All Chapters of 御曹司の俺が正体を隠してレンタル彼氏を試したら、まんまと本気になった話: Chapter 1 - Chapter 4

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初めてのレンタル彼氏

俺は恋愛を知らないまま、あと2週間で20歳の誕生日を迎えようとしている。けれど、相手を探す術がない。俺の恋愛対象は男性だ。このことは、誰にも話していない。いや、話せる状況ではない。俺はいつも自分を偽って生きてきた。なぜなら、俺は日本を代表する大企業の御曹司だからだ。一人息子の俺が、女性に興味がないとは口が裂けても言えない。俺には後継者を残す義務と責任がある。俺は、幼い頃から人の上に立つ者としてありとあらゆる教育を叩き込まれてきた。厳格な父親は俺に常にトップであれと言い聞かせた。俺も父親の期待にこたえようと必死だった。だが、ある時、俺は気づいたのだ。俺には何もないと。父親の敷いたレールの上を歩いてきただけの俺は、自分の意思を持たない空っぽな人間になっていた。その事が無性に怖かった。だから、俺は狭い鳥籠から逃げ出した。父親を説得し、大学卒業後は家業を継ぐことを条件に、4年間の自由を得た。そして俺は一人暮らしを始めた。学費以外の援助は一切無い。これも自由を得るための条件だった。実家の風呂場ほどの広さのワンルームを借りた俺は、最低限の荷物だけを持って家を出た。一人暮らしを始めて、俺がいかに甘やかされていたかを実感した。ここには、お手伝いさんも居なければ、運転手も居ない。自分で食事を作り、掃除と洗濯をする。移動手段にはバスか電車を使う。今までの俺の当たり前の日常は、常識では通用しないことを知った。そして、一番の問題は金だ。一人暮らしを始める時、父親はクレジットカードを没収した。金を稼がなくては家賃も払えない。俺は生まれて初めて労働をした。生きていくためには働かなくてはならない。父親は俺が根を上げると思ったのかもしれない。しかし、自分で選んだ以上、この自由の代償は払うと心に決めていた。そして、学生生活では年相応な男子大学生を演じた。ブランド物の服を着こなす俺はそこには居ない。生まれて初めてスウェットを着て外を歩いた。同級生にも俺の正体を悟られないように、明るい俺を演じた。ここでの俺は、大企業の御曹司ではなく、ただの男子大学生なのだ。今まで、俺に近づいてきた者で、俺自身を見てくれた人は居なかった。彼らの目的は俺の金とコネだ。俺はそんな人間関係に嫌気がさしていた。だから俺は、華やかな大学生活なんて1ミリも望んでいないのだ。だが、やはり寂しい夜はある。俺の一日は大学
last updateLast Updated : 2026-08-04
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初めてのレンタル彼氏

早速、俺はレンタル彼氏のサイトへ飛んだ。未知の世界への入口の鍵は、ワンクリックだった。だが、この行動が俺の運命を大きく変えることになろうとはこの時の俺はまだ知らない。「全員イケメンばっかだな」俺は写真と源氏名を見比べた。そもそも、男がレンタル彼氏を頼んでもいいのだろうか?先にゲイだとカミングアウトすべきなのか?俺にとって未知の世界だ。悩んだところで答えは出ず、俺はひとまず直感で、一人選ぶことにした。それにしても悩む。可愛い系のイケメンから、クール系のイケメン、そして、大人の色気を醸し出しているイケメンまでそれぞれ違った良さがあった。「誰にしよう」誕生日を祝ってくれて、俺と他愛のない話をしてくれる人。二人で笑いあって、楽しくお酒を飲める人。俺はシュチュエーションをイメージし、やっと1人に絞った。「名前は塁。22歳。クール系イケメン。俺と2歳年上か。見た目も大人っぽい。よし、彼にしよう」レンタル彼氏を決めた俺は、細かなプランを検討することにした。まず、ここのレンタル彼氏派遣会社では、性的サービスが一切禁止されているようだ。元々俺は、身体目的で依頼するわけではないので、俺にはもってこいの条件だ。健全なデートが出来るならそれでいい。「料金プランは……これか」次に俺は、一番重要な料金システムについて調べた。相場は知らないが、恐らく安いサービスでは無いはずだ。今の俺はただの大学生だ。アルバイトの給料で払えるのだろうか。「1時間4000~5000円。指名料が1000円で、別途交通費とデート費用。なるほど」こちらが依頼するわけだから、デート費用を負担するのは当たり前だ。だが、今の俺のバイト代で全額支払うのは正直きつい。だが、この塁という男性にどうしても会ってみたかった。「よし、バイト増やすか。日時は2月4日午前11時に駅前希望っと。デートプランは、おまかせでいいか」俺は必要事項の入力を初めだ。2月4日は俺の20歳の誕生日だ。デートプランと言われても、恋人いない歴=年齢の俺にはハードルが高すぎる。全ての入力を終えた俺は、決意が鈍らないうちに送信ボタンを押した。すると、数分後、メールが届いた。「ご指名ありがとうございます。初めまして、塁と申します。その日時でよろしくお願い致します。デートプランはお任せということで、3時間パックで考えています。料金は初回割
last updateLast Updated : 2026-08-04
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父との確執

塁にメールを送ってから3日目の朝。俺は悩んだ挙句、塁に正直に話すことにした。やはり、性別を隠して会うことはよくない。「おはようございます。事前に、ひとつお伝えしたいことがあり連絡しました。僕は智也と申します。性別は男です。塁さんが男の僕とデートをしたくなければ遠慮なく仰ってください。今日まで打ち明けられず、申し訳ございませんでした」俺のことを知って断られたら、今回は縁がなかったと思おう。俺は決心が鈍らないうちに、送信ボタンを押した。俺はメールを送信してから、返信がくるまでの間、何度もスマートフォンを確認した。すると、メールを送信してから10分を過ぎた頃、塁から返信が届いた。「智也さん、おはようございます。連絡ありがとうございます。俺に打ち明けてくれたこと、とても勇気がいっただろうと思います。話してくれてありがとうございます。俺は智也さんの性別を全く気にしません。むしろ、時間の許す限り智也さんの恋人になれることを嬉しく思います。この度は俺を選んでくれてありがとうございます」塁からの返信は、まさに俺が求めていた言葉ばかりだった。まだ会ったこともない塁に俺は、不覚にもときめいてしまった。これが営業トークだと分かっていても、悪い気はしない。こうやって、沼にハマっていくのだろう。だが、俺はハマらない。ハマったところで、俺の自由はあと二年だ。今だけ、楽しく過ごせる相手が居ればそれでいい。「デート当日は僕の20歳の誕生日なんです。だから、僕とデートしてくれてありがとうございます」俺は塁にメールを送った。それだけなのに顔が緩んだ。「智也さんの大切な時間を、俺と過ごすことに使ってくれて、ありがとうございます。最高の誕生日にしましょう」塁からの返信を確認した俺は、スマートフォンを握り、ベッドに仰向けで横になった。「塁。どんな人なんだろう?」俺は天井を見ながら呟いた。御曹司でもない、ただの大学生の俺を見た時、塁はどんな反応をするだろうか。ありのままの俺を受け入れてくれるだろうか。トゥルルルルルル……その時、スマートフォンが鳴った。画面には『父』の文字が表示されていた。俺は起き上がり、通話ボタンを押した。「もしもし」「智也か」「はい」久しぶりに、父親の声を聞いた俺の身体は強ばった。父はいつでも俺を支配してきた。「お前の20歳の誕生日。家に帰ってこい」
last updateLast Updated : 2026-08-05
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レンタル彼氏『塁』

あっという間に、誕生日デート前日になってしまった。この日も俺はいつものように、大学とアルバイト先の往復で一日を終えた。コンビニ弁当を食べながら、明日のデートについて考えていた。デートをした事のない俺が、考えた所でどうにもならないが、せめて、見た目くらいはまともにしたい。そうは言っても、一人暮らしを始めてから、服を買うこともなくなった。今更ながら、美容院に行けばよかったと後悔した。このボサボサの髪をなんとかしたいが、もはやワックスで誤魔化すこともできないだろう。 「あー、相談する相手も居ない……」大学生活では必要以上に人と関わらないように過ごしているため、親しい友人は居ない。アルバイト先でも同様だ。俺は悩だ挙げ句、いつもと変わらないジーパンにチェックのシャツという無難な格好におさまった。靴は履き慣れたスニーカーにしよう。髪型は、帽子を目深に被れば誤魔化せると信じたい。俺は一通りの準備を終え、ベッドに横になった。スマートフォンのアラームをセットし、部屋の灯りを消し、目を閉じた。だが、全く眠れる気配がしない。俺は、今になって緊張がピークに達した。結局、俺は一睡も出来ないまま朝を迎えた。______________________俺は目の下のクマを隠せないまま、待ち合わせの駅前に向かった。時刻は10:30俺は、待ち合わせよりも30分早く着いてしまった。塁らしき人物はまだ居ないようだ。そもそも、俺がここにいること自体、場違いでは無いだろうか?俺は自分の服装を何度も確認した。不安すぎて、落ち着かない。「あの、もしかして、智也さんですか?」すると、低めのよく通る声で、誰かが俺に話しかけてきた。俺は声のする方ヘ振り返った。そこには、黒髪でスラッとした長身のイケメンが立っていた。「は、はい。智也です」「やっぱり!会えてよかった。お待たせしてごめんなさい」「お気になさらず。俺もさっき着いたので」「初めまして、塁と申します。本日はご予約ありがとうございます」「いえ、こちらこそ付き合ってくれてありがとうございます」俺はなんとか平常を装い答えた。「智也さん、緊張してる?」「はい、とっても」「智也さん、肩の力抜いて?今日は思いっきり楽しもう。折角のデートなんだから」俺は、こんなにも格好いい人と並んで歩くのか?塁は身につけるものや、佇まいにおいて、全
last updateLast Updated : 2026-08-05
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