「ルイーズ•エキャルラット、本日をもって貴様との婚約を破棄する」 栄誉あるリュミエール王国学園の卒業パーティー。 絢爛とした広間、色とりどりのドレスを纏った令嬢たち。この国の栄華を集めたような空間であった。 賑わいを見せていたパーティーは、その主役とも言えるリュミエール王国の第二王子であるヴィクトルの一言で、その場は時が止まったような静寂に沈む。 ヴィクトルはその端正で美しい顔立ちをひどく歪めている。怒りを噛みしめ、外に出さないよう耐えるように。 王子の怒号に驚いた者たちは、王子を一瞥してから彼の指さす方を向く。 彼の怒りの矛先は今はまだ彼の婚約者であるエキャルラット侯爵の娘、ルイーズだ。 ギャラリーにいたのはルイーズを嘲笑う者、または憐れむ者。しかし、その中には彼女を憂う者はいなかった。 お世辞にも綺麗に結われているとは言い難い金髪の三つ編みに、丸眼鏡。その身に纏っているのはバラのように上品で華やかな赤色をしているドレス。 一見おとなしそうな見た目でもその背筋はスラリと堂々と伸ばしている。 そのひどくアンバランスでこの場に相応しくない装いに、ヴィクトルはさらに青筋を立てる。 その渦中にいる彼女はと言うと苛立ちを見せるのでもなく、泣き出すわけでもなく、冷静だった。 例えとんちんかんな服装を着ていてもその姿勢はひどく優雅で気品がある。 「おい、ルイーズ。貴様何か言ったらどうなんだ?『社畜令嬢』と呼ばれるお前は俺の指示がなければ何もできないのか。」 怒りに震えるヴィクトルを横目にルイーズは扇子を盾に1つため息をつく。 怒りに震えるヴィクトルを見て何も思わない自分自身か、このような場で婚約破棄を宣言することの意味が分かっていないヴィクトルにたいする失望なのかは彼女自身にしか分からない。 婚約破棄を宣言する王子、それに対して何も思わない令嬢。 本来はめでたいはずの卒業パーティーが異様な空気に呑まれていく。 「はぁ……、了解いたしました。それなら後日、王家でしっかりと話し合いましょう。今日はせっかくのパーティーなのです。私たちのせいで白けてしまってはいけませんでしょう?」 芯のある声が沈黙のなかをスッと通り抜けていく。鳥のようにか細くなく、かと言って獣のような下品な声でもない。 ルイーズは微笑みを浮かべながら一礼をしてこの場を去
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-12 อ่านเพิ่มเติม