Todos los capítulos de 夫に捨てられた私は 終末世界最強の男と 人類最後の希望になりました: Capítulo 11 - Capítulo 20

30 Capítulos

10.『08-08』

それは、今でも続いている。生活こそ裕福になったが、蓮花には"プレゼント"と称した現物支給。生活費以外の金は殆ど持たされない生活だった。非常勤研究員として籍だけ残し、過去の研究案件や監修で僅かな報酬は入るが、今の生活と釣り合うほどの額ではない。透についた嘘──旭飛研究所のフロントレディと言う身分。更に今は休職中。当然、度々不定期な収入があるとすら言えないでいた。「いつまでも……このままじゃいけないよね……」研究員だった事を話すか、ASTER-1が危険であることを知っている事を話すか。脳を掻き回されるような酷い頭痛が襲ってくる。「……」鎮痛剤を取るために無言で立ち上がる。すると、義母のマンションの隣のビルに目が止まった。いつも点灯しているはずの航空障害灯が消えている。「……停電…… ? 窓も暗いわ……」ぼんやりと窓の外を見つめる蓮花のそばに、入浴を済ませた透が身を乗り出してきた。「なにか見えるのか ? 」「あ、うん。あのビル、屋上のライトが消えてる。飛行機が来たら危ないかなって」「あー。でもこの辺り全体が高い建物ばかりだし、あそこだけピンポイントで低空飛行しないだろ」「ん。それもそうね。ねぇ、透さん。旭飛に行って来てもいい ? 」透は信じられないとばかりに蓮花を見やる。「こんな夜にか ? 」「今度、お世話になった人の送別会があるらしいんだけど、丁度わたしたちのパーティの日なのよ」一人になりたかった。蓮花にとって旭飛研究所こそが自分を偽らずに住む故郷となってしまっていた。「送別会に出れないことなんて、ままあるだろ」「ええ。でも、わたしも一応、『鈴峯研究所の社長夫人』なわけだし。心象よくしておかないと。透さんにとっても必要だと思うわ」「ふむ。
last updateÚltima actualización : 2026-10-06
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11. 居場所

「レン〜 ? どうしたの急に」蓮花の姿を見つけた雨宮博士が咥えていたキャンディ棒を口から引っ張り出して驚いていた。「ジムを使いたくて来たんです」「いいけど、家の近くに契約ジムあったんじゃ無かったのぉ ? 」「……博士……分かってるでしょ」「まぁ、ね。わたしも落ち着かないわ」他の研究員に声をかけ、雨宮博士も蓮花に同行した。「わたしももう一度、こっちで採取したASTER - 0君を調べてるの」「一人でですか ? 」研究所の内部は鈴峯研究所が無機質な造りであるのに比べ、有機質な場所である。観葉植物やフロントには大きな人工滝の付いたテラリウムが広がっていた。「いや、口が堅くて、尚且つ事態の深刻さを信じてくれる可愛い子。今、ジムにいるはずなんだわ……」雨宮博士が白衣を脱ぎながらジムへ続くドアを開ける。「どなたです ? 」「最近来た子で、変わった経歴でさぁ。面白いの。あ、あの子。おーい ! お疲れ様〜」「雨宮博士 ? ジムに来るなんて珍しいですね ! 」蓮花と同じ二十代後半程の華奢な女性だ。サイクリングマシンから降りると子犬のように寄ってくる。人当たりの良さそうな女性だった。「お疲れ様です ! ……こちらの方は ? 」「ふふー。聞いて驚いて ! 世界の滝川 ! あのR.takigawaよ ! 」「そんな大袈裟な」蓮花が少しはにかむと、女性は「ぎゃー」っと声を上げた。「まさかお会いできるなんて ! 休暇中って聞いたから会えないとばかり思ってました」「初めまして。滝川 蓮花です。ジムに来たくなって」「あ、すみません ! 初めまして ! わたしは川村 翠《かわむら みどり》です ! 」握手をかわすとすぐに雨宮博士が間
last updateÚltima actualización : 2026-10-07
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2章 - 1.ハイカットブーツと『8/8。¥5,000,000』の憂鬱

結婚記念日の二日前──七月五日。パーティ当日。友人が開くという名目だが、実際は見栄っ張りな透が全て取り仕切った。「ん〜デデ〜。いい子にしてるのよ〜」透が開くとなれば、当然どこにでも付いてくるのが義母の茜だ。愛犬のデデを抱えて部屋のあちこちを行き来する。自室にいるか、経営しているトリミングサロンのペットホテルに預ければいいものを、わざわざ蓮花の部屋の連れてきた。「お義母さん、デデくんのお皿とフードはいつも通り用意しましたけど……専用のお水は切らしてて……」「えぇー ? じゃあ、これでいいわ」そう言い、茜は大きな散歩用キャリーから新品のミネラルウォーターを取り出した。最初から出さず、何かとこうして蓮花に用意させるのだった。「母さん、蓮花の周りはいいけど、俺の書斎やなんかにはデデを入れないでよ」「当然分かってるわ〜。デデは鈴峯研究所に迷惑なんてかけないわよ、ねぇ〜 ? デデ〜」犬好きというだけなら蓮花も同様にデデを可愛がってはいるが、帰宅した頃、デデはやりたい放題リビングを荒らす上に茜は躾をしない。以前、散歩中に老人に噛み付き、示談になったこともあった。〜〜〜♪♩♩「メッセージ…… ? 」ショコラブラウンのタキシードにネクタイを閉めようとした時、透のスマホが鳴った。「……パーティ会場に…… ? 」そのまま真顔で文字を打ち込む。「どうかした ? 」蓮花が尋ねると、透はパッと明るい顔に戻る。「いや、会場の別室にライバル企業の奴がいるだとか ? 友人がメッセージ寄越したんだ」「鈴峯研究所の……ライバル企業…… ? それって、SHADOW FLARE …… ? 」「よく分かったな」「
last updateÚltima actualización : 2026-10-08
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2.SFGのCEO 御影 燎

その男は丁寧に染髪されたシルバーヘアで、黒のスーツにシルバーヴァイオレットのネクタイをしていた。長身で整った顔つきだが、蓮花はこの男の面影に見覚えがあった。「なん……でしょう ? 」男はニヤリと笑うと、蓮花の靴を指差した。「斬新だな、とね」トレッキングシューズからハイヒールに履き替えるのをすっかり忘れていたのだった。「あ ! そうだった !! 履き替えるの忘れてた !! 」「あはは ! そんなところだと思ったよ ! 」「いや、本当に気が回らなくて……恥をかくところでした。ありがとうござい……」蓮花の目の前、男がスーツにつけているピンバッジで全ての謎が解ける。『SFG』のロゴに真っ赤な不死鳥の縁取り。鈴峯研究所のライバル企業──それどころか、SHADOW FLARE GROUPは旭飛研究所の古参スポンサーだ。宇宙航空・先進医療・バイオなどで知らない者はいない巨大企業だ。そしてこの銀髪が印象的な男こそ、SHADOW FLARE GROUP《シャドウ フレア グループ》のCEO────御影 燎《みかげ  りょう》である。「もしかして、御影社長 ? 」「俺も……君を知ってるぞ……。確か集合写真で……そうだっ !! 滝川  蓮博士 !! あれは君だろう !? 」「ええ ! こんな所でお会いできるなんて ! 光栄です」「それはこっちのセリフさ。講演会をお願いしてるけど、振られっぱなしだな。部下が肩を落としていたよ」「結婚してから、なかなか忙しくて」「うん。目まぐるしい程の忙しさなんだな。ふふ、その履き替え忘れた靴を見ればすぐ分かる」「本当に、恥ずかしい…… ! 」二人、車へ戻りながら肩を並べて歩く。「近々講習をして欲しいのは本当だけど、俺
last updateÚltima actualización : 2026-10-09
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3.結婚記念パーティの女たち

パーティ会場はロビーから絨毯を上がった先に存在する。ロビーは静かで会場の騒がしさは無いというのに、会場からは出席者の出入りが見下ろせる防音性の高い造りだ。既に来客は集まっており、茜も来ていた。「蓮花さん !! 遅いわ ! もう透が到着するって言うのに ! 」蓮花がようやく裏の廊下から控え室に入ると、茜が金切り声をあげて蓮花に駆け寄ってきた。「さぁ、行くわよ ! 」「え、まだ透さんが…… ! 」「貴女はいいの ! 」言われるままに会場へ踏み込んだ。「あの人…… ? 」「あー……透先輩のお母様だよな ? 」「隣の女、誰だっけ ? 」「バカ、妹さんとかだろ。わざと地味なドレス着てんだよ」筒抜けの響めき。このドレスはそんなに地味だろうかと蓮花はスカートのレースを摘む。シンプルでふわりとした質感は妻として柔和で、でしゃばらない美しさがあると思って選んだのだが。メインは透の友人知人だ。一先ずそれで良しと決め込む。次の瞬間だった。──ザワッ ! 空気が変わる。緊張したピリつきと、華やかな歓声。二色の感情が出入口へ向けられた。パーティ会場から見える真っ直ぐな赤絨毯の階段。その先、ロビーの入口に一台のロールスロイスが停まった。「……っ」蓮花がふらりと身を乗り出し、目を凝らしてもう一度車を見る。どう見ても、自分がプレゼントされたロールスロイス ゴーストと同じ。車種もグレードも全て同じ。ただ唯一違う場所は運転手がいるかいないかではない。ナンバープレートの番号。11-11────透の誕生日だ。つまり、このロールスロイスは元々二台存在し、片方は透が自分の誕生日を希望ナンバーに取り、事故を起こした方のロールスロイスは杏の誕生日と分かった上で購入
last updateÚltima actualización : 2026-10-10
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4.白銀が靡くSHADOW FLARE GROUPのCEO 御影 燎

「……」蓮花は何も言えなくなってしまった。透は杏を選んでいた。結婚こそ叶わなかったが、その気持ちは今もぶれない、確固たる想いなのだ。「それなら……どうして……わたしと…… ! 」蓮花がその場から離れようとするが、茜は思い切り蓮花のドレスを手繰り寄せた。「痛っ !! 」思わず衝撃にハンドバッグを落として物が散乱する。万年筆のプレゼント、財布と化粧品、あの車のキーもあった。だが周囲の興味は透と杏に注がれている。最奥の柱の裏で、茜と蓮花は歯を食いしばり顔をギリギリと寄せ合っていた。「水差したら許さないよ ! あんたも一応、旭飛の事務員をやる程の学力はあるようだ。更にその小綺麗な顔ね。まぁ、お世辞に聞こえるかもしれないけど、わたしはあんたのそういう所はあの小娘より好きよ ? けれどね、あの女はどうしたってあんたが手に入れられないモノを持ってんだ。生まれつき ! 」「離して ! だったら、杏さんと結婚すれば良かったじゃないですか !! 」泣きながら床にへばりつき、バッグの中身を拾う。茜も身をかがめると、蓮花に冷たく言い放つ。「あんた、本当にそう思うの…… ? 」「酷いです……なんて事言うんですか !! 」「いえ ? 別に ? でもこの状況で分かったでしょ ? あんたに幸せなんて無いのよ。あってもそれは透が作るまやかし……。でも新しい幸せの道もあるわ」「……そんなの、信じるわけないじゃないですかっ」「明日、わたしのマンションに来なさい。たまにはうちにも招かないとね。二人で話をしましょう。とにかく今は、あの二人の様子と空気を……」仕方なく蓮花の散乱した荷物を拾おうと絨毯に落ちた物を拾い上げ、茜がそれを凝視した。
last updateÚltima actualización : 2026-10-11
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5.凶夜の始まり

「俺が壁に見えたの ? 」「いえ、そんな ! 」「それだけ泣いてたら壁にも見えるのかな ? シンデレラのように全力疾走してた ! 」そう言って燎は朗らかに笑うだけ。何も聞いてこなかった。「シンデレラなら泣きませんし、まだ深夜にもなってませんよ」「はは。確かに」「御影社長は……さっき帰りませんでした ? 」「あの時は駐車場に部下が忘れ物をね。上の小ホールでちょっとした小話をしてたんだけど、会場を抜け出して彼らと個別に話したいこともあって」「そうだったんですね。お忙しいところ足止めして申し訳ありません。あの、帰るので……」燎は何も聞かないものの、出口に立ち塞がるように長い腕を壁につき、蓮花を見下ろしていた。「外の状況があんまり良くないんだ。その状態で運転したら事故を起こすよ」「……別に。……いつも通りです」「泣いて運転するのが ? ははは。じゃあさ。この後、外の様子を見たら……どんな様子だったか連絡が欲しいんだけどいいかな ? 」「え……っ !? み、御影社長にそんな気軽な……」「気軽でいいさ。何も生み出さない俺と、世に生み出してきたレン · タキガワと対等になれるなら願ってもないさ」「そんな……買い被りすぎです」「……」燎はふと真顔に戻ると、駐車場へ向かうドアを一度振り返り眉を寄せた。「いや、本気さ。アレと遭遇すれば分かる。レンの意見を聞きたい。俺のこともリョウと気軽に呼んで。……それに──SHADOW FLAREにとって旭飛が力を付けることは願ってもない事だ」「それは勿論。CTOの雨宮博士もとてもSHADOW  FL
last updateÚltima actualización : 2026-10-12
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6.闇夜の遭遇

「あれは !! 」蓮花は反射的にヘッドライトを消し目を見張る。一番最初はしんがりにいた中年の男が躓き地面に倒れ込む。それを追ってきたのは人の形をした人ならざるもの──一人は乱れ破れたシャツのままフラフラと酔っぱらいのように歩き、もう一人は見た目は人だが頬や首など皮膚の柔らかい部分に違和感を感じた。掴まれた中年男性は大きな悲鳴を上げ、その者達に引き摺り込まれ揉みくちゃになり、また後から来た者が覆い被さりどんどん見えなくなっていった。蓮花はそっとエンジンを停止させると、身を屈めてハンドルにしがみついた。心臓は悲鳴をあげるように脈打ち、耳までじんじんと痛かった。だが蓮花は決して、瞳を逸らすことはなかった。それは興味や関心より上の動機、研究者としての本能や天命のような行動原理。恐らくは三年前の船上で、雨宮博士と見たカプセルポッドの中身。それが起因して、今この異常が起きているとしたら ? 目の前の惨劇は異常すぎる光景だ。想定として考えるならば、あの謎の生命体が外界に出て、巨大化や有害物質を撒き散らしたりと、人間の害になることはあるかもしれない。だが、目の前にいる集団は『ASTER-1』と名付けた鈴峯研究所の職員ではないし、ASTERの姿さえ無い。サラリーマン風の男、エプロン姿の主婦、ファストフード店のウェイター、様子がおかしいのは様々な年代と職業だと推測できる。「……どうして人に変化が出るの…… ? 鈴峯研究所は今どうなっているの…… ? 」次の瞬間、ある事に気付く。「っ !? 彼女は !! 」先頭で逃げていた女性に見覚えがあった。「翠さん ! 」旭飛研究所で雨宮博士に紹介された、異例の研究員 川村  翠だった。翠は後ろを振り返ることなく、必死に走り続けていた。集団から離れるように角を曲がり、こちらを向いた時、車の中にいる蓮花と視線が合った。「滝川博士 ! 助けて !! 」蓮花
last updateÚltima actualización : 2026-10-13
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7.事故の痕跡から

「こんな時に呑気にジョギングなんて。この人達……すぐに戻った方がいいのに ! パンデミックどころじゃないですよ」「あまり……急過ぎると大混乱になるし、話しても信じて貰えないわ」「だからって……」「とにかく、一度うちへ。テレビとか、ラジオなら何か発信してるかも」車を車庫へねじ込むと、蓮花はアウトドアブーツに履き直した。そしてボンネットを開けるレバーを引く。「凹んじゃいましたね」外に出て車体をみると、曲がったバンパーの一部に轢いた老人の衣服の一部がヒラヒラと残っていた。「中は影響ないわね。図体が大きいだけあるわ」「これ、新車ですか ? 」「……いえ。ただの中古車よ」ボンネットを閉めようとした時、左のヘッドライトの歪みに気付く。「これは…… ? 」老人当たったのは右寄りの前方だったはず。左のヘッドライトが不自然に傾き、整備士の手跡が残っていた。何かを拭ったような、布で擦れた後と軍手の手跡。しゃがんでよく見ると、ボディとヘッドライトの溝にドス黒い粘着物が張り付いていた。ドス黒いと言っても完全な黒ではない。一部は青紫にも似た部分も確認できる、変色した黒色の粘着物。それは一定の固さを保ったまま、広がったり縮んだりを繰り返していた。「これ……生きてます ? 」「やっぱり……あれは人に影響があるのね。これは分裂 ? 組織細胞 ? 」「あ、お弁当のタッパーなら空いてますよ。採取しますか ? 」翠がタッパーを取り出し、ペンケースからピンセットを取り出すのを蓮花が止めた。「いえ、近付かない方がいいわ」タッパー一つでは不安過ぎる。鈴峯研究所の動画が本物だとしたら、これも通行人を襲う危険がある。まだそんな大きさには見えないが、素手で作業するのはリス
last updateÚltima actualización : 2026-10-14
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8.プライド

「少し休みましょうか。お茶を入れるから」キッチンに向かう蓮花を何か言いたげに翠は頷いた。ソファに座り、テレビをつける。『山のように !! 積み上がっています  !! 全部群がってる、これ、全部人です !! 』ヘリに乗ったバンキシャがパニックになっていた。映像で映し出されたのは一軒家の屋根で救助を待つ家族に、あの狂人達が群がっている姿だった。別のチャンネルに変えていく。二つのチャンネルは待機画面。他は街中を徘徊する者たちをビル窓から撮影した映像。これは恐らく録画で、永遠に同じ映像を垂れ流しにしているようだった。その上に『まもなく総理官邸から中継との文字』。「まずいわ……」テレビを見て固まっている翠のそばに蓮花が戻る。「落ち着いて。どうぞ。お砂糖いくつ入れます ? 」「あんた……滝川  蓮でしょ…… ? 」「え ? 」「研究者が ! よく落ち着いて居られるねって言ってんの !! 見てよ ! この騒ぎ ! 他人事じゃないのよ !? 」「分かっているわ」「分かってないわよ…… ! 雨宮博士に聞いたけど、これが本当ならあんたの旦那のせいじゃない !! 」「……っ。それは……」「政府なんて何も話しゃしないわよ  !わたしの娘は ! 今もバリケードなんか無いボロい保育園にいるの ! 東京もいつ封鎖されるか……。お茶なんか飲んでる場合じゃない ! 」ガシャンと音を立ててティーカップは翠に叩き落とされた。「ごめんなさい。わたし、何もかも半端で……」「はぁ……」翠はしゃがみこみ、感情に任せて落としてしまったティーカップ
last updateÚltima actualización : 2026-10-15
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