移植されたバラ結婚七年目、葛城真紀(かつらぎ まき)は二兆円もの莫大な遺産を相続することになった。
しかし、顧問弁護士との手続きの最中、彼女は衝撃的な事実を告げられる。婚姻届受理証明書は偽物だったのだ。
二兆円の遺産は、法的に独身である彼女一人が相続することになる。
調査を終えた弁護士は、ある名前を口にした。
「西園寺様が戸籍に入れているお相手は、早川恵美(はやかわ えみ)様です。葛城様は……現在、未婚でいらっしゃいます」
臨海市(りんかいし)の誰もが知っていることだが、真紀と西園寺蓮(さいおんじ れん)は親同士が決めた許嫁だった。
真紀は蓮にとって、目に入れても痛くない最愛の存在、掌中の珠だった。
結婚の際、蓮は真紀のために盛大な結婚式を挙げた。
彼は高らかに誓った。
「この俺、西園寺蓮は、生涯かけて真紀を愛し抜く!」と。
だが、彼と恵美が入籍したのは、その結婚式の翌日のことだった。