私はテレビの前まで歩き、電源コードを一気に引き抜き、彰人に向き直った。「一緒にスーパーへ行ってほしいって言ったときは、仕事が忙しくて時間がないって言ったよね。それなのに、未緒と毎晩試合を見る時間はあるの?」彰人は仕方なさそうに立ち上がり、私の前まで来た。「澄乃、これは話が別だ。前にも言っただろ。未緒は今、うちに泊まってるんだ。長くいるわけじゃないんだから、その間くらい気を配ってやらないと。冷たくするわけにはいかないだろ。買い物なら、今回は行けなくても、これからいくらでも行けるだろ」「そうだよ、澄乃。怒らないで」早川未緒(はやかわ みお)は彰人の後ろに身を隠した。その目は、以前私の元彼を奪ったときと同じように、勝ち誇っている。深く息を吸い、元彼・黒川奏太(くろかわ そうた)とどこか似た彰人の顔を見つめた。それから、ゆっくり口を開いた。「それなら、未緒のことは好きなだけもてなしてあげればいい。私はもう付き合ってられない」二人にはもう目を向けず、寝室へ行って荷物をまとめ始めた。寝室まで追ってきた彰人は、私の手から服を奪ってベッドに投げ、疲れのにじむ声で言った。「澄乃、いい加減、拗ねるのはやめてくれないか?今日は仕事で疲れてるんだ。明日の朝も会議がある。本当に喧嘩する余裕はない」また、それだ。私と何かする余裕はいつもないのに、未緒のことなら何でも喜んでやる。顔を背け、服をもう一度抱えた。「じゃあ、喧嘩はしない。私が外に泊まる」「澄乃!」彰人は私の肩を押さえた。「いったい何をそんなに騒いでるんだ?」「私が騒いでる?」顔を上げ、彰人の目をまっすぐ見た。「未緒は彰人の元カノでしょう。その元カノを私たちの家に住まわせて、毎日べったり一緒にいる。それでも、騒いでるのは私だって言うの?」彰人は唇を引き結んだ。「俺と未緒のことは、もう終わってる。今はただの友達だ。少し助けてやりたいだけなんだ」私は鼻で笑った。「本当に優しいのね」彰人が眉をひそめた。「澄乃、そんな嫌味を言って何になるんだ?俺がどういう人間か、澄乃なら分かってるだろ」彰人は昔から、困っている人を放っておけない。友人に頼まれれば、どんなに大変なことでも引き受ける。以前、友人が貸した金を取り戻すのを手伝い、相手
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