Todos los capítulos de 夫に捨てられた私は 終末世界最強の男と 人類最後の希望になりました: Capítulo 1 - Capítulo 3

3 Capítulos

0.プロローグ〜未知の来星〜

 穏やかな青い海原に一隻の船が浮かんでいた。そこに近付く小さなボート。  ふわりとした髪を手早く纏めあげると、鈴峯 蓮花は緊張した面持ちでボートから船へ乗り込んだ。「雨宮博士 ! 」「レン ! 来てくれたのね ! 」 作業員に混ざり、一人の白衣を纏った中年女性が顔を上げてパッと明るい笑みを浮かべた。「久しぶり ! 結婚してから連絡無いからさぁ〜。  鈴峯会長との新婚生活はどう ? 」「ええ、彼もしっかりしてますし」「はぁ〜♡いいわねぇ。わたしには縁遠い生活だわぁ。お養父さんは ? 」「父は……手術が間に合わなくて……」「え ? でも、まだ転移もしてなかったって……早期発見だったんじゃなかったの ? 」「わたし研究資金につぎ込んだり、世界中行き来して勉強したりせいで。お金には無茶をし過ぎて……父がこんなことになるなんて」「そう……。そうだったのね。  鈴峯会長は ? ……その……余裕があったんじゃないの ? 」「……彼も軌道に乗ったばかりですし……流石にその時はまだ」 気まずそうに話す蓮花の姿に、雨宮博士も納得するしか無かった。「そう。大変な時期に……来てくれて良かったわ。  はぁ……わたしの彼氏はコレになりそうよ」 そう言うと、雨宮博士が眼鏡のフレームを上げ、覗き窓の着いた金属ケースを見下ろす。「これが…… !? 」「そう」 雨宮博士と蓮花。  二人がケースの中を覗き、眉を寄せる。「我が旭飛研究所が鈴峯グループの援助を受け宇宙に放った探査ロケット。  帰還したサンプルポッドが見つかったのは、まさかの鯨の胃の中」「限界まで小型化しましたからね。鯨が飲み込むのも無理はありません。  でもこれは……」 カプセルは本来、研究所へ持ち帰るまで開封しないはずだが、ケースの中にはカプセルポッドからチラチラと出入りする赤紫色の生き物がへばりついていた。「なんだと思う ? 」
last updateÚltima actualización : 2026-09-14
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1.夫婦二人で歩む道

 あれから三年後── 爽やかな秋晴れの空の下、蓮花とその夫、鈴峯 透《すずみね とおる》は霊園へ訪れていた。 墓石に刻まれた『滝川』とは、蓮花の旧姓であり、その墓に眠るのは三年前に病で無くなった養父である。「お父さん……」 仏花を手にしたまま未だ癒きっていない蓮花の手を離し、透は手提げ桶の水を掬い、持参した雑巾で綺麗に墓石を拭い始める。「ほら、綺麗にしてあげないと」 透に促され、蓮花も小石の隙間から伸びた雑草を抜き取る。「早いものだね。俺にあの時、手術費を工面する甲斐性があったら……」 そう言い、透は自分を責め続けている。「透さんのせいじゃあ……わたしがそもそも仕事に追われて……」「仕方ないさ。旭飛の社員とはいえ、高給取りの研究者達とは扱いが違うんだから」「……そう。ただのお茶汲み要員だったしね」「真面目に働いてたんだ。お父さんも文句なんか言わないさ。 それにあの時蓮花の援助がなかったら、俺も鈴峯研究所を軌道に載せられなかった」 当時、透の立ち上げた鈴峯研究所は蓮花の貯蓄まで切り崩し、ようやく立ち上げた新進気鋭の研究所だった。 その頃同時に婚約をし、後に鈴峯研究所は見る見る間に力を付けていった。 そして例の、未知の生命体の研究が始まると一躍脚光を浴び、透自身もメディアや化学雑誌に引っ張りだこの生活を送っていた。「そう……ね。確かに、あの頃のわたしたちは全てのタイミングがズレてて……。間に合わなかった……」「人生って、そういうものなのかもな。でも、蓮花。大事なのは俺たちがお父さんの死を受け入れ、忘れないで感謝する事さ」「透……。そうね」 透は手を洗い流すと、蓮花の肩を抱き寄せ真っ直ぐと墓標を見上げた。「お
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2.幸せのすぐそばで

「……これなら人前で使っても……。でも高いかなぁ……いや、もうそういう物を持つのが相応しい立場だし……」 蓮花は一人、老舗の判子屋で高級万年筆が売られているのを目にして悩んでいた。 持ち手が象牙で出来たシックで一点物の美麗な万年筆。 透も最早、誰に紹介しても恥ずかしくない男になった。 付き合いたて当時、安定した環境、収入で研究に打ち込んでいた蓮花からみて、社会人になりたてのまま彷徨っているようにみえた。 とにかく起業に研究所を選ぶのは茨の道で、まず必要なのは金、金、金。疲弊しきった頃、最終試験のように襲ってくるのが人脈の有無。 透は一代でそれを築き上げた成功者である。「うん。これにしよ ! 」 来週の結婚記念日のプレゼントとして、蓮花はこの万年筆を選んだ。 結婚当初はマンションも無理をして買った。 今はその分を取り戻す期間。 あまりに無理をしたせいか、養父の治療にかかった費用の半分も蓮花は未だ貯蓄出来ていない。 透も勿論そうだろう。 メディア露出は多いものの、知名度が上がっても収入源の研究所は発見から開発までそう短期間とはいかないもので、更に今は最重要機密情報を有する研究所となってしまった。 研究がどうなっているかなど、蓮花でさえ透の口から聞けないのが現状だ。 あの未知の──後にASTERと名付けられた──謎の生命体の搬入を境に、鈴峯研究所は要塞に変貌してしまった。 清潔感のある明るい未来をイメージしたフロント内装から一転、対爆庫のように分厚く重々しい物に取って変わった。「ラッピングはサービスです。何か、袋にお入れしますね」「ありがとうございます ! 」 華やかなリボンが見え隠れする小さな紙袋を提げ、次はケーキショップへ足を運ぶ。「透はチョコレートケーキ、お義母さんはレアチーズケーキだったわね。わたしはミルクレープがいいかなぁ」 ショップの取っ手に指をかけた瞬間、背後を救急車が一台通過していく。ガラスに写る赤色灯の数に、蓮花は思わず振り返って路上を見る。 遠くから、もう一台の救急車が右折していくのが見え、その後続車も緊急車両が何台も列をなし、蓮花の目の前を通っていく。荒々しいサイレンが頭の中までジリジリと揺れるような大きな音を立てていく。 蓮花はぼんやりと店の中に入ると、店員もまた目を丸くし、窓の外を見ていた。「なん
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