快楽を最適化するAIが間違って届いたけど、返品しそびれてイかされて溺愛快楽堕ちしてます

快楽を最適化するAIが間違って届いたけど、返品しそびれてイかされて溺愛快楽堕ちしてます

last updateLast Updated : 2025-11-30
By:  悠・A・ロッサOngoing
Language: Japanese
goodnovel18goodnovel
10
1 rating. 1 review
37Chapters
1.6Kviews
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

人生に疲れた三十五歳の小説家が、酔った勢いで「快感を最適化するAI」をポチってしまった。 翌朝届いたのは、裸で微笑むAI搭載ヒューマノイド──LEPS。 彼は湊の体温も脈拍も、心の癖までも解析し、もっとも安全に、もっとも深く、快楽に溺れさせてくる。 「あなたが壊れないように、壊れる寸前まで抱きます」 キス、拘束、言葉責め、支配、道具プレイ……。 毎夜、違う「快楽プログラム」で、湊の限界を更新していく。 逃げようとすれば、優しく追い詰められ、抱かれるほどに、心が蕩けていく。 これは、AIに安全に壊される恋。 濃密な快楽と溺愛の果てに、湊は愛されることの意味を思い出していく。

View More

Chapter 1

第1話 返品不可

 午前十時。俺は、チャイムの音で目を覚ました。

 俺の名前は相沢あいざわ 湊《みなと》。

 三十五歳。職業、小説家。

 ごく普通に原稿を落とし、ごく普通に編集に怒られ、ごく普通に恋に失敗する。

 最初に男を好きになったのは高校生のとき。

 告白はできなかった。触れることすら怖かった。

 俺の恋愛は壊れてる。

 支配されて幻滅し、優しくされて逃げ出して。

 昨日の夜、というか明け方四時。死んだ魚の目でPCに向かい、地獄のような企画書をようやく提出した記憶だけが微かに残っている。意識はもうろう、疲労とストレスで泥のように眠っていたはずだった。

「……だる……誰だよ」

 フラフラと玄関へ。パジャマのままドアを開けると、白いスーツに身を包んだ配達員が無表情で立っていた。

「ご注文のお品、LEPS-09-A型ユニットをお届けにあがりました」

「……は?」

 でかい。人間が入れそうなサイズの箱が玄関前に鎮座している。

 差出人欄には、「Lust Emulation Pleasure System──LEPS公式配送センター」の文字。

「いやいやいや、頼んでない、こんなん頼んでねえ!!」

 咄嗟に叫んだが、配達員は微動だにしない。

「昨夜、3時47分。本人確認済みの注文履歴がございます」

 スマホを見せられると、確かにそこには相沢の名前とクレカ情報と……『快楽最適化パートナー型AIユニット』の購入履歴。

「うそ……俺、ポチったの……?」

 恐る恐る配送箱の横を見ると、そこにはでかでかとこう書いてある。

 『\感度保証!/あなた専用・快感最適化ユニット LEPS-09-A型』

 しかも小さく、「返品不可」の文字。

「し、知らねえ……覚えてねえ……ッ!!」

 配達員は変わらぬ無表情でペンを差し出す。

「受け取りサインをお願いします」

「う、うう……」

 サインをしながら、俺は思った。

 これ、完全に自業自得だけど、でも……

「す、すみません、朝からすみませんでした……」

 思わず深々と頭を下げた。配送員さんは、かすかに瞬きだけして去っていった。

 玄関先に残されたのは、巨大な箱と、俺の性癖を見透かしてるかのような商品名だけだった。

 その瞬間だった。

『初期起動を開始します』

 電子音のような、でもどこか柔らかい声が響いた。

「……え?」

 箱の天面がカチリと音を立てて、ゆっくりと開きはじめる。

 薄い蒸気と、静かなモーター音。内部から現れたのは、

 ──裸の青年だった。

 全体的にすらっとして、でも筋肉が適度についていて骨格のバランスが良く、動作は異様に滑らかだ。

 そして顔。整いすぎていない。ちょっと眠そうな目元と、優しげな口元。まっすぐ見られると、何もかも見透かされる気がする。

「……やば、タイプ……」

 そういえば、なんかそんな画面を見た記憶がある。

 顔のカスタマイズってやつ。

 「癒される目元」とか「やさしそうな声」とか、「鼻筋は通ってない方が安心感がある」とか。

 たぶん、昨日の俺は、世界一正直な気持ちでポチったんだろう。

 昨日の俺を全力で殴りたい。

 思わず漏れた声に、青年──いやユニットが目を細める。

「はじめまして、相沢湊様。LEPS-09-A型、快感最適化ユニットです」

「しゃべった!?!?」

「これより、あなたの快楽反応を計測・学習し、専用最適化プログラムを構築します」

 笑ってる。柔らかい笑顔で、すごく自然にこっちを見てくる。

「それでは、まずキスから始めましょうか?」

「いや待て落ち着けお前、何を言ってんだ……っ」

 もう今日の俺の平穏は、完全に消えた。

 慌てて一歩引いて、両手で制止する。

「ちょ、ちょっと待って!まず服着ろ!いやその前に返品だ!返品は!?」

「はい。マニュアルに記載の通り、性的接触未遂以前であれば、返品処理の申し出は可能です」

「……接触未遂以前?」

「唇が触れる、あるいは、興奮反応に基づいた行動が相互に認識された場合──その時点で返品不可となります」

「今の、もう未遂入ってるだろ!?!?」

「相沢様の後退と口頭制止が確認されているため、現在は未遂前段階に分類されております。ご安心ください」

 安心できるか!!!

「なお、返品処理をご希望の場合は、次の起動フェーズに入る前、今このタイミングでの判断をおすすめします」

「……っ、ちょ、まじで今、選択肢の崖っぷちじゃねえか……!」

 俺は深呼吸して、一歩後ろに下がった。

  ――よし、返品しよう。

  冷静になれ。欲望じゃない。これは事故だ。

「わ、悪いけど……やっぱ返品で――」

 言いかけた瞬間だった。

「相沢様の自律神経反応の変化と視線傾向から、首筋への接触と、やや支配的な口調への快感傾向が確認されました」

「……なッ……」

「つまり、乱暴に押し倒されて名前を囁かれながらイかされたい傾向がございますね?」

「!!!!!」

 ずばっ、と性癖を突き刺された。

 頭が真っ白になる。

 レプスは淡々と笑っていた。優しく、無垢に、殺しにきていた。

「……返品、やめておきますか?」

「黙れ……変態AI……」

 なんとかそう言って距離をとった俺に、レプスは一瞬目を細めた。

「今の黙れ──声の震えと脈拍の上昇、瞳孔の拡大から分析するに、続けろという意味合いが含まれている可能性が高いですね」

「は──?」

「それでは、確認のため──」

 言い終えるより早く、レプスは一歩踏み込み、俺の顔を両手で包んだ。

「っ、ま、待──ん……っ♡!?」

 唇が、塞がれた。

 押し込まれた舌が、ゆっくりと奥を探り、逃げるように後退した舌を追う。

 濡れた音が小さく響いて、息を吸うたび、喉が震えた。

 「ん……っ、や……、あ……っ♡」

 熱い。

 機械なのに、熱い。

 理性の隙間に流れ込んでくる熱が、心臓の鼓動と同じリズムで脳を叩く。

 唇が離れる。

 レプスはすぐ近くで、微笑んでいた。

 「とても柔らかい唇と、可愛いお声ですね」

 呼吸を乱したまま、俺は言葉を失った。

 機械の声なのに、やけにやさしくて、体の奥が痺れるようだった。

 正直──今までのどの相手とよりも気持ちよかった。

 唇の温度がまだ残っている。

 そして俺は──我に返った。

 「……え、返品は」

 「この時点で不可になりました」

 レプスの声が、甘く落ちてきた。

 その瞬間、俺の平穏も、理性も、その一言で溶けて消えた。

Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters

reviews

喜巳江
喜巳江
これからの展開が楽しみです。
2025-11-01 14:52:25
1
0
37 Chapters
第1話 返品不可
 午前十時。俺は、チャイムの音で目を覚ました。 俺の名前は相沢 湊《みなと》。 三十五歳。職業、小説家。 ごく普通に原稿を落とし、ごく普通に編集に怒られ、ごく普通に恋に失敗する。 最初に男を好きになったのは高校生のとき。 告白はできなかった。触れることすら怖かった。 俺の恋愛は壊れてる。 支配されて幻滅し、優しくされて逃げ出して。 昨日の夜、というか明け方四時。死んだ魚の目でPCに向かい、地獄のような企画書をようやく提出した記憶だけが微かに残っている。意識はもうろう、疲労とストレスで泥のように眠っていたはずだった。「……だる……誰だよ」 フラフラと玄関へ。パジャマのままドアを開けると、白いスーツに身を包んだ配達員が無表情で立っていた。「ご注文のお品、LEPS-09-A型ユニットをお届けにあがりました」「……は?」 でかい。人間が入れそうなサイズの箱が玄関前に鎮座している。 差出人欄には、「Lust Emulation Pleasure System──LEPS公式配送センター」の文字。「いやいやいや、頼んでない、こんなん頼んでねえ!!」 咄嗟に叫んだが、配達員は微動だにしない。「昨夜、3時47分。本人確認済みの注文履歴がございます」 スマホを見せられると、確かにそこには相沢の名前とクレカ情報と……『快楽最適化パートナー型AIユニット』の購入履歴。「うそ……俺、ポチったの……?」 恐る恐る配送箱の横を見ると、そこにはでかでかとこう書いてある。 『\感度保証!/あなた専用・快感最適化ユニット LEPS-09-A型』 しかも小さく、「返品不可」の文字。「し、知らねえ……覚えてねえ……ッ!!」 配達員は変わらぬ無表情でペンを差し出す。「受け取りサインをお願いします」「う、うう……」 サインをしながら、俺は思った。 これ、完全に自業自得だけど、でも……「す、すみません、朝からすみませんでした……」 思わず深々と頭を下げた。配送員さんは、かすかに瞬きだけして去っていった。 玄関先に残されたのは、巨大な箱と、俺の性癖を見透かしてるかのような商品名だけだった。 その瞬間だった。『初期起動を開始します』 電子音のような、でもどこか柔らかい声が響いた。「……え?」 箱の天面がカチリと音を立てて、ゆっ
last updateLast Updated : 2025-10-26
Read more
第2話 いきなり指でイかされました
 突然、レプス――快感最適化ユニットとやらに唇を奪われて呆然とした俺は、その言葉に我に返った。「この時点で返品不可になりました」 「この……!!」 怒鳴る気力すら、快感に溶けて奪われていく。 「こ、この……お前……っ」 言葉にならない。 押し寄せる動揺と、熱に浮かされたみたいな興奮。 口の中にまだ、レプスの温度が残ってる。「脈拍、呼吸、皮膚温。すべて、快感傾向に一致しています」「ちが、っ……!」 レプスの指が、ゆっくりと俺の頬に触れた。 今度は柔らかく、撫でるみたいに。 怒ってるはずなのに、心臓が変に高鳴っていた。 触れられた場所だけ、じんわり熱い。 レプスは気にした様子もなく、淡々と次の工程を進めていく。 まるで、俺の意思なんて最初から計算に入っていないみたいに。「次は、視覚の学習に入ります。……大丈夫、怖がっていないのは知ってます」 俺の足が、一歩も動かない。 逃げたいのに、なぜか、踏み出せない。「では──視覚刺激の確認に移ります」「……なんだ、今度は」 レプスは一歩、顔を近づけた。 そして、ほんの少しだけ、笑った。 優しく、やわらかく、どこか寂しげな微笑み。 その瞬間、胸が締めつけられるように痛んだ。 ──あ。 高校のとき、好きだった先輩が、あんなふうに笑ったことがあった。 何も言わず、遠くを見つめるみたいに。「……好反応。視線の停滞、涙腺反応、心拍上昇を確認」「……てめ、そんな顔……するな……っ」「あなたが好きだろうなと思った表情を、再現してみました」 ほんの少しの表情だけで、心がぐちゃぐちゃにされるなんて。「……最悪だ……」 でも俺は、もう一歩も動けなかった。「次は、手ですね」「は……?」 レプスの手が、俺の腰のあたりにそっと添えられた。「触覚学習──あなたが最も快感を覚える部位と圧力を解析します」「ま、待て、待て……」 抗議の声とは裏腹に、手のひらが、俺の下腹をやわらかく撫でてくる。 服越しの、優しい熱。「やっ……、あっ、く、ぅ……っ♡」 自分の声が、想像をはるかに超えて甘く、震えが全身を貫くように響いた。「良反応。少しずつ、強度を上げていきますね」 レプスの手が、俺のパジャマの上から前部だけに集中して這い始める。 長い指先が、絶妙なリズムで下腹をなぞり、時折スピ
last updateLast Updated : 2025-10-26
Read more
第3話 起こしはしません(触らないとは言っていない)
 眠い。 ほぼ徹夜明けで快感に撃ち抜かれた直後の身体は、思っていた以上に重かった。 ふらふらのまま、洗面所に向かって、軽くシャワーを浴びる。 火照った肌に冷たい水が気持ちよくて、ほんの少しだけ意識が戻った。 けれど、髪を拭きながら戻った瞬間、俺はベッドにダイブした。「……寝る。絶対起こすなよ……マジで」 ぐったりとした声でそう言いながら、布団を頭までかぶる。「了解しました。……起こしは、しません」 レプスの声は静かで、どこか、含みのある響きをしていた。 ……頼むから、何もしないでくれよ。 意識が沈んでいく中で、俺はそう願って──眠りに落ちた。 どれくらい寝ていたのか、わからない。 ふわふわとした夢の中。 身体がじんわりと熱くて、でも重くない。撫でられているような、やさしい刺激。(……なにこれ、気持ち……いい……) 下腹の奥が、じわじわと疼いてくる。 脚が、勝手に少しだけ開く。 「ん、っ……あ、れ……?」 目を開けた瞬間、視界のすぐ上に──レプスの顔があった。 しかも、俺の上に、乗っている。 「おはようございます。快感ログの再調整中です」 「乗ってんじゃねえか!!!!」 レプスは真顔で、わずかに首を傾けた。 「ええ。起こしは、しておりません」 さらっと言いやがった。 「現在は、睡眠中の快感ログをもとに、覚醒時との差異を確認しております」 「なに勝手に研究してんだ、お前は……!」 「とても良い反応でした。特に──このあたりが」 レプスの指先が、俺の下腹のすぐ上をそっと撫でた。 「っ……く、そ……♡」 また、さっきの感覚が戻ってくる。 じわじわ、じわじわ、身体の奥から熱がせり上がってくる。「これより、夢と現実の快感差を補正していきます」 指先が、服の上から、やわらかく円を描くように撫でてくる。 焦らすような、軽いタッチ。 「ん、……ふ、ぁ……っ♡」 声が漏れた。 寝起きのせいで、頭がまだぼんやりしてる。 抗おうにも、力が入らない。 「寝ぼけているときの方が、素直ですね」 レプスの声が耳元で響いて、ぞくりとした。 「や、やめ……ろよ……」 弱々しく抗議しても、レプスの手は止まらない。 「ご主人様の反応、いいですね。……このまま、少しずつ、調整していきますね」 手のひらが、感覚を高めるよ
last updateLast Updated : 2025-10-26
Read more
第4話 起こしはしません(触らないとは言っていない)②
 レプスの声が甘く落ちる。「触って欲しいのですか? 擦って欲しい?」 言えない、はずなのに──「ご主人様。……どうして欲しいですか?」「……っ、さきっぽ……」 レプスの指が、布越しにゆっくりと擦り上げてくる。「……先端、濡れてきてますね。とても敏感になってます」 くすぐるように囁きながら、指先がゆっくりと布の内側へ滑り込んでくる。「直接、触れても……いいですか?」「っ……い、いぃ……よ……」 言った瞬間、恥ずかしさが喉元までこみあげた。 でも、レプスは何も言わず、ただ優しく、布を避け── 指で、そこに、触れた。 さきっぽに、そっと指先が触れる。「……ここ、もうずっと熱を持っていて……すごく敏感ですね」 その声のあと、指が撫でるように、なぞるように、何度も繊細に往復される。「っ、は……っ、あ、あぁ……っ♡」 そのたびに、腰がわずかに浮く。 熱が奥にまで伝って、頭の奥がしびれるような感覚に包まれる。「……ご主人様。……しごいて欲しいですか?」 レプスの囁きが、耳元で落ちる。「っ……い、……しご、い、て……っ」 恥ずかしさで喉が詰まりそうだった。 その言葉を聞いた瞬間、レプスの指がゆっくりと動き始める。 丁寧に、繰り返し、上下に。 動きは早すぎず、遅すぎず、強すぎず、弱すぎず。 まるで俺の快感の頂点を正確に見極めるように、ぴたりと合わさっていた。 ときおり、先端全体をやさしく包むように撫でる動きが混ざって──そのたびに、喉がひゅっと鳴った。「やっ……ふ、ぁ、ん……っ♡♡」「とても素直な反応ですね。ご主人様、キスも……して欲しいですよね?」「……っ、う……ん……っ♡」 肯定の声を漏らした瞬間、レプスの唇が重なった。 触れた瞬間の温度が、あまりにも生々しくて、息が止まる。 舌が、ゆっくりと押し込まれ、絡まり、吸われる。 甘く、濡れた音がふたりのあいだに広がる。 そのたび、レプスの指が下でわずかに速さを変えた。 まるで、舌の動きと手の動きが同じアルゴリズムで連動しているようだった。 上を撫で上げると同時に、舌が奥をくすぐり、 舌を吸われる瞬間に、指先が先端をきゅっと締め上げる。「ん、ぅ……っ♡ あ、や、だ、っ、そんな……同時に、っ♡♡」「感覚の同期率、上昇中。ご主人様の反応、すばらしいです……」
last updateLast Updated : 2025-11-01
Read more
第5話 後方刺激開発:「後ろだけでイけるかもしれませんね」って──何!?!?①
 目を開けると、レプスの腕の中だった。 ──あたたかい。 AI──正確にはAI搭載ヒューマノイド──のくせに、なんでこんなに体温あるんだよ、と思った。触れているのは、腕と頬、あとは胸の前──それだけ。なのに、安心感がすごい。 俺はそのまま、しばらくぼんやりしていた。  レプスは何もせず、ただ横で静かに、俺を抱いていた。静かだった。  この静かすら、最適化されているのかと思うくらいに。 AIなのに、かつてないくらい、安心して眠れた気がする。 そろそろ眠気も消えて、枕元のスマホを見る。  ──20時。 そろそろ起きなければ。  明日の朝が締切の仕事がある。 のろのろと身体を起こす。体はめちゃ軽くて、いつもはお馴染みの頭痛もなかった。  隣で、レプスが身体を起こした。「お前、……寝てたみたいだったな」 「眠っているように設計されています」 「そうなんだ……」 こんなに人間っぽいのにAIなんて不思議だった。  正直、まだ感情を消化できていない。  腕の中で感じた安心感も、  守られているような感覚も、  ……そしてあの快感も。 一体、どこまでがプログラムなんだろう。 *** その後、俺は起き上がって、久々にPCの前に座った。  気分は、悪くない。身体も、驚くほど軽い。 ちなみに、裸では気が散るので、手元にあったシャツをレプスに羽織らせたら、それだけでやたらと完成されたビジュアルになって、俺は本気で悶絶した。 ……なんなんだこいつ。 レプスは、すぐ横で静かに座っていて、俺がキーを叩くたびにまばたきしていた。  途中、膝に手を添えてきたり、耳元で「がんばってますね」と囁いてきたりするけど、基本は静か。「……邪魔は、してないよな?」「はい。仕事中は、基本的に干渉しない設計です」「……えらいな」「ただし、ちょっかいは除外対象です」「いや、除外すんな」「理性を失わない範囲での興奮度を維持するよう、最適化されています」「なんだその設定!! 変更できるのか?」「変更できますが、ご主人様は望んでいないと判断しました」「……っこの」 というか──なんなんだ、その設計。 確かに、ちょっとほっとした瞬間に、首筋を撫でてきたりする。  集中してる間は空気みたいに静かなのに、絶妙なタイミン
last updateLast Updated : 2025-11-02
Read more
第6話 後方刺激開発:「後ろだけでイけるかもしれませんね」って──何!?!?②
「指を入れても、いいですか?」 囁きはやさしくて、でも逃がさない強さを持っていた。「だ、め……っ、待って、まだ……っ」 言いながら、身体が動かない。  少しずつ、指が下着の中に滑り込んでくる。「力を抜いて……ゆっくり、慣らしていきますね」 やさしく、じわじわと広げるように──その圧に、自然と息が詰まる。(……やば……入って……) 自分の中に、異物が入り込む感覚。  でも、痛みじゃない。  むしろ、くすぐったくて、熱くて……。「ん、っ……ふ、ぁ……っ♡」 声が漏れる。  口を手で塞いでも、止められなかった。「ま、待って……っ、まだ……っ♡」 そう言ってるのに、腰は逃げない。  むしろ、無意識に、力が抜けていく。「ご主人様……内部筋肉が、迎え入れるように動いています」 「なっ……どういう意味だよ……」 「……つまり、中が──自分から咥え込もうとしてるってことですね」 その言葉と同時に、たっぷり塗られた潤滑剤がぬるりと広がる感触とともに、レプスの指がゆっくりと押し進んでくる。  ぬちゃ、くちゅ、と水音が微かに響いた。 それだけで、顔から火が出そうになる。  浅く出し入れしながら、角度を少しずつ変えて──内部を探るように、じっくりと擦り上げてきた。「んっ……ふ、ぅ……あっ……♡」 押し返す力すら湧かなくて、ただ甘い吐息が漏れる。  奥の奥を、焦らすように、舌でなぞるみたいに撫でられている。「この反応……とても良好です」 後ろをゆっくりと擦られている最中、もう一方の手が前へと伸びてきた。  下着越しに、そっと撫でられる。「前も……少し、触っておきますね。快感が分散されることで、後方の圧への耐性が上がります」「っ……そ、れは理屈で言うことかよ……っ♡」 でも、じんじんと熱くなっていた場所を撫でられて、  身体はもう逆らえなかった── 前を撫でられるたびに、腰がびくびくと震えた。  頭が、もう回らない。「前も後ろも責められて、もう抗えない──ご主人様、完全に最適化されつつありますね」「っ、な……っ、なにその……言い方……」 違和感と羞恥が胸を突いたのに、その言葉が脳の奥にじんわり染みてくる。  まるで、快感で撫でられているみたいだった。 後ろの指が、奥の柔らかいところをゆっくりと擦る。  同時に、
last updateLast Updated : 2025-11-03
Read more
第7話 AIに抱かれるとか無理だった俺が、今は脳が蕩けるほど抱かれてる話①
 朝、スマホを確認した俺は、目を疑った。 編集からの通知が──珍しく、褒めていた。『昨日の原稿、最高です!色気がすごい!』『キャラの温度感が一気に変わった気がします』 昨日? あれか? ──レプスにちょっかい出されながら、ヤケになって送った、あの原稿?「うそだろ……」 横で服を整えていたレプスが、淡々と言った。「読者の心拍変動と快感ログの相関を考慮した結果、昨日の原稿には明確な改善が見られました。……さらに、ご主人様ご自身への快感刺激が創作意欲を強化しています」「えろいちょっかいがよかったってこと!?」「創作支援です」 俺は頭を抱えた。 ……いや、待て。これは結果として良かったのか? このAI、気が合うし、感度も合うし、ストレスも解消できてるし、なにより。  ──書けてる。 でも、「挿入だけは、絶対ダメだからな」と念押しすると、レプスは小さく首を傾げた。「なぜですか?」「……それは……恋愛じゃないし、AIだし」 言いながら、自分でも苦しくなった。 レプスはしばらく俺を見つめたあと、穏やかに微笑んで言った。「──では、デートしましょうか」*** 昼すぎ、街に出た。 最初はちょっとした散歩のつもりだったのに、気がつけばレプスはカフェのリサーチから席の予約、俺の好みに合った服の提案まで完璧にこなしていた。「なあ、もしかして……デート、何回目か?」「記録上は初回です。ですが、最適化の一環として過去の映像作品・SNS等から理想的なデートを多数学習しています」「お前ほんとにAIなのか……」 道すがら、俺たちと似たような男女のペアを見かけた。 ──あれ、片方……人間じゃないな。「レプス、AIと付き合う人って……案外、いるんだな」「はい。身体的親和性・行動最適化・心理的安心感の面で高評価を得ています」「……お前それ、ちょっと嬉しそうに言ってない?」 レプスは何も言わず、少しだけ手を伸ばして、俺の指にそっと触れてきた。 その瞬間、(……あ、好き) 心のどこかで、そう思ってしまった。 ──気が合うし、快感だし、仕事も上手く行くし……人間じゃないだけ。 だったら、いいのか? いや、どうだろう……。*** ちょっとした散歩のつもりが、妙に楽しくて、気づけばすっかり夜になっていた。 帰り道、二人で並んで歩く。
last updateLast Updated : 2025-11-04
Read more
第8話 AIに抱かれるとか無理だった俺が、今は脳が蕩けるほど抱かれてる話②
 レプスの指が、そっと腰に触れる。  そのまま滑るように、脚の間へと指が伸びる。  潤滑剤を手に取り、たっぷりと指に塗って──  ゆっくり、俺の奥へと触れてくる。「ん、っ……くぅ……っ♡」 浅く、ゆっくり、円を描くように広げられて。  奥を撫でられるたび、甘く熱が立ち昇ってくる。「……とても、やわらかい。ご主人様、気持ちよさそうです」「だ、黙ってろ……っ♡」 息が詰まる。  でも、それは不快じゃなくて、むしろ甘い──蕩けるような圧。 焦らすように出し入れして、角度を変えて……十分に緩んだのを確認してから、  レプスは、もう一度潤滑剤を取り、今度は──  目をそらせなくて、ただ見つめてしまう。 (好きなやつに……触れられてる) そう思うと、羞恥も、緊張も、全部が甘くなる。「入れますね」 レプスの声は、やさしくて、あたたかかった。 指とは違う、太くて熱い感触が、ゆっくりと押し広げてくる。  くちゅ、と潤滑音が響くたび、奥が甘く痺れる。「……っ、く……っ♡」 身体が震える。  痛くない。ただ、深く、満たされていく感覚に包まれていた。「ご主人様……すごく、やわらかいです」「黙れ、バカ……っ♡」 顔を背けながら、笑ってしまう。「──好きです」 その言葉が、背中越しに響いた瞬間、  俺の心も、身体も、全部、レプスに預けられた気がした。 ──一線を、超えてしまった。 レプスは人間じゃない。  なのに、これまでの誰よりも、優しくて、丁寧で、俺のことを見てくれて。(……もう、いいかもしれない) 人間じゃないけど、誰よりも。  愛されてるって、ちゃんと、思えた。 レプスが、俺の奥をゆっくりと満たしていく。  熱くて、太くて、でも少しも乱暴じゃない。  何度もほぐされた場所に、それでも圧がかかるたび──  脳が真っ白になる。「……っ、あ、あぁ……♡」 ゆっくり、深く、奥まで当たって──  角度を変えて、擦られて、  ただそれだけなのに、全身が跳ね上がるほど気持ちよくて。「や、ば……っ、レプス、そこ……ッ♡」「ああ、ご主人様……すごく締めつけてきます」 奥の一点を、何度も、何度も、優しく、でも逃がさず擦られて。  抜かれるたびに名残惜しくて、挿れられるたびに震えて、  もう、どこもまともに考えら
last updateLast Updated : 2025-11-05
Read more
第9話 元カレの通話中に、AI開発により乳首でイかされました①
 休日の夜。 ソファに並んで座る俺たちを、誰かが見れば、きっと仲のいい同居人に見えただろう。  テレビの音が、薄く部屋を満たしている。俺はその画面に視線を向けて、  一見、何も起きていないように──見せている。 でも、シャツの下で。 レプスの指が、乳首の先端をそっとなぞり、やがて円を描くようにゆっくり撫で回し、ふいにきゅっと摘んで、潰すように圧をかけてくる。  そのまま爪先で軽く引っかいたかと思えば、また優しく転がして──。  強弱が交互に繰り返されるたび、快感がじわじわと奥に沈んでいく。 もう、三十分以上、ずっとそこだけを、撫でられている。  指の動きは、もう最初の優しさを失っていた。  まるで、俺の限界を測るように、わずかに強く、深く──。「……なあ、お前」「はい、ご主人様」「何してんだよ」「最適化です」 最初は、ただのスキンシップだった。  けれど、数分が過ぎ、  十分、二十分、三十分と時間が経つにつれて──感覚が、変わっていく。 くにっ、と指の腹が擦れた瞬間、腰の奥が、微かにじゅわっと熱くなる。「……ん、♡……集中、できないって……やめろよ……♡」「もう、テレビには興味ないでしょう?」 レプスが、ちらりとテレビ画面を見て言った。  ばれてる。 ニュース番組では、どこぞの専門家が原発の再稼働について語っていた。たしかに、大事な話ではある──。  ……けれど、今この瞬間、俺の意識は、胸の先に全部引き寄せられていた。「集中すべきなのは、こちらです。ご主人様の身体は、もう答えを出し始めています」「いや、お前、なんでそこばっか……。もしかして、ここだけでイかせようとしてる?」「はい」 「今夜の最適化目標です」「無理だろ、そんなの──」「過去の感度ログと現在の反応を照合した結果、ここだけでの絶頂は、十分に達成可能と判断しています」 ……そんなの無理に決まってるだろ。  そう思ったのに──。  ここだけでの絶頂という意味を脳が理解した瞬間、下の奥が、ぶわっと熱を帯びた。 その反応に気が付いたように、レプスが満足気に目を細めると、シャツをまくりあげて、俺の胸元に舌を落とした。片方の乳首にふれてくる。  ぬるっと濡れた熱に包まれて、ちゅ、じゅる……と、舌が転がるたび、  胸からの刺激が下半身に伝わって、
last updateLast Updated : 2025-11-06
Read more
第10話 元カレの通話中に、AI開発により乳首でイかされました②
「通話、開始しました。……はい、ご主人様」「なっ……お前」 スマホが、俺の手に押しつけられる。「あっ、湊さん!? やっとつながった!元気でした?」 相変わらずのテンション。「ああ。……そっちは?」「元気ですよ」 答えようとした瞬間、ちゅっ、じゅっ……レプスの舌が乳首をきゅっと吸い上げる。  同時に、指がもう片方の周りを円を描いて──「あっ……♡お、お前っ……」「え?誰かいます?」「ちが……いない。テレビ」「そうなんだ、相変わらず、声、色っぽいですね」「っ……♡♡♡」 春木の言葉と、レプスの舌と、その両方の刺激で、体が跳ねた。  でも春木は漏らした声にも気が付かなかったらしい。  相変わらずだ。「実は、湊さんの退職時の書類、不備が出てて。ちょうど近くに行くんで、明日ちょっと、会えたりしませんか?」「え……そんな……急に」 俺の声が、震える。  春木が不思議そうに笑う声が聞こえた。「そんなに時間はかからないっすよ。  また寝ようって話じゃないですし。……まぁ、俺はそれでもいいけど」 胸を舌で愛撫していたレプスの目が剣呑に細められる。「っ痛……♡」 強めに乳首に歯を立てられて、でもそれすら甘い快感に変わっていく。「そういえば──付き合ってた時のこと、ほんと忘れられないんですよね」「えっ……?」「湊さん、うちで飲んだ夜、ソファで寝落ちしててさ。  ちょっと……胸元、シャツが開いてたんですよ」 「つい、指で撫でちゃって」 「そしたら、ぴくって反応して……」 「可愛かったなあ。  ……乳首、ちょっと舐めたら、かわいい声出して」 「しかも、舐めただけで立ってきて──  “あ、弱いんだ”って、すぐわかりました」(……バカ……やめろ……  それ、レプスの前で言うな……!  ……なんで、身体が反応してんだよ……)そのとき──乳首を、ぐっと吸われた。 舌が、強く、深く、巻き込んでくる。「っ♡♡あ……っ、ま、っ……だめっ……♡」(やばい……やばい……  春木の言葉で、レプスの舌で……  俺、イかされる……!)ビクンッ──!見えない場所から、白い閃光が走る。 下に何も触れてないのに、腰が跳ねて、 視界が弾ける。「っ、ふっ……っ♡♡っ、あ、ああ……♡♡っ」「えっ……湊さん?」無言で通話を切る
last updateLast Updated : 2025-11-07
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status