私が死んで3年目、怜司がまた私を捜しに来た。紗季のために、私に角膜を提供させようというのだ。屈強なボディーガードたちが、家の中を手当たり次第に捜し回る。床を剥がしてでも見つけ出そうという勢いだった。それでも結局、彼に向かって首を横に振るしかなかった。「社長、ひと通り捜しましたが、どこにもいません」リビングの真ん中に立つ怜司は、深く眉間にしわを寄せた。「そんなはずがない!体の不自由なあいつが、どこへ行けるっていうんだ。絶対に隠れてる!」すぐにスマホを取り出し、私の番号を呼び出す。けれど、聞こえてくるのは冷たい自動音声だけだった。「おかけになった電話は、現在、電源が入っていないため……」私はため息をついた。つながるわけがない。だって、私は3年前のあの手術で、もう死んでいるのだから。彼は私を気にかけたことも、見舞いに来たこともなかった。だから、死んだことさえ知らずにいた。「結衣、ずいぶん偉くなったもんだな」何度かけてもつながらず、怜司の我慢もとうとう限界に達した。鼻で笑うと、ボディーガードたちに命じた。「管理事務所で防犯映像を確認しろ。どこまで逃げられるか、見てやる」私は宙に浮かび、慌ただしく飛び出していく一団を見ていた。ただ、悲しかった。紗季のことが絡まなければ、彼がこんなに必死に私を捜すことなんてないのだろう。私も彼らについて家を出た。管理事務所に入るなり、怜司は机を平手でたたいた。当番の若い男性職員がびくりと肩を震わせる。「神崎結衣の出入りの記録を出せ!」職員は慌ててパソコンを操作し、やがて顔を上げた。どこか戸惑ったような表情だった。「神崎さん、奥様は……もう長いこと、こちらに戻られていません」「戻ってない?」怜司は一瞬きょとんとしたが、何か思い当たったのか、みるみる顔に怒りが浮かんだ。「ああ、そういうことか。外で男でも囲ってるから帰らないんだな!見つけたら、ただじゃおかない!」そのまま高圧的な口調で、私が最後にどこへ行ったのか調べろと命じた。けれど職員は、つばをのみ込んでから、おそるおそる口を開いた。「実は、奥様は……3年前に亡くなっています」その場の空気が凍りついた。怜司は面食らったような顔でつぶやいた。「死んだ?いつの話だ?」「3年前です」職員が記録を取り出した
Read more