ド近眼の私、ホラーゲームでは無敵らしいホラーゲームに入り込んだ私は目がすごく悪くてよく見えなかった。
だから、血濡れの姫を本当の娘みたいに可愛がったり、ラスボスを夫みたいに扱ったり、年老いた化け物を実の親みたいに敬ったりしていた。
初めてラスボスに会ったときなんて、思わずその腹筋をわしづかみにしちゃって、こう言ったのだ。
「わあ、すごい体してるね。でも、ちょっと背が低いのがもったいないかな」
そう言われボスは言葉を失ったけど、手に持っていた自分の首を体にくっつけると、歯ぎしりしながら言った。
「俺は身長186センチだ。さあ、もう一度よく見てみろよ」