私の言葉を聞くなり、悠人は床で泣いていた子供を抱き上げ、そのままDNA鑑定を受けに行こうとした。ところが、美咲が顔色を変えて悠人の腕をつかんだ。「待って、行かないで!柚希ちゃんは私に嫉妬して、私たちを別れさせようとしてるだけなのに、どうしてあの子の言うことを信じるの?私は今まで悠人を裏切ったことなんてないのに、DNA鑑定までするなんて、そんなに私のことが信じられない?」悠人は動きを止め、美咲の手を振りほどこうとはしなかった。ここで鑑定をやめさせるわけにはいかなかった。何より、真相を知った悠人がどんな顔をするのか見てみたかった。「水原さん、ずいぶん慌ててるね。調べられたら困ることでもあるの?」周りの人たちも、鑑定したほうがいいと言い始めた。美咲は私をにらんだものの、何も言い返せなかった。結局、悠人はDNA鑑定を受けることにし、私も2人と一緒に、鑑定を扱うクリニックへ向かった。数日後、鑑定結果が届いた。報告書に目を通した悠人は、それを床に叩きつけ、美咲の頬を張った。「本当に俺の子じゃなかったのか?お前……最初から俺を騙してたのか!」美咲は赤くなった頬を押さえたまま、鼻で笑った。「ええ、騙したわよ。でも、あなたが勝手に信じ込んだんでしょう?もう隠す必要もないから教えてあげる。私はとっくに結婚してるし、この子は夫との子よ。あなたと一緒にいたのも、お金が目当てだったから。そうじゃなきゃ、最初から相手になんてしてないわ」悠人はしばらく何も言えず、美咲をにらんでいた。「だから入籍の話になると、いつもはぐらかしてたのか。最初から俺と結婚する気なんかなかったんだな!ふざけるな!結婚のために500万以上も渡して、妊娠中の生活費や通院費だって200万以上出したんだぞ。今すぐ全部返せ!」美咲は、詰め寄ってきた悠人を押し返した。「勝手に払ったのはそっちでしょ。今さら返せなんて言われても、知ったことじゃないわ」ずっと思い続けてきた相手から、金づるにすぎなかったと言い切られ、悠人はとうとう怒りを抑えきれず、美咲につかみかかって何度も頬を打った。「金を返さないなら、ただじゃ済まさないぞ!」何度も頬を打たれ、美咲は口元から血を流し、顔もひどく腫れ上がっていた。美咲は怒りに任せて悠人の急所を思い切り蹴り上げた。
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