エレベーターの中、鏡に写る自分の姿を見る。そこには蓮花自身が慣れ親しんだ、白衣とカジュアルなラインのスキニーを履いた姿が存在していた。ポケットに入れっぱなしだったシュシュを外し、長い髪をサッと纏める。夜が明ける。急速に広まったASTERの恐怖。今まで状況に無頓着だった者たちも、街の混乱を今日から知ることになるだろう。あのカプセルを打ち上げた旭飛研究所の自分たちのせいなのか、ASTER - 1を強欲に独り占めしようとした夫の鈴峯研究所のせいなのか。今となっては責任のなすりつけあいは価値のないことだ。ポーン……♪エレベーターが開き、蓮花が一歩踏み出そうとした時だった。「お義母さん ! 」「あらぁ ? あんたどこに……なにその格好は……」「お義母さんこそ……今お帰りだったんですね……。どうしてここに ? 」「デデのおやつが無くなったのよ。買い置きあったでしょ ? 」義母の茜が丁度パーティから帰宅し、蓮花の部屋へ転がり込むところだった。「あんた何で白衣なんか……『旭飛……主席研究員……R.TAKIGAWA』?」ネームタグを見た茜がギロリと蓮花を見上げた。蓮花はバッとタグを外し、スキニーの中にねじ込む。だがもう遅かった。「まさか……あんた。へぇ……よくもわたしたちに隠して……。じゃあ、あんた透の事を下に見てたわけ ?『世界の滝川』。桐生杏が鈴峯研究所を立ち上げる時に血眼になって探していた研究者……」「いえ、下に見るとかそういう訳じゃ……。後で説明します。今、予定が立て込んでて…&helli
Última actualización : 2026-10-16 Leer más