雪の降り積もるオープンワールドで、プレイヤーキャラクターが震える仕草を細かく再現しているゲームがある。呼吸が白く見えるだけでなく、服装の厚さによって震え方の強弱が変化する。
『The Long Dark』では体温管理が生存の鍵で、凍傷のリスクがUIではなく肌の色の変化で表現される。暖を取らないと画面の端から氷の結晶が広がっていく演出が、危機感を直感的に伝える。
特に印象的だったのは、キャラクターが寒さで動作が鈍くなる仕組み。ボタンを押す間隔とキャラの反応速度に遅延が生じ、プレイヤー自身がもどかしさを体験できるのが秀逸だ。
『The Last of Us Part II』の冒頭シーンは、感情的なダメージを直撃する。エリーとジョエルの関係が壊れていく過程で、プレイヤーはただ見守るしかない。あの無力感は他のゲームでは味わえない。
特にジョエルの運命が明らかになる場面では、怒りと悲しみが入り混じる。エリーの復讐劇が始まるが、そもそも誰が悪いのか答えが出ない。複雑な感情を引き出すストーリーテリングは、ゲームという媒体でしか成し得ない芸術だ。