離婚したら元夫が泣き崩れたその日、上司が他社の社長を会議室に連れて入った瞬間、私・中野南(なかの みなみ)は呆然とした。
「尾崎社長、これが私たちのチームです」
目の前の男は私の元夫・尾崎風斗(おざき ふうと)だ。三年前、彼は初恋の女・松下望海(まつした のぞみ)のために何度も私の真心を踏みにじり、私たちの愛を裏切った。
今この瞬間、彼は眉をひそめ、じっと私を見つめている。
幾多の修羅場をくぐり抜けた上司は、風斗のその様子を見て、すぐに私たちは「ワケあり」だと悟り、瞬時に視線を私に向けた。
上司はこう言った。
「私と尾崎社長がこのプロジェクトを担当する。中野さん、会議室を片付け終わったらもう出て行っていいぞ」
言いながら、上司は私に必死に合図を送った。
「結構。このプロジェクトは中野さんに担当させてもらおう。他のやつは論外だ」
風斗が言い放つと、他の全員がびっくりしてその場に固まった。
「尾崎社長……それは……わかった、中野さん、任せるから尾崎社長ときちんと打ち合わせするんだぞ」
上司は他の全員を連れて退室すると、会議室には私と風斗だけが残された。
彼の目はわずかに赤く、声を詰まらせて私に問いかけた。
「この二年間、お前はどこにいたんだ?なぜ連絡を返さなかった?」