すぐに既読がついたが、宗佑からの返信はなかった。10分後、部署合同のミーティングが始まり、宗佑も会議室に姿を現した。一瞬だけ目が合ったものの、その表情には何の変化もない。まるで私から届いた別れのメッセージなど、何とも思っていないかのようだった。各自の報告が終わると、宗佑は資料を1部手に取り、眉を寄せた。「このプロジェクト、誰が担当した?」私は椅子を引いて立ち上がった。「私です」彼が資料をテーブルの上に放り投げる。「篠原課長、君のチームが作成した資料をもう一度よく確認した方がいい。顧客の成約見込みの欄に、初歩的な数値ミスがある」彼から向けられる視線は冷たく、一切の容赦がなかった。「こんな仕事をさせるために、会社は君に高い給料を払ってるわけじゃないんだから」会議室は一瞬で静まり返り、誰もが息を潜めた。よりによって、そのタイミングで下腹部がまた激しく痛み始め、額には次々と冷や汗が滲んでくる。隣にいた部下の吉岡佳奈(よしおか かな)がそれに気づき、立ち上がろうとしたので、私は先にその肩を軽く押さえた。宗佑は目を伏せ、そのやり取りを黙って見ていた。私は俯いたまま、平静を装って答える。「申し訳ありません。私の確認不足ですので、会社の処分には従います」場が数秒間、沈黙に包まれた。宗佑は顔を上げて私を見つめ、淡々と口を開く。「篠原課長は今回の業務上のミスにより、今年度の評価を減点し、賞与は全額カットする」私は何も言わずに座った。胸の奥には、じわじわと痛みが広がっていく。続いて、次の部署の報告に移った。報告者は、新しく入社した夕夏。今朝、宗佑の車から降りてきたあの女性だった。夕夏の報告を聞き終えると、宗佑はすぐにいくつかのミスを指摘した。先ほどの私への処分を見ていたせいか、夕夏はたちまち顔を青ざめさせる。「も、申し訳ありません、社長。すぐに修正します」宗佑は資料から顔を上げ、わずかに眉を上げた。「俺がそんなに怖いか?」夕夏は反射的にこくりと頷いた。けれど、すぐに気づいたらしく、今度は慌ててぶんぶんと首を横に振る。その様子を見た宗佑は拳を口元に当て、顔を背けた。そして、堪えきれなかったように小さく笑う。その瞬間、いつも冷たい宗佑の表情がふっと和らいだ。夕夏は耳まで赤くし、呆然と見つめている。宗佑は立ち上がり、スラック
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