「物語る」とは、客観的事実に命を吹き込む行為だと感じる。ドキュメンタリー映画『あまちゃん』の方言指導がリアリティを生むように、詳細な描写が事実を立体化させる。ゲーム『The Last of Us』が感染症パニックを超えた傑作と呼ばれる理由も、ジョエルとエリの関係性を丁寧に紡いだからだ。事実は記憶に残らないが、物語は心に刻まれる――この違いがメディア作品の核心だろう。
物語を語るのが苦手な人の多くは、まず『聞き手の立場』を意識できていないケースが多い。大事なのは、相手がどんな情報を求めているのか、どんな流れなら理解しやすいかを想像することだ。
例えば、友達に旅行の話をする時、単に『駅に行って、新幹線に乗って、ホテルに着いた』と羅列するよりも、『駅の自動販売機で変なジュースを見つけた瞬間』とか『新幹線で隣に座ったおじいさんとの会話』みたいな具体的なエピソードを挟むと、ぐっと引き込まれる。『Five Elements of Storytelling』という本でも、細部の描写が感情を動かすと指摘されてたな。
あとは『失敗談』を恐れないのもコツ。完璧な話より、ちょっとしたハプニングがある方が共感を生む。『ディズニーランドで迷子になった話』とか、むしろそっちの方が記憶に残るよね。