例として、'Game of Thrones'のあの宴席の場面を思い出す。表面的には共に杯を交わす「仲間」のはずが、密かに入念に計画された裏切りへと繋がることで、視聴者も含め全員の安心が一瞬で瓦解する。僕が感じるのは、舞台が普通の社交の延長であるほど、裏切りの効果が増すということだ。
また、長期にわたる偽装や言葉の積み重ねで仲間の信頼を徐々に奪う手法もある。たとえば'The Count of Monte Cristo'では、被害を受けた側の復讐が計画的であるほど対峙する仲間たちに与える心理的負荷が深い。緊迫感は一気に高まるのではなく、少しずつ確実に蓄積されて爆発する。そうした抑制の効いた裏切りは、物語の重心そのものを揺さぶる力を持っていると感じる。
クトゥグアを主役に据えた短編映画は、残念ながらまだ見たことがないですね。でも、H.P.ラヴクラフトの神話体系に触発された短編作品ならいくつか存在します。例えば、『カラマーゾフの息子たち』の監督が手掛けた実験映像『The Call of Cthulhu』(2005)は、サイレント映画風のユニークな解釈で知られています。