誘拐され流産しても放置なのに、離婚だけで泣くの?妊娠三か月の時に誘拐され、豪雨の中で必死に電話をかけても、夫と家族は夫の幼なじみの誕生日会を優先して電話を切り、そのまま流産した。
その後、夫は会社のチーフパフューマーの席を幼なじみに譲った。
さらに時が経ち、死者の身分をかたっていたことが親子鑑定で暴かれ、ネット中が彼女を刑務所送りにしろと叫ぶ中、夫は彼女が必死に立ち上げた香水シリーズに幼なじみの名前を付けた。
秦夕星(はた ゆうほ)は心が折れ、離婚した。
再会した時、夕星は国際的に名高い東方香水の達人となり、数えきれないほどの賞賛を浴び、その傍らには穏やかで上品な男もいれば、情熱的で奔放な男もいた……
身勝手な家族たちは深く後悔し、夕星に必死で許しを懇願する。
榊凌(さかき りょう)は血走った目で訪れ、胸の内をさらけ出して復縁を乞う。「命ごとお前にやる。だからもう一度だけ、俺を騙してくれないか」
夕星は全ての贈与契約書を破り捨てる。「私たちはもう、何の関係もない!」