オトゲのシナリオ評価で意外と見落とされがちなのが、『プレイヤーエージェンシー』の扱い方。主人公が単なる視点役ではなく、自らの意思で物語を変えていく実感があるかどうかが大切。『アンジェリーク』シリーズのように、領地経営というゲーム性とストーリー進行が密接にリンクしていると、没入度が段違いに上がる。
また、ルート間のテーマの一貫性も深みを計る指標。悪役ルートであってもキャラクターの本質がブレず、むしろ別角度から核心を照らすような構成なら、それは単なるイフストーリー以上の価値がある。最近遊んだ『ジョーカーの国のアリス』では、どのルートを選んでも『狂気とは何か』という問いが通底していたのが印象的だった。
最後に音楽や効果音との連動。台詞だけでは伝わらない情感が、BGMの変化で
ふいに深みを増す瞬間こそ、マルチメディアならではのシナリオの厚みだと思う。