Inicio / BL / 推しゴト!! / Capítulo 11 - Capítulo 20

Todos los capítulos de 推しゴト!!: Capítulo 11 - Capítulo 20

39 Capítulos

episode10

翌朝、美幸は目を覚ますと歯磨きと洗顔を済ませ、昨夜入れなかったメンバーのために浴槽にお湯を溜める。そして皆が起きてくる前に朝食の支度を始める。昨日、晴達が"ご飯派"と言っていたため、ご飯を炊き、みそ汁と玉子焼き、おひたしを作っていく。そうしているうちに個室がある二階からバタンと扉を開け閉めする音と階段を降りる足音が聞こえてくる。「お。いい匂いですね。美幸君、おはようございます」「あ、晴さん。おはようございます」「ウチに材料なんてあったんですね」「いえ、昨夜のうちに姉に連絡して一通りの物を持ってきてもらったんです。所で...冷蔵庫の中に何も入ってなかったんですけど、いつも何食べてたんですか?」「インスタントのご飯とみそ汁ですね。理はプロテインだけでしたけど......」「食べない日もあります」との言葉に美幸は思わず「いけません!」と大声を出した。「朝食は一日の始まりの大切な物なんですよ?!それをインスタントやプロテインで済ませるなんて......。今日からとことん食生活を見直させてもらいますからね!」「......はい」「あ、ちなみに今日は何時に家を出ますか?」「レッスンは午後からですが、その前にミーティングがあるので、十時半には家を出ようかと」「それならお弁当作りますね!」「えー!お弁当作ってくれるの?!」「わっ!澪里さん、おはようございます」「おはよー、ヨシ君!」「お風呂入れてあるので入ってきちゃって下さい」「分かったー!」澪里は返事をすると、パタパタと風呂場へと向かった。「そう言えば美幸君は今日一日どうするんですか?」「そうですね......。引越しが中途半端なので、一回実家に帰ってしっかりと荷造りして来ます。後は掃除や食材の買い出しですかね」「何か手伝える事があったら言って下さいね?」「ありがとうございます」美幸と晴が話していると、翔汰、理、聖の三人も起きてきた。「ハヨーッス」「おはよう」「おはー」「おはようございます。翔汰さんと理さん。今澪里さんがお風呂に入っているので、上がったらお二人も入って下さい。そしたら皆で朝ごはんにしましょう」「お!いい匂いすんな。実家にいた頃ぶりのマトモな朝メシだ」翔汰がそう言うと、他二人も「たまにはプロテインだけじゃなくてもいいな」「食欲そそられる匂いー」と口々に言ってき
last updateÚltima actualización : 2026-08-02
Leer más

episode11

「皆ー!ちゃんと仲良くやってるー?」「「社長!」」「姉さん?どうしたの?」朝食を摂っていると、社長の喜子がバタバタと入ってきて、リビングの扉をバーンッと開け放ち入ってきた。その後ろにはLUMINOUSのマネージャーである白田も立っていた。「あ、あ、あの汚部屋が......!こんなにキレイに!!それに......皆ちゃんとした朝ごはんを食べて......!僕は嬉しいです!美幸君、ありがとう!ありがとう!!」「そ、そんなにお礼を言われる事では......」白田は美幸の手を握りぶんぶんと振った。......余程嬉しかったんだなぁ。と美幸は心の中で呟くと、「お茶入れますね」と言って二人分のお茶を入れた。「ありがとう。愛しの弟よ」「......何それ」「やーん!ウチの弟が可愛すぎる!偉すぎる!!」「本当に一日でここまでするのは凄いですよ!」「ちょっとー、僕らもちゃんとやったんですけどー?」「君達はケツを叩かないとやらないでしょうが。どうせ美幸君に発破をかけられてし・か・た・な・く、やったんでしょう?」「そうそう」と喜子は白田に同意すると、二人は美幸の入れたお茶を啜った。「昨日は急に食品の買い出し頼んじゃってゴメンね?」「いいのよそれくらい。いつでも言ってちょうだいな」「いやいや。買い物もオレの仕事だよ?」「美幸君......。君は天の使いか......?」「出たよ、白田の迷発言」「翔汰!お前はこの生活をこれから送れるなんて幸せなんだぞ?分かっているのか?!」翔汰は「出たよ、いつもの白田が......。」と呟くと少し飽きれた。「?"いつもの"ってなんですか?」「白田さんはスイッチが入ると熱血モードになるんです。何がスイッチになるのかは分かりませんけど」「......LUMINOUS関係者は変わり者が多いんですね......」「関係者ってオレらも入ってんのか?」「......入らない方がおかしいでしょう。」「そうね。"変わり者集団"に名前変える?」「「それは嫌!」」皆息はピッタリなんだよなぁ...と思いながらご飯を食べ進め、食べ終わった者から支度をしに各自の部屋へと戻っていく。その姿を見て喜子が「ご馳走様でした。くらい言いなさい!」と彼らを叱咤した。「ごめんなさいね、美幸。あの子達今まで個々に生活を送っていたからこういう
last updateÚltima actualización : 2026-08-03
Leer más

episode12

皆が朝の支度を済ませると、時計はもう10時を示そうとしていた。「さぁさ、皆さん。ミーティングをしに事務所に行きますよ!」「そう言えば、ミーティングって何するんですか?」「主に活動についてですが、今日は今度のライブについてですね」「え!ライブがあるんですか?!」「来年の夏からドームツアーなんですよ」「そうそう!それについて美幸にも話さなきゃいけない事があるのよ」喜子は手を"パンッ"と合わせ美幸に声をかけてきた。メンバーも「なんだなんだ?」と喜子を見やると喜子は、「ドームツアーに美幸もスタッフとして参加してもらうから!」「異論は認めなくってよ?」とウインク付きで言ってきた。美幸は「でも、オレは......、ただの住み込みのお手伝いさん......」と言ったが、喜子はそれを否定した。「美幸。まだ一日しか経ってないけれど、この子達を見れば分かるわ。貴方は充分良くやってくれてる。その証拠にこのキレイになった家にちゃんとした朝食。それにお弁当も準備済み。貴方に任せた甲斐があったわ。だから、ドームツアー中も一緒にこの子達の面倒を見てほしいのよ」「それに......」と今度は何かニヤリとして、「念願の初ドーム公演よ?!小箱から応援していた貴方にとっては間近で観れるまたとないチャンスよ!どう?どう?!」ドーム公演は喜子同様、美幸も強く願っていた。だから美幸の返事は"Yes"以外になかった。「それなら......。その話し受けるよ!」「貴方ならそう言ってくれると思っ......」「ちょっ、ちょっと待ったァー!!」「何よ翔汰。今良いところなのに......」「思わず話しを流れて聞いてたけど......」翔汰が一息置くと、五人が一斉に、「「ドームツアー?!」」と叫び声を上げた。「うわっ!ビックリした。え?皆さん知ってて今まで話し聞いていたんじゃないんですか?」「いやいや!初耳、初耳だよ!どういう事だよ、社長!」そう言うと皆の視線は喜子一点に集められた。喜子はその視線を一身に受け、目を一瞬閉じると、「ゴメーン!サプライズのつもりで今まで黙ってたのよー!」「てへぺろっ!」とすると、メンバー達から猛烈な抗議の声が上がった。しかし、その抗議も次第に薄れ、どんどん喜びへと変わっていった。「ヤベー!オレ達がドームツアー?!」「気合いを入れなくて
last updateÚltima actualización : 2026-08-04
Leer más

episode13

「まぁ、貴方達もあまり浮かれ過ぎずに、気を引き締めた行動をとるように!ツアー前にケガだの、スキャンダルだのと問題を起こさないようにね!」喜子はそう言うと、「さ、これから事務所に行って細かなスケジュールを確認してもらうわよ」とメンバー達と白田を連れてシェアハウスを後にしようとした。その前に「あ」と声を漏らすと、「美幸にはまた別途連絡するから、今日は引っ越し済ませちゃいなさい」と言って皆でシェアハウスを出て行った。「朝からビックニュースだったなぁ......。でも皆の夢のドームツアー......。楽しみだなぁ」美幸は食べ終わった食器を流しへ持っていくと、洗い物を始め、それが終わると掃除機に風呂、トイレ掃除、洗濯と一通りの家事を済ませ、部屋着から私服へと着替えた。そして、「荷造りしに実家に行くか」と家を出ようとした時、"ピンポーン"とチャイムが鳴った。誰だ?と思いつつインターフォンを確認すると初めて見る顔が立っていた。「ど、どちら様ですか......?」「初めまして。桃瀬社長から頼まれて引っ越しの手伝いに来ました"黒川"と申します」「い、今開けますね!」美幸は急いで玄関ドアを開けると、黒川と名乗った男が「こんにちは」と笑顔を向けてきた。「急に知らない顔が来てビックリしてしまったでしょう。軽トラで来たので、荷物一気に運べますよ」「それは助かります!......でもお忙しいんじゃないですか?来年の夏からLUMINOUSのドームツアーが始まるって聞きましたけど......」「あぁ。そう言えば美幸さんもスタッフとして同行して下さるはずと社長が言ってましたね。大丈夫ですよ。まだそんなに切羽詰まった状況ではないので」黒川はそう言うと、「準備が出来ているなら、これから美幸さんの実家に行きましょう」と促してきた。美幸は戸締りを確認すると、「それじゃあ、お願いします」とシェアハウスを後にした。実家への道すがら、黒川からは喜子の敏腕ぶりやLUMINOUSの仕事について、聞いても良い範囲で色々と話しを聞いた。黒川から聞く芸能界の話しはとても華やかで縁遠い世界だなと思った。「しかし......、社長に弟さんがいるのは聞いていましたが、こんなに美人な方だったとは。スタイルも良いし、どうです?ウチでモデルでもしてみませんか?」「も、モデル?!ですか?!」「えぇ。社長も前
last updateÚltima actualización : 2026-08-05
Leer más

episode14

「いーなぁ、いーなぁ!美幸の手作りお弁当!」「社長、五人が引き気味になってますよ...。」「......社長ってクールビューティのイメージが強かったのに......」「だって......、美幸のご飯なんて食べられる機会なかなか無かったんだもの」「アレ?でも実家で一緒に暮らしてたんでしょー?」「実家だと主に母さんが作ってたから......。いつの間に花嫁修業してたのかしら......」喜子の"花嫁修業"発言に喜子以外のメンツは思わず飲んでいた水を吹き出した。「ちょっとー。事務所を水浸しにしないでよぉ?」「......それなら変な事を言うのはよせ。」「そーだそーだ!」「何よ。貴方達、美幸の事ちょっと良いなぁー、なんて思ってるんじゃない?貴方達になら......悔しいけど、あの子の事任せられる......くっ......」喜子の発言にメンバーは「オレ達全員男ですケド?!」と思ってしまった。あえて口に出さないのは、口にしたら絶対、「ウチの弟のどこが気に入らない訳?!」と食ってかかってくるに決まってるからである。「社長。酔っ払いみたいな事言ってないで、そろそろ"ドームツアー"について話しませんと」白田がそう言うと、五人は"ピリッ"と緊張感に包まれた。初のドームツアーだ。緊張しない訳がない。喜子は気を取り戻すと、"ゴホン"と咳払いをし、話し始めた。「今回は、札幌・福岡・東京・名古屋・大阪、全十五公演を予定しています。ライブハウスみたいな"箱"では経験出来ない事だから皆、しっかりね!ダンスレッスンもボイトレも今まで以上にスパルタで行くからそのつもりで!」「七十五万人行けば御の字ね。」と具体的な数字を示した喜子に五人は「自分達にそんな人数を集客する事が出来るのか...」と急に不安に襲われた。そんな空気を悟った喜子は「大丈夫!」と力強く肯定した。「貴方達には熱烈なファンがたくさんいるわ。それこそ、今身近に一人いるじゃない」「「!」」そうだ。自分達には美幸のような熱烈なファンがいてくれる。美幸は"小箱"の頃から自分達を見続け、応援し続けてくれている。彼は自分達にとって特別な存在だ。それに気が付いたメンバー達は自分達の中に芽生えた"何か"に疑問を持った。"この気持ちは一体、何なのだろうか?"そうモヤッとした初めての気持ちに5人はいたたまれなくなった。
last updateÚltima actualización : 2026-08-06
Leer más

episode15

黒川を連れ、軽トラに乗り桃瀬宅へと向かう。...こんなにも軽トラが似合わない人間がいるであろうか。「そう言えば、美幸君、昔、高校生くらいの時にLUMINOUSのライブに来たりしてませんでしたか?」「え?あ、はい。一度だけ......」「やっぱり!印象が変わり過ぎて、先程は初対面のような態度をとってしまいましたが、今さっき思い出したんですよ。私もあのライブが初仕事でワタワタしていて挨拶出来なかったなんです。すみませんでした。......それにしても別人のように垢抜けましたね」「あ、ありがとうございます......」そうこうしている間に2人を乗せた軽トラは桃瀬宅へとたどり着いた。実家に帰る事は事前に伝えていなかったので、チャイムを鳴らした。するとインターフォンから母の声が聞こえてきた。「はい。あら?美幸?」「うん。ただいま。ちょっと引っ越しの作業しに来た」「あらあら。そうだったのね。上がってちょうだい」美幸は黒川を伴い家へと上がる。すると母がエプロンで手を拭きながらやって来た。「おかえりなさい、美幸。この間は突然の事でお見送りらしいお見送り出来なかったから、少し心配してたのよ?あら?そちらの方は?」「初めまして。喜子社長の部下で黒川と申します。本日は社長からの命で美幸さんの引っ越し作業の手伝いに来ました」「まぁ、喜子の。いつもお世話になっております」「いえいえ!お世話になっているのは私の方です!」「母さん。そろそろ......」「あら、ごめんなさい。手を煩わせてしまったわね」「それじゃあ、オレ達は引っ越し作業に入るから」「はいはい」「黒川さん、オレの部屋二階です」そう言うと美幸は黒川を自室へと案内した。そして美幸の部屋に入った黒川は絶句した。壁から天井まで、LUMINOUSのポスターやタペストリー。棚やデスクの上にはCDやDVD、アクスタが。「こ、これは凄いですね......。まさかここまでのファンだったとは......」「オレ、一度ハマると沼っちゃって、収集癖が加速しちゃうんです」「なる程......」「シェアハウスには服とかPCだけ持っていこうと思います」「......グッズは良いんですか?」「生身が身近にいるので、過剰摂取になってしまいます」美幸は"キリッ"とした顔を黒川に向けた。「でもCDくらいは持って行っ
last updateÚltima actualización : 2026-08-07
Leer más

episode16

荷物を全て軽トラに積み込み、いざ、シェアハウスへ行こうと車内に乗り込もうとした時、玄関から「美幸!」と呼ぶ声に呼び止められた。声の主は母であった。「まさか、いきなり住み込みの仕事をするなんて思ってもみなかったわ」「それはオレもだよ」「喜子も強引な所があるからね。でもそれは貴方を想っての事なんでしょうし。一日過ごしてみてどう?皆さんにご迷惑おかけしてない?」「大丈夫ですよ、お母様。美幸さんのお陰でシェアハウスはだいぶ......いえ、かなりキレイになっていたので、私は直接拝見はしていませんが、とても良い仕事をしてくれていたと思います」「ですから安心して下さい」と黒川が言うと、第三者からの目線での言葉に母は安心して、「これから美幸の事をよろしくお願いしますね」と言って、美幸と黒川二人を見送った。「優しいお母様ですね」「心配性なだけですよ。それで......あの、黒川さん」「はい。なんでしょうか?」「荷造りしながら考えたのですが......翔汰さんとのモデルの件、受けてみようと思います」「!本当ですか?!」「再度確認しますが...本当にオレで良いんですか?」「もちろんです!社長もお喜びになります!」「細かい事はまた連絡させて頂きますね」と黒川は嬉しそうにハンドルを切った。「それにしても思い切りましたね。返事はまだ先でも良かったのに......」「......あんまり待たせるのも悪いなって。......それに......」「それに?」「自分に出来ることならチャレンしてみるのもありかなって」「素晴らしいです。とても良い事だと思いますよ。その決断と考えに、社長もお喜びになりますね」「姉の力を借りてばかりですけどね」美幸がそう言うと黒川は首を横に振った。「使えるものは使ってなんぼです。それに社長の意思があったのも確かですが、スカウトしたのは私です」「なので貴方の実力と言うか魅力が勝ったんですよ」と黒川は笑みを浮かべて言った。その黒川の言葉に美幸は擽ったく感じて照れた顔を見られたくなく、赤くなった顔で俯いた。そうこうしている間に軽トラはシェアハウスへとたどり着き、荷物を美幸の部屋へと運ぶと、「コーヒーでも入れますよ。」と美幸は黒川に声をかけた。「良い香りですね」「コーヒー好きの両親の影響で。こう見えてコーヒーにはうるさいんですよ?」
last updateÚltima actualización : 2026-08-08
Leer más

episode17

事務所でのミーティングが終わり、ダンスレッスン前に美幸から持たされた弁当を広げた。そこには色とりどりのおかずとおにぎりが入っていた。これだけ手の込んだ弁当を作るなんて、頭が上がらないな。と晴は思った。これは味わって食べなくては。と思っている晴の横で、ガツガツとかき込むように食べている翔汰の姿があった。「翔汰。もう少し落ち着いて食べる事は出来ないのですか?」「ア?美味いもんを美味いって食ってるんだ。何が悪いか?」「......食べ方の問題なのですが......」「そうだよショウ君。ヨシ君が丹精込めて作ってくれたお弁当をあまり雑に食べないでよね?」「......しゃーねぇな。分かったよ......」晴と澪里の二人に責められては翔汰も聞かざるを得ない。理と聖も口には出さなかったが、目で「落ち着いて食えないのか」と訴えていた。翔汰は縮こまるしかなかった。そんな翔汰の弁当箱から玉子焼きが一切れ姿を消した。翔汰が「アァ?!」と振り向くと、口をもぐもぐと動かす喜子の姿があった。「んー!流石美幸の玉子焼き。甘さが丁度いいわ」「社長!オレの玉子焼き!」「あら。味わっているように見えなかったから代わりに食べてあげたのよ?感謝なさい」翔汰は「ぐぬぬ」と身じろぐと今度は静かに弁当に箸をつけ始めた。それを見た喜子は「よろしい」と言わんばかりに腕を組み、今度は乱暴な食べ方をしないように目を光らせていた。そうしている時、喜子のスマホに連絡が入った。「はい。黒川君?そっちはどう?引っ越しは順調かしら?」どうやら通話の相手は黒川らしかった。五人が「引っ越し?」と思っていると白田が「美幸君の事ですよ」と伝えてきた。「引っ越しは済んでいなかったのか?」「急な事だったので数日分の荷物しか持ってきていなかったんですよ。だから黒川君が美幸君の引っ越しの手伝いに駆り出されたんです」「なるほどー。たしかに荷物少なかったもんねー」「でも、そんな黒川さんからなんで連絡が入ったんでしょう?何かあったんですかね?」五人と白田がそんな会話をしていると、急に喜子が「え?!」と大声を上げた。「黒川君!よくやった!!貴方に行かせて正解だったわ。まさかあの子が了承してくれるなんて......!!」喜子がとても喜んでいるのを見て「なんだなんだ?」「何があった?」と疑問の声が上がった。喜子は「ま
last updateÚltima actualización : 2026-08-09
Leer más

episode18

「はい。ではそう言う事で。失礼致します」「姉さん、なんて言ってましたか?」「大変お喜びでしたよ」コーヒーを飲んで一息ついた後、黒川は早速社長である喜子に美幸のモデルの承諾の返事を電話した。「それはもう、狂喜乱舞かのように喜ばれていましたよ」と言うと、美幸は「あはは......目に浮かぶ......」と若干呆れてしまった。「さて、と。荷解きをしましょうか」「そうですね。まぁ、荷物を仕舞うくらいですけどね。あ、でもPCの組み立てもあるか......」「コンセントを挿せば良いだけなのでは?」「ちょっとカスタマイズしているので......。最近パーツも買ったので、引っ越しついでに付けようかと」黒川は「PCは家電屋で売ってる状態が完成形なんじゃないのですか?!」と驚いた。「まぁ、オレはゲームをよくしているので、それに見合ったスペックが必要なんですよ」「なるほど......。美幸君は頭が良いんですね」黒川がそう発した瞬間、美幸はどんよりとした雰囲気を纏った。「......頭が良ければ大学受験失敗してないです......」「!」黒川は「墓穴を掘ってしまったか......」と発言を後悔したが、美幸が顔を"パンッ"と叩くと、「すみません。過ぎた事をグチグチ言うのは良くないですね!」と言うと黒川に笑みを向けた。「......見た目だけじゃなくて、考え方も前向きになったんですね」「え?」「社長は以前から"私達が過度に期待してしまって、プレッシャーをかけてしまったのがいけなかったのよね"と仰っていました。それで部屋に籠ることが多くなったとも」「あはは......。今となっては黒歴史ですけどね」美幸が笑ってそう言ってのけると、PCを組み立て始めた。「姉さんは"自分達のせいで"って言うけど、オレにも落ち度はありましたし。......それにこうしてこの仕事が出来るようになったのも、ある意味受験が失敗したお陰?ですし」「だから後悔していません」そして、「推し達の私生活を守る大事な仕事です!キッチリこなしますよ!」と美幸は"キリッ"とした顔つきになった。黒川は思わず「ふふっ」と笑みを零すと、衣服をクローゼットに仕舞っていった。黒川の零した笑みに美幸は頭に"?"を浮かべると、黒川は「すみません......」と言った。「やはり社長の言う通り、あの子達の世話を
last updateÚltima actualización : 2026-08-10
Leer más

episode19

「ふぃー。ただいまぁ。疲れたァ」「今日の先生、何時にもなく指導に力が入ってましたね......」「お前達の鍛錬が足りないだけだろう?」「サト君はパワフル過ぎるんだよ......」「お腹空いたー。ん?この匂い......カレーだー!」「おかえりなさい。お疲れ様です!」荷解きが終わった後、黒川に車...もとい軽トラを出してもらいスーパーで買い物をした美幸は桃瀬家伝統のスパイスを使い海鮮カレーを作った。やはり疲れている時は辛いものだろう!と言う美幸の謎理論が発揮され、スパイスの調合から作った力作である。味見をした時、「オレ天才では?!」と思う程、桃瀬家スパイスと美幸お手製スパイスは相性が良かった。「皆さん手と口を洗って来て下さい。盛り付けておくので」「分かりました」そうして五人は洗面所へと向かって行った。そのとき、「美幸、オレ大盛りな!」と言う翔汰の声が聞こえてきた。味見もせずに大盛りをリクエストしてくれるとは、料理の味が信用されているな、と美幸は嬉しく思った。「腹減ったァ。お!メッチャ美味そう!」「海鮮カレーか。良い匂いだ」「早く食べよ♪僕もうお腹ペコペコ!」「それじゃあ皆さん。手を合わせて」「「いただきます!」」号令をしてからの五人は凄まじかった。それ程お腹を空かせていたのだろう。無言でガツガツと食べていた。「み、皆さん、そんなに急がなくても多めに作ったのでオカワリならありますから、ね?」「だからゆっくり食べて下さい!」と美幸が言うと、5人は一斉に水を飲んで水分を身体に巡らせた。「すみません。あまりにも美味しくて、つい」「それは良かったです!スパイスから調合しました」「えー!カレールーじゃないの?!凄い!」「どおりでこんなに美味しい訳だ!」と澪里が言うと、聖が、「ルーとかレトルトじゃなくてもカレーって作れるんだー」と感心していた。皆が一杯目を食べ終わると、全員がオカワリに席を立った。大鍋で作ったはずのカレーは見事にスッカラカンとなった。「そう言えば美幸。お前、モデルの仕事受けたんだって?」「オレが相手のヤツ」と翔汰が言うと、他のメンバーも気になっていたようで、聞き耳を立てた。「はい。ご迷惑をかけるかもしれませんが......」「迷惑なんて思わねぇよ」「むしろ楽しみにしてるぜ?」そう言うと翔汰は笑みを浮かべカレーを貪
last updateÚltima actualización : 2026-08-11
Leer más
ANTERIOR
1234
ESCANEA EL CÓDIGO PARA LEER EN LA APP
DMCA.com Protection Status