女性の人質の体に巻きつけられた爆発物を処理するため、俺、江川誠(えがわ まこと)は、彼女の服をすべて切り裂くしかなかった。ところが、結婚したばかりの世間知らずな妻の林原美月(はやしばら みづき)は、その一件をネットに晒した。「誠!あなた、自分が何をしたか分かってるの?」家に入ったばかりの俺の前に、新婚の妻の美月がスマホを握りしめて飛び出してきた。目には涙が浮かんでいる。画面に映っていたのは、爆発物処理の現場で俺が人質の服を切り開いている写真だった。悪意のある角度から撮られ、見る者を煽るような一枚になっていた。「友達みんなに聞かれてるの。あなたの旦那さん、どうしてあんな大勢の前で女の子の服を全部脱がせたのって!私に何て答えろっていうの?恥ずかしくて顔も上げられないじゃない!」声は涙で震え、ひどく傷ついたようだった。俺は火薬の臭いと汗が染みついた上着を脱ぎ、辛抱強く説明した。「あれは普通の爆発物じゃなかった。導線と圧力センサーが全身に張り巡らされていたんだ。服を脱がせなければ、手の施しようがなかった」「それでも、下着くらい残してあげられなかったの!」美月の感情は一気に爆発し、泣き叫んだ。「人命救助だったのは分かってる。でも、女の子のプライドはどうでもいいの?あれだけ大勢のカメラが向けられていたのに、あの子はこれからどうやって生きていけばいいの?布の一枚でもかけてあげられなかったの?あなたって本当に乱暴で、少しも臨機応変に動けないのね!」俺は美月を見つめ、骨の髄まで疲れが染み込んでいくのを感じた。これ以上説明する気力はなかった。言い争っても意味がない。翌日、班に戻ると、空気が明らかにおかしかった。隊長の王田剛(おうだ つよし)に執務室へ呼ばれた。王田隊長はネット上のコメントを印刷した束を机に叩きつけ、怒りを押し殺した顔をしていた。「これを見ろ!今やネット中が、我々の爆発物処理を暴力的だと叩いている。人質のプライバシーを尊重していないとな!」王田隊長は煙草に火をつけ、深く吸い込んだ。「江川、お前のことは分かっている。お前にはいつもお前なりのやり方がある。だが今は世論の矢面に立たされているんだ。お前は態度を示し、世間に説明しなければならない」王田隊長は白紙の始末書を俺の前に押し出した。「深く反省してい
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