Todos os capítulos de 現実と異世界を往復したら無敵になりましたが謙虚です: Capítulo 11 - Capítulo 20

23 Capítulos

第11話 妹のことは気になるが……

地方の大学に通う俺は基本的に車生活である。大学には自転車で通っているが、遠出や実家への帰省は車である。なので車がない状態での帰省は不自然な為、すぐに転移魔法でアパートに帰宅。妹のことは気になるが、さすがに高校に潜入するのは難しい。周囲からの視覚聴覚を遮断する魔法は永続ではなく、どれだけ装備で強化を施しても30分が限度だからだ。とりあえず自分の大学生活を維持しつつ、こまめに帰省するか……?それとは別に、もうひとつ確認すべき大事なことがある。大学は自分の取っている講義しか受けないので、学年が上がっていくと同級生と言えど会わない日は多い。この日は必修の講義がない日だったので、確認すべき相手、日枝薫(ヒエ カオル)の姿は確認できなかった。……ちゃんと無事に戻ってきているのだろうか。と思っていたら、昼休みに学食で声をかけてくる小柄な眼鏡の女性の姿があった。「あ、日枝さん。ご無事で何より」「湊(ミナト)くんもね」「まさか別々の場所に出るとは思わなかったよ。どこに戻ってきた?」「その……そのことでちょっと話したいから他の場所行っていい?」なんだか緊張した面持ちだったので、場所を人通りのない学内のベンチに移す。……とはいえ、なんとなく相談の内容の予想はつく。「家にゴーレムが出たんだよ」「おーー」「あのゴーレムって、きっと私たちが遺跡で倒した個体だよね」「お気づきになられましたか」「今思い出したら私が初めて向こうの世界に行く前、湊くんオークと戦ってたよね」なかなか鋭い。 あっちとこっちがつながっている現象に気づいてしまったか。「もしかしたらなんだけど、向こうの世界でオークを倒したことはある? ゲームの時でなくリアルの異世界で」「ある。そしてお察しの通りその後にスーパーに出た」「なるほど……」小さく呟いた後、彼女は顎に手を当てて考えを巡らせている。おそらくだが扉を越えたところは自室あたりで、そこでゴーレムと戦ったのだろう日枝さんのレベルならほとんどの敵には対処できるだろう。だが、もし今後ボス級の大型モンスターが彼女一人の時にでも出現するとなると、向こうでどういう行動をとるかは少し考える必要があるな「理由はわからないけど、ご想像の通り向こうで倒したモンスターはこっちにも出る」「それって……全部?」オークやゴーレムぐらいはい
last updateÚltima atualização : 2026-09-01
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第12話 召喚した聖獣

召喚した聖獣カーバンクルを妹の護衛役にしたのが昨日。その後、家に帰ろうとした道中。 天空都市トュリーヤで倒したゴーレムたちが夜道をわらわらと徘徊していた。それを一体ずつ(跡が残らぬよう)風魔法で退治。なんとか帰宅して就寝した時には深夜0時を過ぎていた。そして今は朝の9時。召喚獣を通して物を見たり聞いたりなどはできない。 あくまでもダメージや状態異常を受けたときに、その変化が俺に分かるのみ。要は部内のいざこざで妹の曜に対して不満があった一部の生徒が、放課後にそれをぶつけたってことだろう。それなら兄の俺がわざわざ介入する話ではない。俺がすべきは、怪我や性犯罪みたいなことがないよう、抑止力であることだけだ。基本的にカーバンクルは対象者を自動的に守るので、意に反した接触などがあればオートで防御魔法や回復魔法を発動させる。すると俺はそのステータス変化が分かるので急いで駆けつける。 と、まあそういう予想だ。本来、召喚された聖獣は付与されている本人の命令で攻撃を行う。 だが曜は召喚士(というか冒険者)ではないので、己に付いているカーバンクルの存在にも気づけない。なので、それによる事故(主に相手が死ぬ)もないだろう。と、おれは高を括っていたのだが……午後16時05分。突如、曜に防御魔法が付与された。これは対象が何らかの攻撃行動を受けたという事だが、もしかしたら体育や柔道の授業で不可抗力のダメージを受けただけの可能性もある。だが警戒態勢中に些細な変化を見逃すということは最大の愚行である。 ってことで、移動だ。直接転移するには、自分のかつての母校は繋がりが弱いようだ。なのでまずは実家に魔法で移動し、そこからバスと電車で30分ほど。……高校時代に通学していたことを懐かしく思い出す。裏門のあたりまで来たところで、レーダーの表示を見る。ミニマップの索敵レーダー能力は、敵だけでなく味方の位置も映し出す。すると対象(妹)は体育館の周囲にいることが分かるので、視聴覚を魔法で遮断して学校内に侵入する。この時間にはすでに授業が終了している。校舎の外にはそこそこの学生たちがいて、こっそり侵入するにはある程度慎重な行動が必要だ。あえて草むらや木々の間を通り、体育館の裏まで進む。居た。仁王立ちしている曜と、真っ向から対峙している一人の女子生徒
last updateÚltima atualização : 2026-09-02
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第13話 確かに聞いた

確かに聞いた。異世界の女神『アステラ』の声を。でも何を探すのだろうか……それはこのまま運命に流されながら冒険していれば見つかるものなのだろうか?……などと考えながら、俺はマリチの家で、ラーメンとうどんを足して二で割ったような謎の汁料理をすすっていた。隣では妹の曜、日枝薫が並んで同じように麵入りスープを口にしており、向かい側にはマリチが座ってこっちを見ている。「まあ事の経過をとりあえず話してもらおうか」マリチはいつもののほほんモードよりは、ちょっとだけ真面目な顔をしている。 ―――少しだけ時を戻そう。―――――――――――――――――――――――――異世界から現実世界に転移するときはどこに出るかもわからない。 しかも、複数人で入ると出るところはバラバラ。なのに、風呂場の扉から異世界に行った時は必ずマリチの家の庭に出るらしい。 「また違う子が増えたね!?」扉をくぐると、そこには頭に手ぬぐいを巻いて畑作業をしていたマリチ。そう言いながら手にしていたクワのような道具を横に置く。空中にポンっと水の塊を出し、そこに手を突っ込んでじゃぶじゃぶ洗っている「あああわわ……ここはどこ……」意識混濁、茫然自失になっていた妹の曜がようやく口を開いた。「その娘は?」マリチが混乱している曜に状態異常解除の魔法をかけながら話しかける (横に、効果がない!と出ているが)「俺の妹のヒカリ」「ああ~なるほど」マリチは曜を見ながらにやりとしている。曜はマリチと組んだことはない。俺が二アカウント目を作ったのは、曜をソーファンに引き込んだ時期よりは少し後のことだ。「お久しぶりですマリチさん!」「こんにちはカオル!」現実での1日はソーファン世界の24日。マリチにとってはそこそこお久しぶりなのだ。とはいえ彼女は人よりも長い時を生きる魔妖精族 (人の10倍ぐらい寿命があるらしい…)どのように時間経過を感じているのかはわからないが、にこやかな表情だ「単刀直入に言おう。マリチ。日枝さんと曜を鍛えてやってくれ」「ほう……」マリチの目がギラっと光った。「この……孤高なる大格闘家で」「うん」「聡明なる大学者でもある……」「だよな」「さらに偉大なる大黒魔導士として比類なき魔力を持つ……」「まったくその通り」「博雅なる大召喚士のマリチ=マコチ
last updateÚltima atualização : 2026-09-03
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第14話 古い言葉で宝石

元々カーバンクルという単語は『宝石』を意味する単語であったらしい。それが古くから多くの創作に登場する間に、宝石を持つ幻の動物といった存在に変わっていったとも。ソーマファンタジーの世界においてもその設定は踏襲されており、カーバンクルと赤い宝石には深いつながりがある。らしい。俺たちがやってきたのは『水晶渓谷』と呼ばれる場所である。様々な鉱物が結晶化して地面に露出している渓谷だ。今では希少な鉱物はなかなか見つからないとはいえ、まだまだ一攫千金を夢見る冒険者たちが集まる有名な金策スポットである。奥に行くほど希少な鉱物が残っている可能性が高く、当然敵も強くなる。「この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」マリチは渓谷の奥を力強く指さして叫ぶ。しーーん……「いやまてマリチ」「ん?」「曜ははじまりの街しか行ったことがないからここに転移できないんだ」「はうっ」それを聞いて日枝さんが周囲を素早く見渡す。もちろんここには3人しかいない。「てことは……」「マリチの家の庭に一人でとり残されとるってことに」てことで慌ててマリチ家に戻って、途方に暮れる曜を回収。そしてまず街まで歩く。 ↓ そこから飛空艇に乗って辺境の街に移動。 ↓ さらに馬車に乗って、最寄りの村まで移動。 ↓ そして馬を借りてようやく目的地に到着だ (5時間)「やっと…ここが水晶渓谷……? 空飛ぶ船って何……というか馬車も、馬も……全部初めてすぎて……」「さすがに疲れたか?」「私はなんかけっこう慣れてきたかも」日枝さんは小柄で体力があるようには見えないが、表情に疲れはない「ほいっと」マリチは曜の胸のあたりに手を伸ばすと、回復魔法をかけた。緑色の淡い光が曜の身体を包み込む「あ、すごい楽。異世界便利すぎ」「んじゃ準備おけ? 改めて……この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」仁王立ちになって渓谷の奥を力強く指さす。「どこかって?」「具体的にはモンスターが飲み込んでいるので、片っ端から倒します」「最悪なんだけど!」俺の抑揚のない呟きに、曜が毒づく。「あ、でも奥にいる強い個体ほど落とす確率が高いから、皆でやればきっとすぐだよ」「カオル。それはダメだ」日枝さんのフォローに対して、マリチは割と真面目な顔をしている。「これはヒカリのレベル上げも兼ねている
last updateÚltima atualização : 2026-09-04
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第15話 こんな風に外には危険がいっぱい

「とまあ、こんな風に外には危険がいっぱいなので気を付けようね」マリチは水魔法で手を洗いながら笑った。洗った後は極小のつむじ風を生みだして、手に付いた水滴を飛ばしている。「……魔法ってかっこいいですね」「おー。ヒカリはそっちがいいか」武器を持って前線で戦うよりも、魔法を使って後方支援をする方に興味があるという意味だ。マリチの細かい魔法操作を感嘆の目で見ている曜。その二人を交互に見比べながら、日枝さんがうんうんと頷く。「私もそういうの出来るようになりたいですね…」マリチのやってることはゲーム内だと見えない部分だ。ますますこの世界がリアルなのだなと実感する。どんどん女子会パーティーになって、会話で蚊帳の外に置かれつつある俺。いちおう存在感を示すため会話に参加する。「召喚士は自分では魔法使えないけど、サブに何か魔法系をつければいけるな」ソーファン世界の冒険者は『クラス』という職業の力で戦っている。通常は一つのクラスしか付けられないが、特定のクエストをこなすとサブクラスという二個目のクラスを付けることができる。通常、サブクラスはメインクラスの半分の力しか発揮できないが、メイン、サブともにマスターレベルまで極めると、サブでもメインと同じ力を発揮できる。俺やマリチがなんでもありに見えるのはそのせいだ。 常に二つのクラスを組み替えながら立ちまわっている。「と、いうことは、召喚士の次はサブクラス習得が目標だね」「そこからレベル上げと装備集めだな」「やることが多い……」俺と日枝さんはそれを聞いてにやにやする。ゲーマーにとって『やることが多い』 ……つまりやらなきゃいけないことが大量にあるということは、良い事だから。なんてことを考えながら周囲を見渡していると……「あ!」「お?」マリチが細切れにしてボトボト落としたメタルイーターの一部に、キラッと光るものが見えた。「聖獣の宝石だ」俺の呟きに対して、本来の目的を思い出した曜は嬉しそうに声を上げる。「あ、これで解決!?」「うーー…ん」それに対して渋い顔をしているのは腕を組んだマリチ。「本当はヒカリが自ら倒した奴から出るのが望ましかったけど……」曜の悔しそうな表情を見て、すぐに腕をほどいて言った。「まあいいか。持ってこ!」「あ、よかった」ゲーマーにとってアイテムドロップは
last updateÚltima atualização : 2026-09-05
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第16話 妹の黒魔導士

マリチ流の魔法理論を伝授されたところで、妹の黒魔導士生活が始まった。しばらくは黒魔導士でレベルを上げる。 召喚士をとったらそっちをメインクラスにして、黒魔導士をサブクラスにする。ソーファンには多くのクラスが存在しているが、召喚士は実はもっとも神に近いクラスだと言われている。別に強いわけではない。これは実装されている最終ミッションまで終わらせた者だけが知っていることなのだが、女神のいる神界は精霊界と近い次元に在るらしい。なので精霊たちと通じ合える召喚士は、神に最も近いクラスなのだ。そもそもに光や闇の上位精霊は神のように扱われていることもあるしな。俺とマリチはこちらの世界に初めて来たとき、一度だけ女神に会っている。しかしその時、女神とどんな話をしたのか。 ……そこは全く覚えていないのだ。『カオスドラゴン』を倒したお礼と、あと『何か』をよろしくお願いします。 と言われた気はするが……なんだっけなーー?曜がいることにより、俺たちは召喚士がたどるクエストやイベントを、改めてリアルでこなしていくことになる。もしかしたらそこで何かが見えてくるかもしれない。 ―――――――――――――――――――――火>氷>風>土>雷>水>火……6つの自然属性は相関関係がある。そして地形や天候の影響を受ける。 さらに連携空間での威力増幅の関係など、魔法には複雑なルールが存在しているが…「魔法は慣れ」マリチ師匠の方針は基本的にそういう系だ。「どんなことでもそうだけど、まずは好きになることが大事」などと、案外良いことも言うし、これはこれでいいのかもしれない。属性ごとに精霊がいるので、俺たちが回る箇所は6か所。火:活火山 水:地下水脈 風:暴風の岬 土:流砂洞 氷:氷河 雷:古代遺跡「なんで雷の精霊は古代遺跡なん?」どこを回るのか説明していた時に、曜が質問してきた。確かにそれ以外のところは自然の地形なのに、そこだけ人工物だ。「もともと雷の精霊力が強い特殊な場所があって、古代人があとから遺跡を作った」曖昧な記憶を呼び起こして、そう答える。「そういえば雷鳴の遺跡は、いつも天気が悪かった記憶があるね」日枝さんは召喚士のクラスをとってはいないそうだが、遺跡自体にはミッションで行ったことがあるらしい。この世界には、帯電する特殊な古代樹(幹
last updateÚltima atualização : 2026-09-06
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第17話 大丈夫じゃない

「大丈夫じゃない……」俺はもう一度小さく呟いた。「珍しいこと言うね」マリチは顎に手を当てながら、不思議そうな顔をしている。 その後、俺に状態異常回復魔法をかけながら、こちらをじろじろ観察している。 (効果なし。と出ている)「ふだんは感情の起伏のなさそうな湊君がねえ」日枝さんもやや意外そうだ。「明らかに失敗をしていてもそれを認めないし、リアクションの薄いのがうちの兄なんです」俺の事、そんな風に思っとったんかい妹。転移されてきたのはマリチの家の庭の畑。少し顔を傾けると、そこには淡く輝く扉が見える。再び頭を戻すと、そこにあるのはソーマファンタジー世界の空。一つの太陽と、形の良い幾つかの雲。ここはファンタジー世界を愛する者たちの憧れを集めて作られたような世界だ。朦朧としていた意識も徐々にはっきりしてきたので、俺はむくりと状態を起こした「お」いつのまにか持ってきてくれていたコップをマリチから受け取る。 その中に満たされていた冷たい水をゆっくりと飲み干す。ふー。「んで、何が大丈夫じゃないのか聞かせてもらってもいい?」草の上に座ったままの俺の横にしゃがみ込み、目線の高さを合わせる日枝薫。その眼鏡の端はキラリと光っている。「まだ確証はないけど……カオスドラゴン……」俺はやや言葉を探しながら呟く。「ん。あのドラゴンがどうかしたん?」マリチの片方の眉がぴくっと上がった。「めっちゃ強いのかもしれない」あえてもっとも単純な言葉で表現する「ほー」マリチは飲み干した俺のコップを受け取りながら笑った。「確かヨーイチが初めてこの世界に来た時に戦った龍だな」「他のモンスターみたいに一撃退治ではなかった」「というかかなり時間かかったねえ」そう。 俺がこちらに来てからのソーファン世界は、まるで時が巻き戻ったかのようにモンスターのレベルも低く、冒険者たちやこの世界に住んでいる人たちのレベルも未熟な世界だ。 だが、それが始まる直前に戦ったカオスドラゴンは、それなりに強敵だった俺だから攻撃を受け続けられたし、マリチだからダメージを与え続けることができたそしてあの戦いのあとから、俺は二つの世界で圧倒的な力を使うことができるようになったのだ「頑張らんとねえ」マリチは一言いうと、別の手に持っていた謎の木の実をムシャリと齧った ……。
last updateÚltima atualização : 2026-09-07
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第18話 町の図書館

大学の図書館にめぼしい発見はなく、街の図書館にて見つけた情報。ようやくそれらしい記述を見つけたかもしれない。俺はバリバリに理系で、こういうジャンルの専門家でもない。……だからこれはあくまでも想像の域を出ない。 記紀(古事記・日本書紀)には載っていない古い郷土史、風土記の記述。いわゆる地元以外では知られない、小さなお社などの看板等でしか見ない物語。そこに登場しているお宮の名前は『神戸(カミド)神社』主祭神はふつうに天照大御神、と、地元の氏神様。 けどそのお宮の隅っこに摂社として小さな祠がある。そこに祀られている『門蛇大明神』とやらの御祭神が。『天之御門蛇(アメノミカヅチ)』 または 『天石門別蛟(アメノイワトワケノミズチ)』という謎の存在。これは有名な天岩戸伝説に関わっているらしい。 いわゆる、天照大御神が天岩屋に隠れたという有名な物語だ。御門というのはその時に洞窟をふさいだ岩の事。門の神さまである。岩の洞窟の入口を岩で防いだら普通、隙間が結構できる。自然石と自然石なのでピッタリ合わさることにはならないからだ。しかし岩戸は結界となり外界とは隔絶される。その岩戸にできる、ほんの小さな隙間を通り抜け、出入りできるモノが居た。岩戸隠れした際に隙間から出入りし、天照大神の話し相手になっていたのがこの……『アメノミカヅチ』という、神というか……蛇の妖怪だ。この物ノ怪は、岩戸の隙間を何度も出入りしていた。 つまり、結界をくぐり抜ける力を持っていたと考えられる。それこそが門を越える力……。現実世界と異世界の次元を飛び越えられる力?ソーマファンタジーという異世界において、一万年前にあった星核の暴走の際。そのエネルギーを喰わせるために元になった、神獣と呼ばれるモノの正体。 これかも……。人智を越えている。 だが、筋は通る。次元を超える力を持っていた存在だったからこそ、異世界から何らかの方法で召喚されたのかもしれない。だが……もしそうだとすると、カオスドラゴン……アメノミカヅチは、いつかこちらに還ってくるのだ。俺と同じように異世界の力を手にして。何故最初のきっかけがカオスドラゴン討伐だったのか。この町に住んでいた俺が代表として選ばれて異世界に行ったのか。全ては繋がっていたに違いない。俺である必要がない気も少しする
last updateÚltima atualização : 2026-09-08
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第19話 どこにいる?

「で、どこにいるの? カオスドラゴン……その……アメノミカヅチ様は」「それなんだよな……」ソーファン世界で戦ったカオスドラゴンは、星の核に寄生していた。 戦いは謎の異空間みたいなところで行われていたが、あれはどこなのか。通常の方法でその場所には行けないだろうから、こちらから挑むことができない。ソーファン世界のモンスターは俺たちを感知してから実体化していたが、それはおそらくこちらの世界とのつながりが弱かったからなのだろうだがカオスドラゴンは元々こちらの存在……。もしこっち側に出たら、最初から実体化してるのではないか?「元々ここでお鎮まり頂いていたのなら、実は良い神さまだったりしない?」俺の不穏な予測とは裏腹に、日枝薫が素朴な疑問を口にした。が、それはないんじゃないかな……。何故なら、暴走して魔獣と化したからこそ討伐イベントが発生したのだ。そしてそもそもに俺が異世界に行くことになったのも、倒さなければならない存在だと判断されたからだろう「暴走したソイツと戦ったのが事の始まりだからなあ……」「ダメかぁ」やはり被害を最小限にするにはまだ活動を始めていない今、倒すしかない。「なんとかしてこっちから行くしかないな」「やっぱりそうなるか……」いままで扉が出たり出なかったりする条件がいまいちわからなかったが、今ならなんとなくわかる扉はおそらく必要に応じて出してくれてたんだろう。全ては『龍』を倒すことにつながるように。「じゃあ行ってくる」俺は魔導書を出し、転移魔法を唱え始めたガシッ魔導書を持っている手首を掴まれた「私を置いていくつもり?」詠唱は一瞬にして完成してしまっている。日枝薫の表情を確認する間もなく、転移空間は俺たち二人を飲み込んだ ブオォォン腕を掴まれたまま俺たちが出てきたのは、アパートの風呂場。すなわち光る『扉』の前だ。 なにかを訴えかけるように、いつもより輝きが強い気がする。「行けってことだよね」電気がついていない夕暮れ時の風呂場である。薄暗い室内でなお、日枝薫の目は輝いている。「いや、俺だけで行くよ」強すぎる敵である。 以前戦った時にわかったが、レベルマックスの俺たちと対等のモンスターだった。まだ装備やレベルがマックスではない日枝さんが戦うのは危険だ。「君の言いたいことはわかる。でも支援ぐらい
last updateÚltima atualização : 2026-09-09
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第20話 戦いは始まる

戦いは始まった。巨大な水の槍は龍の輝く鱗をバキバキと砕きながら突き進む。しかし圧力は少しずつ弱まり、やがて水飛沫へと形を変えて消えていく。全ての水が飛び散り霧散しても、龍の硬質のたてがみを破壊しきれてはいない。周囲の星核結晶と同じ淡く発光していた龍の身体。 しかし、ゆっくりと動き始めると同時にその光が消える。……充電を途中でやめた。みたいな状態?鎌首を持ち上げるように上体を起こすと、龍の胴体は硬質の結晶同士が擦れあう轟音を立てながらこちらに這い寄ってきた。俺はまだ敵との距離がある間に、カオスドラゴンを『調べる』《星龍 アメノミカヅチ》『その強さは計り知れない』と表示されている。ステータスや体力ゲージなどはどこにも見えない。……今のでどれくらいダメージを与えたのかも分からないな。時間制限のある絶対防御を最初から使ってしまうのはマズい。相手の攻撃の威力が判断できないし、長期戦の戦略が組みにくくなる。「俺がダメージをもらった時の回復は任せる!」龍から距離を取って下がっている日枝さんに、俺は合図を出しておく。「わかった!」俺は威嚇のための閃光魔法を放った。そこか。とでも言うように、龍がこちらを向く。その動きは龍ではない。蛇だ。というか、この龍は……蛇なのだ。異世界にて強大に成長したことで龍に成ったのだ。アメノ(天に棲まう)ミカ(門を制する)ツチ(蛇)なのだ。何処にあるかもよく分からなかった口が、裂けるように横に開いた。……その姿も蛇をほうふつとさせるヴァハッ無数の小さな何かを飛ばしてくるその動きは、さながら毒を吐きかけるが如く。高速で飛んでくるその何かを、俺は身幅の広い両手剣で受け止める。「結晶の欠片か…!」 それは細かく砕かれたような無数の結晶の破片だ。全てが尖った鋭利な構造をしており、刺さると厄介そうである。この巨大な敵と戦うのに、小細工は必要ないだろう。俺は剣を振りかぶると、思い切りよく胴体に切りつけた。ガギッ!!うん。まあ、めちゃくちゃ堅いが、一応ダメージは入るな。「無双連斬」25回攻撃。ドガガガガガガガガガガッガガッガッガが、モーションが長すぎる。途中で巨大な尾による薙ぎ払い攻撃が飛んできた。攻撃をキャンセルして剣で受ける。ドガッッ身体が浮かされ、100メートルぐらい飛ばされた
last updateÚltima atualização : 2026-09-10
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