LOGIN大企業の御曹司である湊智也は、父親を説得して大学卒業までの4年間だけ自由を得た。智也は正体を隠し、学生生活とバイトに明け暮れる日々を過ごしていた。そして迎えた20歳の誕生日。智也の恋愛対象は男性。しかし、その事を誰にも言えずに、気づけば恋人がいない歴=年齢になっていた。そこで智也は、思い切ってSNSの広告で見かけたレンタル彼氏を試すことにした。右を左も分からない智也が直感で選んだ相手が、レンタル彼氏NO.1の塁だった。初めは塁との疑似恋愛を楽しんでいた智也だが、その心に変化があらわれて……秘密を抱えた2人の疑似恋愛から始まる恋の行方は?
View More俺は恋愛を知らないまま、あと2週間で20歳の誕生日を迎えようとしている。けれど、相手を探す術がない。俺の恋愛対象は男性だ。このことは、誰にも話していない。いや、話せる状況ではない。俺はいつも自分を偽って生きてきた。
なぜなら、俺は日本を代表する大企業の御曹司だからだ。一人息子の俺が、女性に興味がないとは口が裂けても言えない。俺には後継者を残す義務と責任がある。俺は、幼い頃から人の上に立つ者としてありとあらゆる教育を叩き込まれてきた。厳格な父親は俺に常にトップであれと言い聞かせた。俺も父親の期待にこたえようと必死だった。
だが、ある時、俺は気づいたのだ。俺には何もないと。父親の敷いたレールの上を歩いてきただけの俺は、自分の意思を持たない空っぽな人間になっていた。その事が無性に怖かった。だから、俺は狭い鳥籠から逃げ出した。父親を説得し、大学卒業後は家業を継ぐことを条件に、4年間の自由を得た。
そして俺は一人暮らしを始めた。学費以外の援助は一切無い。これも自由を得るための条件だった。実家の風呂場ほどの広さのワンルームを借りた俺は、最低限の荷物だけを持って家を出た。
一人暮らしを始めて、俺がいかに甘やかされていたかを実感した。ここには、お手伝いさんも居なければ、運転手も居ない。自分で食事を作り、掃除と洗濯をする。移動手段にはバスか電車を使う。
今までの俺の当たり前の日常は、常識では通用しないことを知った。そして、一番の問題は金だ。一人暮らしを始める時、父親はクレジットカードを没収した。金を稼がなくては家賃も払えない。俺は生まれて初めて労働をした。生きていくためには働かなくてはならない。父親は俺が根を上げると思ったのかもしれない。しかし、自分で選んだ以上、この自由の代償は払うと心に決めていた。
そして、学生生活では年相応な男子大学生を演じた。ブランド物の服を着こなす俺はそこには居ない。生まれて初めてスウェットを着て外を歩いた。同級生にも俺の正体を悟られないように、明るい俺を演じた。
ここでの俺は、大企業の御曹司ではなく、ただの男子大学生なのだ。今まで、俺に近づいてきた者で、俺自身を見てくれた人は居なかった。彼らの目的は俺の金とコネだ。俺はそんな人間関係に嫌気がさしていた。だから俺は、華やかな大学生活なんて1ミリも望んでいないのだ。
だが、やはり寂しい夜はある。俺の一日は大学とアルバイト先の往復で終わる。夜遅く帰宅し、テレビを観ながら、コンビニ弁当を食べる日々。俺は他愛ないことを、気兼ねなく話せる相手が欲しかった。俺の人生でそんな相手は一人も居なかった。
俺はいつものようにSNSの投稿を何気なく見ながら、気に入った投稿にいいねをつけた。そうしていると、あるひとつの広告が目に飛び込んできた。
『レンタル彼氏貸します』
俺はいつもなら素通りする広告に目を奪われた。20歳の誕生日をひとりで過ごすなんてごめんだ。嘘でもいい。一日だけ、理想の相手と過ごしても許されるのではないか?俺の自由は期限付きだ。だからこそ、今しかできないことをやろう。こうして俺は未知の世界の扉を開いた。
「塁さん、起きて」「うーん……智也、着替えたの?」「塁さん寝ぼけてないで。チェックアウトまで、あと、10分しかないよ」俺は初めて知った。塁の寝起きがわるいことを。「塁さんも着替えて」「……分かった。智也、そこの下着とって」俺は床に散乱している塁の服を拾った。シーツの乱れが、塁との行為の激しさを物語っていた。「智也どうしたの?顔赤いけど」「ううん、なんでもない/」「そっか」「塁さん、行くよ」俺は振り返り、塁を見た。すると、首筋にくっきりと赤い痕が付いていた。塁の肌は白く、その痕は余計に目立った。「あ、これ?しっかり付いてるね」「そうじゃなくて/」「なに?智也が付けたんでしょ?」「そうだけど……目立つから//」「そうだな。当分は消えないね」「……ごめん」「謝らなくていいんだよ。俺は嬉しかったけどね」「どうして?」「智也も俺と同じ気持ちだったから」塁は俺を見つめ、唇に優しくキスをした。「帰ろう。智也」「うん」俺と塁は、手を繋いで昼間の街を歩き出した。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「ただいま」自宅に帰ると、美和子が俺と塁を出迎えた。「おかえりなさいませ」「美和子さん、届いてる?」「はい。リビングに設置してあります」「ありがとう」俺から贈る塁へのプレゼントが、やっと届いた。俺は塁の手を引き、リビングへ急いだ。「え……ピアノ?」「ピアノの話をしていた塁さんは、とても優しい表情をしていたから」「俺のために?」「うん」「ありがとう。智也」塁はピアノの椅子に座った。それだけでも、十分、絵になる。そして、鍵盤に指を置いた。「智也、リクエストある?」「塁さんの思い出の曲を」「承知しました」すると、塁は一瞬、目を閉じた。俺は塁の最初の一音を固唾を飲んで見守った。だが、そんな心配は無用だった。静まり返ったリビングに、塁の奏でる音色が心地よく響いた。「塁さん、すごい!」俺は全力で拍手をした。これから、塁は俺の店でピアノを弾くことなる。だからこそ、俺だけの為に演奏してくれた今日は特別な日となった。「素敵な演奏をありがとう」「どういたしまして。智也もピアノありがとう」「そう言えば、今の曲の曲名は?」「あの曲は母が作った曲なんだ。だから、曲名は分からない。でも、この曲を弾くと、母の叫び声が聞
「もう……無理……」俺はベッドにうつ伏せになったまま、動けなかった。腰が痛い。塁と夢中でやりすぎてしまったようだ。だが、この痛みは塁と繋がった証。そう思うと、痛みすら嬉しくなった。「智也、腰さすってあげる」「塁さんの体力おばけ」「それって褒め言葉?」「さぁね」「俺はまだ出来るけど……」「え!?さすがにこれ以上は……」「分かってる。冗談だよ」塁は微笑み、俺の額にキスをした。「智也おいで?ドライヤーしてあげる」塁に呼ばれた俺は、バスタオルを持って彼の傍に移動した。塁は慣れた手つきで、俺の髪を丁寧に拭いた。そして、優しくドライヤーの温風を髪にあてた。こんな風に、塁と穏やかな時間を過ごせている今が嘘みたいだ。「よし、乾いたよ」「塁さん、ありがとう」「そういえば、あの夜は智也が俺の髪を乾かしてくれたよね」「そうだったね」「あの日、俺と一緒に居てくれてありがとう」「どういたしまして」ふと外を見ると、今夜も綺麗な月が見えた。「今日は満月かな?」「そうかも」「綺麗だな」そう言いながら、塁が月を見上げた。俺は塁の美しい横顔を目に焼き付けた。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「おはよう」「塁さん、起きてたのか。おはよう」俺は塁の顔を見た瞬間、昨夜の記憶が鮮明に蘇り、恥ずかしさのあまり布団を被った。「恥ずかしい。無理//」「ははっ、俺は平気だよ?」「塁さんは平気でも俺は無理///」「そっか。なら先に起きるね。シャワー浴びてくるよ」寂しそうな塁の声がした。俺は思わず、布団から飛び起きた。「やっと智也の顔が見れた」塁は微笑みながら俺を見つめた。「身体は平気?」「うん、平気」「智也、こっちきて?」すると塁は俺を抱き寄せた。「もう少しこうしてていい?」「うん」 「幸せだ」「塁さん、俺も幸せ」朝、目覚めたら塁が居る。それが何より嬉しい。「ねぇ、智也。今日も一日ここに居ようよ」「塁さん、チェックアウトは守らないと」「チェックアウトは何時?」「11時だよ」今の時刻が8時なので、あと3時間の滞在となる。「塁さん、起きよう。着替えないと」「まだいいじゃん。ね?もう1回する?」「昨日、あんなにやったのに///」「足りない」塁は俺の上に覆いかぶさった。俺を見下ろす塁の表情は恍惚としていて目が離せな
「智也、どうして離れてるの?」「折角、バスタブが広いからゆったり入りたいなぁって……」俺は塁と一緒にバスタブに浸かっていた。恋人と初めて一緒に風呂に入る俺は、風呂場の明るさも相まって、恥ずかしさを募らせた。「まぁ、いいや。俺がくっつくから」「え?//」塁が俺に近づき、後ろから抱き締めた。塁の素肌が俺の肌に直接触れた。それだけなのに、俺の身体は火照ってしまう。「ひゃっ//」「智也、どこから声出してるの?」「だって、塁さんが触るから」「智也の耳、赤くて美味しそうだから」すると、塁は俺の右耳を甘噛みした。それだけで、俺の身体はビクついた。それなのに、塁は容赦なく俺の耳を舐め回した。「あっ……///」俺の声が風呂場に反響した。咄嗟に俺は自分の口を手で塞いだ。その隙に、塁の手が下の方に触れた。俺は思わず塁の方を振り向いた。「塁さん、だめ//」「ん?」「だから触ったらだめ//」「そっか。バスタブの中だと汚れたら大変だよね」塁は俺をバスタブの縁に座らせた。そして、足を広げさせ、俺のモノを手で扱きだした。「あぁっ……/////」「我慢してたの?」「違う/」本当は塁の言う通りだ。恥ずかしいと言いながらも、塁に触れて欲しくて仕方なかった。「ふーん。智也は素直じゃないね」「そんな事、ない……あぁっ……///」塁が俺の中に人差し指を入れた。先程、塁としたばかりな為、指はすぐに奥まで入った。俺の中で塁の細く長い指がうごめいた。その度に、俺は身体を震わせ、快感に耐えた。「お願い……塁さん……」俺は塁を縋るような目で見つめた。もう我慢できない。早く塁が欲しい。「可愛いね、智也は」「塁さん……早く//」塁は指の本数を増やし、更に俺の中を掻き回した。ぴちゃぴちゃといういやらしい音が、風呂中に響いた。「ねぇ……もう、むりっ」「智也なら出来るでしょ?」塁は更に激しく指を動かした。俺が欲しいのはそれじゃない。なのに、気持ちよさには抗えず、俺は腰をくねらせながら、絶頂を迎えた。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「塁さんのバカ!」俺は風呂から出ると、塁な枕を投げつけた。「智也、ごめんって」「ごめんって本当に思ってる?」「思ってる。智也が可愛いから我慢できなかった」「塁さんは意地悪だ」俺は塁に背を向けた。すると、塁が俺を後
今日の塁は止まることを知らなかった。シーツは乱れ、俺たちは汗まみれになりながら互いを求めた。 「塁さん、もう無理」 俺は脱力感に襲われ、うつ伏せのまま動けなかった。そんな俺の腰を塁が優しくさすってくれた。塁の手は温かくて、気持ちよかった。 「塁さんって、その……上手いよね」 「ん?」 「だから、その……//」 俺が言葉を濁していると、察した塁が言った。 「2回もしたのに、恥ずかしいんだ」 「当たり前だろ///」 塁は俺を気持ちよくしてくれる。今日も何回イッたか分からない。だけど、塁はどうなのだろうか?経験豊富な塁にとって、俺との営みは物足りないかもしれない。 「智也さんのそういう所が可愛いんだよ」 「俺は可愛くない」 「可愛いよ。すごくね」 すると、塁は俺の唇に優しくキスをした。 「俺ってキスも上手い?」 「上手い、と思う」 塁しか知らない俺は、曖昧にしか答えられなかった。 「智也さん。何か気にしてるでしょ」 「そんな事は……」 「言って?不安なことは隠さずに」 塁の言葉を信じて、俺は本音を話すことにした。 「だって、塁さんは経験豊富で、俺はそういうの全然分からなくて。いつも俺だけ気持ちよくなってて、塁さん、俺の事飽きるんじゃないかって……」 「そんな訳ない」 塁が俺の両手を握った。そして、俺の目を見つめた。 「確かに場数だけなら俺の方が多い。だけど、好きな人と繋がったのは、智也さんが初めてなんだ。だから、俺が智也さんに飽きるわけない。毎日、好きすぎてどうしようかって考えてるのに」 「塁さん……」 私は一瞬でも塁の気持ちを疑った自分を恥じた。俺は隣に居る塁に抱きついた。 「塁さん、ごめんなさい」 「ううん、嫉妬してる智也さんは可愛かったから」 「嫉妬?誰がしてるの?」 「智也さんが」 「え……」 「無自覚だったのか。智也さんらしいね」 俺は塁に言われて気がついた。塁の過去のベッドの相手に嫉妬していたことに。嫉妬という感情とは無縁に生きてきた俺にとって、この感情は戸惑うものだった。 「俺は、智也さんの初めてを全部欲しい」 「俺の初めてなら塁さんにあげたでしょ?/」 俺は自分で言いながら、顔が熱くなるのを感じた。すると、塁は俺の上に馬乗りになった。 「塁さん?」 「智也って、呼んでいい?」
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