シャーロック・ホームズの兄であるマイクロフトが主人公の作品は意外と少ないんですよね。
最も有名なのは『マイクロフト・ホームズ』シリーズで、このキャラクターの知性と政治的な影響力を掘り下げています。BBCの『シャーロック』ではマイクロフトが重要なサポートキャラとして登場し、彼の独自の世界観が描かれていました。最近では『The Adventure of the Foundling』というオーディオドラマで主役を務めたエピソードもあり、官僚としての手腕と弟との関係性に焦点が当てられていて興味深かったです。
オリジナル小説の隙間を埋めるように、いくつかの作家がマイクロフトを主人公にしたスピンオフ作品を書いていますが、どれもシャーロックとは違った重厚な謎解きが特徴です。
H.H.ホームズの残虐な犯罪を題材にした作品で最近読んだ中で強く印象に残っているのは、エリザベス・ハンドの『The Girl in the Glass』だ。
この作品は現代と過去を行き来するタイムスリップ要素もあり、ホームズの殺人ホテルを再現したような不気味な建物が舞台となる。主人公が歴史の闇に引きずり込まれる様子は、読んでいて背筋が寒くなるほど巧みに描かれている。特に、当時の新聞記事を織り交ぜたドキュメンタリー風の描写がリアリティを増幅させていた。
ホームズをモチーフにしながらも、単なる事件再現に留まらない文学的な深みがある点が新鮮だった。