地方の大学に通う俺は基本的に車生活である。大学には自転車で通っているが、遠出や実家への帰省は車である。なので車がない状態での帰省は不自然な為、すぐに転移魔法でアパートに帰宅。妹のことは気になるが、さすがに高校に潜入するのは難しい。周囲からの視覚聴覚を遮断する魔法は永続ではなく、どれだけ装備で強化を施しても30分が限度だからだ。とりあえず自分の大学生活を維持しつつ、こまめに帰省するか……?それとは別に、もうひとつ確認すべき大事なことがある。大学は自分の取っている講義しか受けないので、学年が上がっていくと同級生と言えど会わない日は多い。この日は必修の講義がない日だったので、確認すべき相手、日枝薫(ヒエ カオル)の姿は確認できなかった。……ちゃんと無事に戻ってきているのだろうか。と思っていたら、昼休みに学食で声をかけてくる小柄な眼鏡の女性の姿があった。「あ、日枝さん。ご無事で何より」「湊(ミナト)くんもね」「まさか別々の場所に出るとは思わなかったよ。どこに戻ってきた?」「その……そのことでちょっと話したいから他の場所行っていい?」なんだか緊張した面持ちだったので、場所を人通りのない学内のベンチに移す。……とはいえ、なんとなく相談の内容の予想はつく。「家にゴーレムが出たんだよ」「おーー」「あのゴーレムって、きっと私たちが遺跡で倒した個体だよね」「お気づきになられましたか」「今思い出したら私が初めて向こうの世界に行く前、湊くんオークと戦ってたよね」なかなか鋭い。 あっちとこっちがつながっている現象に気づいてしまったか。「もしかしたらなんだけど、向こうの世界でオークを倒したことはある? ゲームの時でなくリアルの異世界で」「ある。そしてお察しの通りその後にスーパーに出た」「なるほど……」小さく呟いた後、彼女は顎に手を当てて考えを巡らせている。おそらくだが扉を越えたところは自室あたりで、そこでゴーレムと戦ったのだろう日枝さんのレベルならほとんどの敵には対処できるだろう。だが、もし今後ボス級の大型モンスターが彼女一人の時にでも出現するとなると、向こうでどういう行動をとるかは少し考える必要があるな「理由はわからないけど、ご想像の通り向こうで倒したモンスターはこっちにも出る」「それって……全部?」オークやゴーレムぐらいはい
Última atualização : 2026-09-01 Ler mais