大きな轟音とともに、もともとぐらついていたベランダの掃き出し窓のガラスが、ついに完全に吹き飛んだ。風速60メートル超の暴風が豪雨とともに、一瞬でリビングへ吹き込んできた。部屋の中のあらゆるものが、またたく間に倒れ散らばり、足の踏み場もない惨状になった。ベビーベッドでは、生後2か月にも満たない息子のひろしが物音で目を覚まし、激しく泣き叫び始める。私は産後間もない衰弱した体を引きずり、暗闇の中、ガラスの破片を踏みしめながら必死にベビーベッドへ駆け寄り、わが身で子をかばって、吹き込む風を遮った。「怖くないよ、ママがいるからね。ママがそばにいるから……」私はひろしをぎゅっと抱きしめ、声は震えていたけど、倒れるわけにはいかなかった。ついさっき、ほんの10分前のことだ。私の夫、雷雨は、義姉の美月の「窓が壊れて、一人で怖い」の一言で、ためらいもせずレインコートを羽織り、暴風雨の中へ出ていった。去り際、私は彼の袖をつかみ、外の暴風を指さして、ほとんど懇願するように言った。「雷雨、ベランダのガラスにもうひびが入ってる。風が強すぎる。残ってくれない?」けれど彼はただ面倒くさそうに私の手を振りほどき、眉をひそめた。「清乃、美月さんの家の窓はすでに割れてるんだ。女一人で子どもを抱えて、どれだけ心細いと思う?君は昔からしっかり者だろ。俺が帰るまで家で頑張れるって信じてるよ。兄貴が早くに亡くなって、俺は美月さんをちゃんと面倒を見るって約束したんだ。こんな時にわがまま言うな」――しっかり者?私は出血が止まらない自分のふくらはぎを見つめ、急にすべてがひどく馬鹿らしくなった。運命の相手だと信じていた夫は、私のことを守る必要のない、鋼のように強い女だと思っていた。ひろしをなだめて、ようやく泣きやませると、私は足を引きずりながら洗面所へ救急箱を取りに行った。窓の外でときおり光る雷の明かりを頼りに、ヨード液をめくれた傷口に直接かけた。簡単に包帯を巻き終え、ソファにもたれかかっていると、家族3人でお揃いに着ようと編んでいたセーターが泥水に浸かりきって、元の色もわからないほど汚れているのを目にした。まるでこの5年間の結婚生活そのもののように。交際2年、結婚5年。雷雨は、義兄が最期に残した「美月のことは、頼む」という言葉を、
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