなくていい。俺はお金に困ってないし、この程度で無駄遣いにはならないよ」少し懐かしそうに目を細める。「怜奈は昔と変わらないな。いつも俺のことばかり心配してくれる。でも、もう七年前の学生だった頃の俺じゃないんだ」花音は彼を抱きしめ、背伸びをして彼の眉間を優しく撫でた。その表情には、怜奈らしい思いやりと心配が浮かんでいる。「それでも心配するよ。今の直哉
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