บททั้งหมดของ 夢見る白銀の乙女は傲慢な将軍に娶られる: บทที่ 11 - บทที่ 20

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第10話 社交界の洗礼

「ローティシアさんは、あの有名なフェアファックス将軍とご結婚なさるのですってね。アビゲイル様に聞きました。おめでとうございます」目の前でカテリーナが弾んだ声をあげる。ローティシアはずきずきと痛む頭で、小さく、ありがとうございます、と答えた。今朝は客間で目が覚めて、一瞬自分が死んで違う世界へ飛んで来れたのかとドキドキしてしまった。残念ながらそんな物語のようなことは、現実には起こらない。どうやらワインを飲んで倒れてしまったらしい。お水をもらいに食堂へ行った時に使用人のマギーが教えてくれた。応接室から近い客間へ閣下が運んでくれたそうだ。「ねぇ、ロッティ。ロッティは結婚してここを出て行っちゃうってお母さまが言ってたの。本当?」ブルーノが、カテリーナとの会話を聞いて兵士の人形を手に聞いてきた。「まだ、もう少し先のお話になるけれど‥‥そうなるみたい」微笑んでそう答えると、ブルーノの目に涙が溜まる。「いやだ!ロッティがいなくなったら絶対に嫌だよ!」涙をポロポロと流し始める。「仕方ないだろ。ロッティにもロッティの幸せがあるんだから!」ブルックが怒ったように、大人のような言葉を吐く。でも、その瞳もウルウルとしている。ローティシアもつられて泣きそうになったが、気づくと横でカテリーナが号泣し始めたので、その涙は引っ込んだ。「ぐぅぅぅ、なんていい子たちなんでしょうかぁぁ」子どもたちの泣く姿を見て、カテリーナは鼻水を垂らしながら嗚咽を漏らす。その姿にローティシアは、彼女が子どもたちを見てくれるのなら何の心配もいらない、と感じた。そして、泣き笑いしながら、3人をなぐさめた。◇◇◇結婚式は3か月先の社交シーズンの最終週に執り行うことになり、帝都の聖堂で近親者だけが参列することになった。結婚までにいくつかの夜会への出席と皇帝陛下への謁見は絶対にしなくてはならいということになり、急遽、家庭教師がついて毎日淑女教育にいそしんだ。マナーは、それなりに格好がつくようになりそうだが、ダンスには絶望しか湧いてこない。もともとそれほど活発に動くほうではないので筋力が無い上に、人と体を近づけてリズムに合わせて動くのは至難の技だ。これを難なくやれてしまう令嬢方は本当に凄いと感心してしまう。「レディ!顔は体の進む方向に向けるのです。下を向かないで!」ダンス講師のムッシュ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-09
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第11話 ただ私だけを見て

セオドアは、2か月ぶりにローティシアに会いに来て、その姿に目を奪われた。髪は以前と同じように隙なくまとめられているが、体に合った淡いラベンダーのドレスを纏った彼女は――実に可憐で美しかった。2か月前、ドラグナ側に怪しい動きがあり、一度辺境へ戻る必要があった。城へ帰ると家令のドーバンにつかまり、侯爵夫人を迎えるための準備についてしつこく相談された。帝都に戻れば、今度は辺境での対応について皇帝との話し合いに追われ、皇宮に缶詰めにされた。本当は、ギリギリまで皇帝には隠しておきたかったのだが、このままでは結婚式前日までローティシアに会うことが叶わなくなりそうだと感じ「婚約者の顔を見に行きたいのだ」と皇帝に打ち明けた。すると、「なんだ、仕事から逃げるためにそんなウソまでつくようになったのか」と最初は全く取り合ってもらえなかった。クロードの姪と婚約をして来月には結婚して辺境に戻る、その前に皇室の夜会には挨拶に連れて来る、と伝えると「今すぐに連れて来い! そうでなければ婚約者はお前の脳内にしか存在しないものとして結婚の許可は出さん! 」と無茶苦茶なこと言われた。こうなるから言いたくなかったのだ、とため息が出た。目の前に座り、うっすらと笑みをたたえている彼女は、儚く見えてまるでこの世にいないようだった。自分の問いかけに応える時は、すべての感情を隠したかのような表情で短く答える。時々、ふっと遥か遠い場所を眺めるような空気を纏い、すぐ近くにいるのに手の届かないところに行ってしまったようになる。つかみどころが無くて、どうして良いかわからなくて自分に苛立つ。従順でおとなしいことは、自分が望んだ条件だったはずなのに。2か月も会いに来なかった自分に、なぜこんなにほったらかしだったのか、と怒って問いつめてくれれば良いのにとさえ思ってしまう。彼女はそんなそぶりさえ見せない。「では、3日後の夕刻にこちらへ迎えに参ります」そう言って、彼女の手を取ってその甲に口づけを落とす。自分にとっては当たり前の
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-13
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第12話 宮殿の夜会

セオドアは、馬車の扉に寄り掛かって目を瞑っているローティシアを眺めていた。行きの馬車の中で、声を出して笑った彼女の微笑みがあまりに自然で美しいことに驚いた。今までこんな表情を浮かべたところを見たことがなかったからだ。彼女は、いつも薄い布一枚向こう側にいるように思えた。感情を隠し、本音を表さない。もっとあの笑みを自分に向けて欲しい。白く細い首を伸ばし、目を閉じている彼女を見つめながら、そう思っていた。ガタンと馬車が揺れた拍子に、彼女の額がコツンと扉にあたる。セオドアはローティシアと同じ側に席を移り、扉に寄り掛かっていた体を自分の方に寄せた。細い肩を抱いて額を自分の胸に寄り掛かるようにした。ちょうどつむじが顎のところにきて、整えられた髪からふわりと香油の匂いがする。自分のどこか何かが否応なく刺激されているが、理性にがんばってもらって押さえ込む。このまま自分の別邸に一緒に帰ることができれば良いのに。そう思うとますます理性を総動員させねばならなかった。◇◇◇10日後の宮殿の夜会は、前日までムッシュ・ゴデスにダンスをしごかれた。おかげで、閣下のとても上手なリードもあり、百点満点とはいかなかったが、大失敗せずにダンスを踊りきることができた。宮殿の夜会というのもハードルが高い上に、将軍閣下の結婚相手というのもあって大変な注目を浴び、慣れない社交に心身ともにいっぱいいっぱいだった。幸いお目付け役としてアビゲイルが付き添っていて、きつい言い方をしながらも誰かと挨拶をせねばならない状況では恥をかかないように助けてくれた。ローティシアが何かしでかせば、グーテローワン家が恥をかくことになる、そう言って、相変わらずのきつい態度ではあったが、それが無ければ舞踏会に迷い込んだ犬のような状態になっていただろう。そう、アビゲイルが心底悪い人でないのは知っている。使用人たちには、ローティシアに対するように、意地悪な物言いをしたりはしない。なぜローティシアに厳しく当たるのか。いつだって、使用人たちは、聞きもしないことまで教えてくれる。クロードより
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-15
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第13話 聖堂の花嫁

翌日、アビゲイルに呼ばれて執務室へ行くと、これから閨の説明をする、と告げられた。貴族教育は、先日の皇宮での夜会が頂点だと思っていたが、それは簡単に凌駕されてしまった。「はぁ、あなたにこんな話をする日が来るとはね。とはいえ慈悲深い私は、あなたを何も知らないまま苦しませるわけにはいかないから」そうして眉を上げながら話始める。「ティッシュ、良く覚えておくのね。男女の交わりは、男性の棒を女性の穴に入れるのよ。処女の穴には、その奥に聖なる膜があるの。男性がそれを破いて、その先の袋に子種を入れるのよ。膜が破れるとそれはそれはとても痛いわ。そしてたくさん血が出るの。情のない交わりであれば死に値するほどの痛さだと言うわ」目の前の教本には、足を絡めた男女が描かれている。裸で重なり合ういくつもの絵に、ごくりと喉が鳴る。これは、いったい「でも、それを乗り越えないと子どもは作れないの。そして、貴族の交わりでは声を出すことは絶対に許されないわ。何があっても黙って耐えるのよ。もし、声を発しようものなら旦那さまは怒り狂ってもう二度と閨を共にされないでしょうね。悪くすれば離縁になるわね」アビゲイルが教本の挿絵をもとに、どこに何をどうするか説明する。ローティシアは挿絵を凝視して固まってしまった。自分の妄想の中の王子や騎士はこんなことをしない。優しく愛を囁いて、口づけをして抱きしめるだけだ。「昨日、ヤノシュ卿がおっしゃっていたでしょう? 跡取りを作るには体力が必要だと。血が出るのは最初だけよ。でも、交わりは何度も繰り返さないと、一度では子はできないわ。特に軍人は、体力があるから一晩に何度も繰り返しするそうよ。翌朝、体中が痛むし、立てなくなる人もいるようよ。大変ね、ご愁傷様、ティッシュ」「あ、アビゲイルもこれをしてあの子たちを産んだの?」恐怖で、唾を飲みながら、小さく掠れた声で聞いてみる。「あたりまえでしょう。子をなすには必要なことよ。でも、私と旦那さまには情があるから大丈夫だったわ。あなたと閣下の間にはそれが無いのだものねぇ。とても辛いと思うわ」その後も、けして相手の体に自分から触れてはいけない、とか、旦那さまが望めばいついかなる時でも応じなくてはいけない、などの閨のマナーについて注意を受けた。「体の大きい人は棒もとても大きいそうよ。あなたの体が裂けないといいけれど」
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-17
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第14話 初夜の扉

「奥さま、着替えをお手伝いいたします」別邸に到着し私室に案内され、そう声をかけられた。一瞬自分にかけられたものだとわからなかった。奥さま‥‥ウェディングドレスを脱ぎ、軽いデイドレスに着替える。この3ヶ月で一生分の衣装を作ってもらった。もし、離縁されても(取り上げられなければ)これを売って生活できるかもしれない、と考えたりもした。食事の用意ができていると言われ、食堂に案内される。大きめの丸いテーブルの上に燭台がいくつか置かれ、真ん中に華やかに花が飾られている。家庭教師をつけてもらったおかげで、テーブルマナーも随分と修正できた。案内されて椅子に座ると間を置かず、閣下がシャツとトラウザーズという軽装で現れた。「祝宴を開くことができなくて、申し訳なかったね。馬車での移動を考えると、辺境でいつ雪が降るかもわからない時期になるので、こんなに出立が急になってしまって。せめて、うちの料理長の作る祝いの料理を堪能して欲しい」料理長は、辺境領から連れて来ているらしい。閣下のお気に入りのようだ。「ベイスンの料理は、私が知っている限り最高だと思う。遠征軍にも一緒に行ってもらったぐらいだ」そう言うだけあって、どの料理も今まで食べたことが無いほどおいしかった。ただ‥‥男性と二人きりで食事をすること自体が初めてなので、会話が少しも続かない。閣下が小さなため息をつくのが聞こえた。こんな時に気の利いた会話のできない、無教養な自分が悲しくなる。静かな食堂に食器の音が響く。さぞつまらない女だと思われているだろう。「ローティシア、あなたをどう呼べばいいかな」閣下がこちらを向いて声をかける。「今まで呼ばれていた愛称などはあるのか」アビゲイルに呼ばれていた、『ティッシュ(チリ紙)』以外ならどう呼ばれても構わない。「子どもたちや他の使用人たちには、ロッティと呼ばれておりました」そう答えると、閣下が眉を寄せる。「使用人‥‥」しまった、貴族の奥さまは使用人に愛称で呼ばれたりはしないだろう。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-16
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第15話 涙の夜

腰に手を回されて、閣下の脚の間に立つように姿になった。嫌だ、と言えば今日は何もない‥‥のかもしれない。それを言葉通りに取っていいのだろうか。自分に拒否をする権利があるのかどうかもわからない。それに‥‥仮に今夜無かったとしても、いつかはあるのだ。アビゲイルに教わった閨の話が恐怖を誘う。いつか来ることならば、拒否をして不況をかうことは得策ではないだろう。この役目を果たすために私は娶られたのだから。「嫌‥‥ではございません」震える声で言った後、あまりの緊張にゴクリと唾を飲み込んでしまった。腰に回した手に力が入り、撫でさするように促されて閣下の膝の上に座った。「ありがとう、ロッティ」そう言うと、口づけをしながらゆっくりと寝台の上にローティシアを横たえる。自分の手をどうしていいかわからず、顔の横で小さく万歳をしたような格好で口づけを受けていた。唇が離れ、首筋に下りる。耳の奥の鼓動が物凄い音を立てている。首筋に唇をおいている閣下に聞こえてしまうのではないだろうか。目は開けているべきなのか、閉じているべきなのか。とりあえず、怖いので閉じていよう。しゅるりと紐が解かれ肩からガウンが落とされる。夜着の肩ひもが落ち、首筋をたどる閣下の唇が開いた胸元へ下りてくる。閨の教本には、服は脱がず夜着の下を捲って交わりを行うとあったが、必ずしも本の通りではないようだ。閣下の大きな手が夜着の上から胸を探る。優しく胸の周囲を丸く揉むように触れた後、親指で胸の先端を押すようにまさぐられた。胸の先端がじんじんと痺れたように感じられる。腹の奥がずんと重くなって、思わず声が出そうになる。咄嗟に手の甲を口に当てて声を押さえた。夜着が肩から下げられ、胸があらわになる。「綺麗だよ、ロッティ」閣下のその声がお腹に響く。熱い手のひらで胸をまさぐられ、その後を追うように唇が胸元に吸い付く。さっきまで散々指で触れられていた胸の先端を、閣下の熱い唇が捉える。お腹の奥のどこかがギュウッと絞られるように苦しくなり、手の甲で押さえて
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-17
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第16話 触れたあとの戸惑い

とてもではないが、こんな感覚に何も反応せずじっとしているなんて無理だ。痺れるようなその感覚に体を反らせて呻いた。「うぅ‥‥」閣下の棒のあるところが重たくむず痒い感覚を放ち、それが動きに合わせて背筋に伝わる。再び閣下が体を引き穿つ。どんなに手の甲で口をふさいでも、穿たれるたびに、鼻と喉の奥から呻きが漏れる。あぁ、全然上手くできない。こんなの私にできる訳が無かった。片手を口にあて、片手でシーツを掴んで必死にこらえようとした。でも、幾度目かに穿たれたとき、ずっと重たくむず痒かった腹の奥の熱がさらに熱くうずき、体が絞られるように感じられて耐えられず大きく声をあげてしまった。「あぁっ」声が出た途端に固く瞑った眦から涙がこぼれた。ごめんなさい、ごめんなさい。私には無理です。何一つきちんとできない自分が悲しかった。こぼれた涙を閣下の唇が掬い取る。「すまない、あぁ、止められない‥‥ロッティ、ロッティ」掠れた声で閣下が耳元で囁く。どうして閣下が謝るのだろう。でも、もうそんな思考さえうまくできなくなっていた。徐々に激しくなる動きに、背筋を駆け上がる快感と腹の奥の熱が体を巡り、体中を苛む。口元を押さえていた手は縋るように閣下の二の腕を掴み、口からは穿たれる度に呻きが漏れた。もうどうでも良かった。閣下がさらに強く奥へと腰を打ちつけた時、腹の中の重たい感覚がより一層深く感じられ、自分の閉じた瞼の裏で何かがはじけた。「んうぅっ」 「あぁぁぁ‥‥」低い呻き声とともに、体の奥で閣下の熱い精が放たれ、それに呼応するように自分が細い悲鳴のような嬌声を上げたのがわかった。粗い呼吸を落ち着けながら閣下が自分の横に体を横たえる。そっと優しく髪を撫でられ、どうしようもなく涙がこぼれた。泣き顔を見られたくなくて手で顔を覆う。寝台が軋み閣下が自分から離れていく。上手くできなかった自分に呆れただろう。そう思うと余計に涙が止まらなかった。この一度で子どもができていたらいいのに。そうしたら少しは役に立ったと思ってもらえる。声を
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-17
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第17話 辺境への旅

翌朝、ローティシアが目覚めると、すでに閣下は寝台にいなかった。使用人が小さな桶にお湯を持って来てくれたので、顔を洗い着替える。朝食を持ってきましょうか?と聞かれたので、閣下はどうされたのかと聞くと、とうに朝食を取って出発の準備をしていると言う。あまりお腹は減っていなかったが、食べずに出発して途中で倒れでもしたら迷惑をかけるだろうと思い、ブリオッシュとコーヒーだけをもらった。食べ終わって、昨夜出した小物を鞄に片付けていると、閣下が部屋にやってきた。「もう起きたのか。もう少しゆっくり寝ていても大丈夫だったのに。その‥‥体は辛くないだろうか」優しいその一言に、昨夜の出来事を思い出してしまい、顔が火照った。「だ、大丈夫です。辛くはございません。閣下がご出発の準備をされていると伺いましたので、私も、と」早口で答えて火照った顔を隠すようにうつむくと、近寄ってきて様子を確認するように顔を覗き込まれた。これもノブレス・オブリージュなのだろうか。なんて素敵な黒い瞳‥‥うっとりとしてしまう。「テオだ。そう呼んでくれる約束だったのではないか?」「テ、テオ様‥‥もうご出発されますか?」「そうだな、あなたが準備できたら出発をしようか。北へ向かうほど日暮れが早くなるから」◇◇◇快適な馬車の中でゆったりと窓の外を眺める。帝都に来る前に身を寄せていた教会は、州の南側にあった。北に向かってこんなに遠くに来るのは初めてで、連なる山脈や奥深い森、その間にある湖などすべてが新鮮だった。馬車は、ゆっくりと休めるように片側の座席が寝椅子のようにしつらえられていて、ふかふかとしたクッションと毛布があり、足を伸ばして寝ることができた。出発した日は、さすがに前夜のこともあり、直後からひどい眠気に襲われ、ずっと横になっていた。閣下‥‥セオドアは、馬車に並走するように馬を走らせ、時折、窓越しに問題が無いか声をかけてくれる。本当になんと優しい人なのだろうか。途中の宿では、同行する皆と一緒に食堂で食事を
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-17
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第18話 森の村の宿

セオドアが馬に水を飲ませて戻ってくると、ローティシアが去年雇ったばかりの若い侍従と楽しそうに話をしていた。その様子を見て、なぜだか不快感がわく。自分と2人の夕食の席も、宿で隣に座って食事を取っている時も、ほとんど会話は無い。笑顔は作っているが、自分に対してはいつも緊張が感じられる。大人しくて、内気で、男性慣れしていないからだろう、と思っていたが、こうやって楽し気に会話をすることもできるのではないか。なぜ自分にはこうした姿を見せないのか。そう思ったらなぜかイライラとした気分になって、いつものように穏やかに接するのが難しくなった。そして、こんな風に自分の感情がコントロールできていないことに気づくと、父を思い出してますます気分が悪くなった。◇◇◇旅も一週間を過ぎるころには、馬車の窓から吹き込む風が、ぐっと冷たさを増していた。帝都を出た日は秋の気配を感じる程度で、ショールすら必要なかったのに。ここまで来ると、外に出るにはマントを羽織らなければ首元が冷えて仕方がない。「明日の昼過ぎには城に着く予定だ。このまま進むと、日が暮れる頃に森に差しかかる。今日は少し早いが、この村で一泊しよう」旅程が順調だと聞いたのは昨日のことだった。無駄な休憩を取らせてしまわぬよう、ローティシアはできるだけ静かに馬車の隅に座っていた。それが少しでも成果として表れたのかと思うと、胸をなでおろしたくなる。普段は、夕刻も深まってから宿に入るため、周囲をゆっくり見る余裕もなかった。けれど今日はまだ陽が高い。ローティシアは馬車を降り、肩にマントをかけながら、辺りを見渡した。小さな街道沿いに建つ中継のための村。今日泊まる宿のほかに、こぢんまりとした宿がもう二軒。食堂の看板を掲げた建物と鍛冶屋、道の向こうに数軒の民家がぽつぽつと並んでいる。帝都とは異なり、どの建物にも立派なレンガ造りの煙突がある。同じ国の中でも、地域によって暮らしの形はこんなにも違うのかと、しみじみ思う。南方の帝都では、冬でも雪がほとんど降らない。ましてや、かつて暮らしていた教会の辺りでは、建物の壁もここほど重厚ではなかっ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-18
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第19話 フェアファックス城

「ドーバンさん、よろしくお願いします。ローティシアです」「奥さま、私はただの使用人です。どうぞ『ドーバン』とだけお呼びください」「はい……」「まずはお疲れでしょうから、お部屋へご案内いたします」ドーバンの後を追って、ローティシアは石造りの城の中へと足を踏み入れた。広々としたエントランスには、高い天井と色鮮やかなステンドグラス。そこから差し込む光が、床に幻想的な模様を描いている。歴代当主の肖像画が並ぶ回廊を抜けると、空気の質が変わったように感じられた。「こちらが居住区域です。あちら奥には使用人の部屋があり、私は反対側の回廊の先におります」さらに進むと、深紅と紫が混ざった重厚な絨毯がまっすぐに延びていた。「こちらが奥さまの居室です」女神像と神木が彫り込まれた重厚な扉が開かれる。部屋の中には白く柔らかな絨毯、寝椅子にソファ、作業机とティーテーブル。奥には天蓋付きの大きなベッド。クマの毛皮がそこに広がっていた。「左手の扉が書斎、向こうの扉は旦那さまの居室とつながっております」ドーバンが指差した先に目を向けると、思わず頬が熱くなる。「奥さまのお世話をいたします侍女のメイアです。こちらで長年仕えております」先ほどから控えていた女性が丁寧に頭を下げた。「メイアにお茶を用意させますので、どうぞご休憩を。半時ほどで再び参ります」ドーバンが退出すると、メイアが静かにお茶の支度を始めた。アビゲイルの言葉が、ふと脳裏をよぎる。『――せいぜい使用人に馬鹿にされて』侍女の所作の美しさに、思わず気後れする。ティーカップを手にしたら、震えてこぼしてしまいそうだった。「ありがとうございます」小さく息を吐いて、ローティシアは微笑みながら礼を言った。メイアは驚いたように目を見開いたが、すぐに柔らかな笑みで応え、膝を折って頭を下げた。香り高いお茶は、不思議と心をほぐしてくれた。◇◇◇その後、ドーバンに城内の主要な部屋の案内を受けた。図書室、資料庫、応接室、食堂、晩餐室——ついて回るだけで膝が笑ってしまうほどの広さだった。「差し当たり、お過ごしになる場所はこのあたりでしょう。明日以降、他の場所もご案内いたします」居室に戻ると、湯桶が運ばれてきた。メイアが静かに勧める。「奥さま、晩餐の前にお湯に浸かってお身体をお休めください」ゆっくりと湯に身を沈める
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-28
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